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鋼赤の息吹  作者: hiyori
10/18

十章 絡み合う運命

 ミール大陸のヤン国と呼ばれた地域。その平野に漆黒の山を思わせる要塞という船が停泊している。

 侵略、恐怖、絶望をもたらすこの船は、暗黒要塞と呼ばれた。

 暗黒要塞の巨兵格納庫。

 広大な空間に、おびただしい数の人を象った巨人達が規則正しく整列している。

 その中、全身黒塗の塗装が施された巨兵だけが異彩を放っていた。

 全身闇に包まれたかのような巨兵の両肩が、背面から伸びる爪のような物に拘束され、胴体に足場が取り付けられる。

 そして巨兵の胴体がおもむろに開いた。

 ほどなくして操縦室から男の姿が現れる。

 男は鉄の足場に降り立つと、後方を振り向く。

 紫の髪がさらりと靡いた。

「しかし、よもやこれほどのダメージを受けるとは」

 黒い巨兵を見上げ、こぼした。

 男は黒のライトメイルに、全身黒で統一されたアンダーウェアを身につけ、アームガードと、レッグガードも黒く、腰には反りの入ったソードを下げ、どこから見ても剣士の出で立ちであった。

 男に続いて足場に降り立った黒マントの女性が、焦げ茶色の髪をかきあげ、痛々しい姿を晒す巨兵を見上げた。

「性能、技量共にこちらに落ち度は無いはずです――些細な油断です。ガラン軍将」

 男、ガランはチラリと女性をみやり、口を開いた。

「ヘレン、取り繕わなくて良い。戦場ではその油断が取り返しのつかぬ命取りになる」

 総統への報告を考えるとガランの心はとてつもなく重かった。

 まるでガランの気持ちを察したごとくに兵士が駆け寄ってきた。

 そして二人の手前で立ち止まり、カツンと踵を鳴らし敬礼をする。

「軍将、総統が御呼びでございます」

 畏まった様子で総統からの伝令を機械的に伝えた兵士に、ガランは厳しい視線を向ける。

「すぐに報告に向かうとお伝えしろ」

「はっ!」

 兵士は再び踵を鳴らし、敬礼をすると、早々に格納施設から姿を消し去った。いまいましげに兵士の背中を見送っていたガランは、今一度黒い巨兵を見上げた。

 右腕の大破、右胸の装甲も大破――我が軍最新のシャドーがここまで追い詰められたのか。しかもこの傷を負わせたのは、魔法巨兵の試作機。どのように報告すれば良いというのだ。

