はじめに
これは実話を基としています。
個人の名前や施設名称は変えてありますが、実在する人物の葛藤や日々の暮らしをお伝えし、皆様の発達障害に対する理解を深めていただけたら、という願いから主人公である歩さんとペイちゃんの気持ちを代弁したものです。
ペイちゃんは1歳になるあたりに発達障害を示唆され、現在2歳(現在2017年)
わずか1歳になるまでの間にも様々な事があり、歩さんにはたくさんの困難や葛藤がありました。
しかし、臨床心理士の先生、早期療育、様々な人との出会いで今は日々を楽しく過ごしています。
一時、育児放棄したくなったり、虐待に近いほど叩いてしまったり、それを悔やんで鬱気味になってしまうほど悩んだ時期もあります。
それほどに育てにくい、という現実も発達障害にはあるのです。そういった歩さんが直面してきた困難を友人以上、ほぼ姉妹のような関係の作者がお伝えしていく物語です。
また、これは歩さん本人の承諾はきちんと取った上での投稿です。
医師や臨床心理士の先生に見せるためにとっていた記録、メモ紙、歩さんとの何度にも渡る話し合いをベースに構成しています。
基本的に脚色した部分はありません。しかし、日々の忙しさの中でのお互いの記憶の相違などがあり、実際の時期とは若干のズレが生じている場合もあります。
歩さんは世の中には理解されずに苦しんでいる親御さんがたくさんいるはずだと感じ、堂々と私の子は発達障害なのだと言える世の中にはならないか、と自分に起きた事をそのまま伝えて欲しいという意向でいます。
少しでも多くの人に発達障害という外からは見えない障害に対する理解を深めて頂く為にも微力ながら執筆を開始しました。
療育という狭い範囲内でしか我が子の発達障害を堂々と語る事が出来ない世間の目に、歩さんは苦しんでいました。
更に、自身がそれを本当の意味で受け入れるまでの険しい道のりを最後までお付き合い頂ければ幸いです。
※発達障害とはみなそれぞれに症状が違い、対応や対策、療育の仕方や訓練もそれぞれです。発達障害のお子さんや発達障害の疑いがありとされるお子さんがこうなのだ、という表現ではありません。あくまでも本作はペイちゃんの場合は、というお話です。