笑えない彼の黙示録
笑えない彼の黙示録
教科書に殴り書きされたジョーク
終わりが近づくその前に
素直な心が舞い戻るように
夢の名残を手探り
跡形もなく 崩れた廃墟の隅
錆びついていた十字架の
輝きまで奪って 嘲笑う先に何があるの
懐中時計が刻む
あとどれだけの時間を
君と二人で愛し合える
笑えない彼の黙示録
揺り椅子の傍で赤子が寝てる
こめかみにあてたピストルが
素直な心を壊してしまわぬように
手ぐすねを引く堕天使が
導く十字路の隅で
彼は祈りをささげた
置き去りにしてきた荷物も 逃げ出した鳥籠も
君との最後のひとときに 全てが舞い降りる
笑えない彼の黙示録
汚れた体を重ね合う刹那
艶めかしいナイフの痕が
これ以上 君を傷つけないように
笑えない彼の黙示録
つながる世界が 崩れ落ちてく
撃ち合うマシンガンの音が
素直な心を 壊してしまわぬように
笑えない彼の黙示録
ノートの隅で微笑むヨハネ
聖戦紛いの斬り込みで
素直な心を 切り刻まないように