 ガランは自身の不甲斐なさをぐっと飲み込むと、視線をヘレンにに定めた。

「我々もいくぞ」

 短く告げたガランに、わかりましたと短く返したヘレンは、肩を怒らせ歩き出したガランの背中を追いかけた。



 ガランが重い鉄扉の前に立つと、重厚な低い音をたてて、ゆっくりと扉が開き、ガランの目の前に深い闇が広がった。

 あらん限り目を凝らすと、朧気おぼろげな明かりが確認できた。

 ガランとヘレンは迷わず闇に浮ぶ明かりに向かって歩みを進めた。一つの点であったその光は、歩みを加えるごとに大きさを増していった。

「待ちわびたぞ」

 闇と静寂が支配する空間に、鳥肌が立つほどの低い声が響き渡った。

 暗闇の中、スポットライトといわれる照明の光を受けた男が、悠然と黒塗りの玉座に腰を落とし、二人に鋭い視線を放っていた。

 重厚、それでいて、白銀の輝きを放つアーマーに身を包み、頭髪は綺麗に剃り上げられ、変わって口元を覆い尽くす黒い髭。

 この男こそ帝国を支配する総統、ガル・ダースである。

 ガランは一瞬口を開きかけるが、凍りつかんばかりの威圧感にすぐさまその口は閉じられ、冷たい床に肩膝を着け、こうべを垂れた。

 ヘレンも言葉を発することなくガランに習い、我君である人物に礼を尽くす。

「して、首尾はどうか?」

「は、反乱軍の偵察に向かいましたところ、思わぬ伏兵に遭遇いたしました」

 言い訳を含んだガランの言葉を総統、ガルは冷ややかに見下ろしていた。

「それで、シャドーがあのような無様な姿になったということか」

 やはり、あの伝令兵がシャドーの様を報告したのであろう――ガランの全身に戦慄が走り、自ずと額に汗が滲み出る。

「その伏兵とやらは、反乱軍の新型であったか?」

 ガルの問いに、ヘレンが口を開いた。

「それが、旧式魔法巨兵、雷龍にございます」

「なんと、シャドーをここまで屠るとは、ミラの奴か」

 驚きで双眼を見開くガルに、ガランが床に視線を落としたまま、口元を動かす。

「海斗・桐生、ミリィ・カウラと名乗っておりました」

 ガルは眉を吊り上げて一考の後、不敵な笑みを浮かべた。

「兵を戻せ。各国への進出は中断だ」

「――しかし、やつらは二、三日後にはこの大陸に上陸すると思われます。各地で網を張り、全滅させてはいかがかと」

 ガルの意図が読めず、ガランが言葉を挟む。

「今やつらを全滅させれば、クリスタルのありかがわからなくなる。そして、網を張ったところで、やつらが決戦を仕掛けてきた場合、戦力が揃うまでにこちらが叩かれてしまうであろう」

 何かこれには他にも理由があるはずだ。そこまでしてクリスタルに執着される理由はなんだ。軍将である私にも明かそうとしない、それほどの理由とはなんなんだ。

 思慮深いことで知られるガルの戦略――ガランは総統が自分に対して戦略の全貌を明かさないことへの苛立ちを、心の奥へ押し込んだ。

「決戦の時まで引き続き兵の訓練を任せる」

 言い終えると、玉座を照らすライトの光が消え、ガルの姿は闇にかき消されたかのごとく見えなくなった。

 ガランとヘレンは、ゆっくり身を起こすと、さっきまでいたであろうガルの方に向かって一礼し、揃って踵を返した。



 ミール大陸で、唯一我が軍が進行していないマナー。奴らはそこに停泊することは目に見えている。そこで待ちかまえ、奇襲をかければ全滅させることは容易なはず。絶好のチャンスではないか。

