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0.前書き
その瞬間はだれも予測なんてできないし、自分で決めることもできないだろう。それはきっと、数奇な運命の下に巡ってくるものなのか、あるいは神様とやらのイタズラのためなのか…。何にせよ、これから起こる辛く、悲しく、切ない人生を送ることになる過去の自分には同情の一言しかない。でも、この経験こそ今の自分を作っていると思っている。だから、もしも、過去の自分に助言するなら、こう言うだろう。
「後悔しない選択をしろよ。そしたら、最後には幸せになれると思うよ。」
過去の真面目な自分が、今の適当な自分の話に耳を傾けてくれるのかは置いといて、そう言えるくらい、今は幸せと言っていいだろう。
これから始まるのは一人の少年の切ない恋物語。恋に溺れ、恋に苦しみ、恋を焦がれ、恋を失う。
そんな、悲しい、哀しい物語。