 総統の言葉がガランには妙に引っかかっていた。クリスタルなど使わなくとも、現在、帝国の有する兵力は、ミール大陸を制圧できるほど膨れ上がっている。

「しかし、我々は主君を信じてただ従うのみ――」

 ガランのつぶやきが聞こえたのか、ヘレンが、その通りですと答え、頷いた。

 余計な詮索は、忠を忘れさせるとガランは内心で続け、不忠な行為をしている自分に憤り、拳を強く握りしめた。

 油で灯されたランプの光が頼りなく廊下を照らしている。闇にうっすらと浮かび上がる鉄の廊下には、二人の足音だけが反響していた。

 にわかに、遠くから床を叩く音が交わってきた。

 その音は徐々に大きくなっていくと同時に、胸を締め付けるかのような圧迫感がガランを襲った。

 な、なんだ、この気配は――そう思った刹那、ガランの鼓膜を凄まじい高音が劈いた。

「い、いやぁぁぁ――!」

 その悲鳴はヘレンのものだった。

 漆黒の闇の中に、白いドクロが浮かびあがり、一歩一歩と二人に近づいてきた。

「何者だ!?」

 ガランがソードの柄に手をかけ叫んだ。

「そこを通してもらおう」

 野太くかすれた声だった。

 よくよく見ると、下半身は、黒のロングスパッツで、膝下まである黒のブーツ、上半身はスパッツと同じ伸縮素材でできている黒のボディースーツ。

 顔は黒地に頭骸骨をあしらった白い生地が縫いつけてあるマスクに覆われ、男の表情は伺うことができない。

「今一度答う、その道を開けるか否か」

 ガランは鯉口を切り、答えに変える。

 次の瞬間、男の姿が闇にかき消えた。

 ソードを握る右手首に、ねじ切れるかと思われるほどの激痛が走った。

「次は――殺るぞ!」

 その声はガランの背後から聞こえた。

 凍り付くような冷たい声だった。

 男はガランの背後に回り込むような形で、抜刀せんとするガランの右腕を握っていた。

 動けない。

 それは恐怖からか。

 金縛りにでもあったからか。

 ガランの全身は見えない鎖に束縛されているように固まっていた。

「ぬ――ぬあぁぁぁ!」

 心を、全身を拘束する見えない何かを切り裂くように、ガランは雄叫びを上げ抜刀した。

 正眼に構えられた刀身が、ランプの光を受け、オレンジ色に輝いた。

「ガラン様――」

 今まで言葉を失っていたヘレンがやっとのことで口を開いた。

 ガランが目を凝らすと、すでに男の姿はどこにもなかった。

 あやつ、一体何者だ――呟き、ガランは暗闇の中に立ち尽くしていた。



「カツ丼定食、ギガハンバーグセットできたぜ!」

 コックコートを身に纏ったスミスが、カウンターに料理の乗ったお盆を並べた。

「おせぇぜ、格闘料理人!」

 海斗がテーブル席から立ち上がろうとした瞬間、海斗の頬を何かが掠めた。

「手が滑った」

 海斗が後ろに目を向けると、柱に突き刺さった包丁が細かく振動していた。

 海斗の右頬に赤い一本の線が走り、そこからツーっと赤い血が顎に向かって伸びていった。

「やいやいやい! 手が滑っただけで包丁があんなとこに刺さるかよ!」

 海斗が腕まくりをする仕草で、猛然とスミスに詰め寄った。

「だから手が滑ったと言っただろ! それとも猛獣には人間様の言葉はわからんか? あん?」

「んだと! もういっぺん言って見ろ!」

 カウンター越しに胸ぐらを掴み合う二人の頭を突如、横殴りに強い衝撃が襲った。

 その勢いで、スミスと海斗の首がくの字に曲がる。

「大事な商売道具を投げつけるやつがいるか!」

 はちきれんばかりのお腹が印象的な、白いコックコートを着込んだ厨房長は、フライパンを右手に握りしめながら、スミスを一喝した。

 毎度の事ながら素晴らしいフライパンの連打である。

「そんなとこで無駄口たたいてないでとっとと次の注文の段取りしろ!」

 なんで俺までと、ぼやきながら頭をさする海斗に対して、お前はついでだと、短く言い捨てると、厨房長は厨房の奥に姿を消していった。

「覚えてろよ!」

 スミスはカウンター越しに中指を立てながら、捨て台詞を吐いたものの、にゅっと背後から現れた野太い腕で首根っこを鷲掴みにされる。

 そしてスミスは中指を立てたまま、引きずられるように厨房の奥に姿を消していった。

 その様はまるで、首根っこを掴まれた猫のように見えた。

「毎度毎度、ついでに殴られてたらたまったもんじゃねぇぜ」

 海斗はぼやくと、二つのお盆を両手で持ちながら、ミリィの待つ席に向かった。

 ミリィは毎度恒例となった海斗とスミスのやり取りを苦笑混じりに眺めていた。

 周囲に目を向けると、傭兵であろう数名がカウンターに視線を配りながら、微笑ましく談笑している。二人の存在は殺伐とした戦場の中において、食堂を心安らぐ空間に変えているようだった。

「ほれ」

 海斗がぶすっとした表情で、ミリィの着席しているテーブルの前と、その横にお盆を置くと、どすっという感じで椅子に腰掛けた。

「ありがとう! いっただきまーす」

 ミリィはナイフとフォークを使い、黙々とハンバーグを頬張り始めた。

 一心不乱に料理を口に運び、幸せそうな笑みを浮かべるミリィ。

「まったく暢気なもんだぜ」

 海斗はミリィをみながらそう漏らし、箸を掴んだ。

「アニキ! 漢だったぜ!」

 海斗と向かいの席で、サンドウィッチをほうばりながら、ミミが親指を立てた。

「はぁ、モグモグ――」

 ミリィがモモの横に視線を移すと、ため息混じりに食パンを口に運ぶミミの姿が目に入った。

 モモがサンドウィッチ、ミミが食パンとコーンスープであることからみて、人間とエルフィンとハーフである彼女達は、軽食といってもいいほどの量である。

 さすがエルフィンの血をひくだけあって、必要最低限の栄養量で、効率よく脂肪を燃焼させることができる体内構造なのねと、ミリィはサンドウィッチを頬張るモモを見つめた。

 すると、四人の中で一番に食べ終えたモモが、隣のミミの様子がいつもと違うことに気がつき、声を掛ける。

「どうした? ミミ」

「ちょっと食欲が――はぁ」

 また一つため息をつくと、ミミは口に運ぶ半ばで、手に持ったパンを皿に戻した。

 ミリィはせわしなく動かしていた、フォークとナイフを止め、一考の後、思いついたように言葉を投げかけた。

「はぁーん、さてはミミちゃん、誰か好きな人でもできたの?」

「そそそんな、そんなんじゃないです!」

 ションボリと首をうなだれていたミミが、その言葉を聞いた途端、顔面を赤く染めながら、必死に右手を振った。

 とっさに否定する所を見ると、ミリィの憶測は益々信憑性が高まってくる。

 興味をそそる内容に、ミリィはなんとしてもミミの意中の相手を聞き出すべく、ずいっと身を乗り出した。

「――ね、誰にも言わないから、あたしにこっそり教えて、ね」

 ミミだけに聞こえるように、ミリィは囁くと、大丈夫とばかりに右目でウィンクをした。

 女の色香に興味が無いのか、早々と食べ終えたモモは暇を持て余し、豪快にカツ丼をかき込んでいる海斗に向かって、なにやらしきりとまくしてていた。

 ミミは意を決して面を上げた。

 肩にかかる白銀の髪が、さらりと揺らいだ後、ミミは観念したように、ゆっくりと口を動かした。

「な、――なの」

「はいぃ!?」

 ぼそぼそとミ耳元に囁かれたミミの言葉を聞いた瞬間、ミリィの眼は飛び出さんばかりに見開かれた。

「すす、好きな人って、ナイアード!?」

 それって人じゃないじゃないのと、内心で呟いたものの、赤面した顔を隠すように俯いているいたいけな少女を前にして、それを口にすることもできず、ミリィは暫し唖然としていた。

「う、うまくいくといいね――」

 どのようにしたら良いかわからず、とりあえず激励の言葉を贈ったミリィであったが、その顔に称えられた笑顔は、不自然なほどひきつっていた。

 ミリィの言葉を聞いた瞬間、ミミは瞳を潤ませながら満面の笑みを浮かべた。

「ありがとう! お姉ちゃん!」

「ど、どういたしまして――」

 ひきつった笑みのまま、なぜか、あははと、愛想笑いを漏らすミリィの心の内は、聞いてはいけないものを聞いてしまったという後悔の念に駆られてた。

「ふぅ、食った食った! って、お前等、何楽しそうな話してるんだ?」

 カツ丼を食べ終えた海斗が、ミリィとミミの顔を交互に見比べながら、首を傾げた。 

「な、なんでもないよ!」

「そうそう、なんでもない!」

 ミリィとミミはそう言うと、激しくかぶりを振った。

 ミミは照れ隠しであるが、ミリィは事の重大さを知られまいと必死であったことは言うまでもない。

「ま、どうせろくでもねぇことだろ――な、アニキ!」

「女ってやつは、陰口が得意だからな」

 あんたも女だろ! っと、モモを軽く睨みながら小さく突っ込みを入れるミリィだったが、なんとか誤魔化すことができたことで、安堵感から大きく息を吐いた。

 と、その時、食堂全体に打楽器を鳴らすような音が響き渡り、今までざわめいていた空間が静けさに包まれた。

「あと数分でマナーの港町に到着します。到着後、船員は直ちに食堂にお集まり下さい。繰り返します――」

 食堂の天井に備えられた装置から、女性の声で流されたアナウンスが消えると、再び食堂内は騒音に包まれていった。

「船員って俺達もか?」

「そうなんじゃない」

 海斗に問いかけられたミリィは、素っ気ない返事を返す。小難しい話は、海斗にとって子守歌でしかなく、その場にいてもいなくても一緒であるように思えなくもない。

 しかし、形はどうあれ、その場にいれば最低限の格好はつくからマシだろうと、自分に言い聞かせながら、ミリィはすっかり冷めきってしまったハンバーグに、ナイフを入れた。



 ミリィ、海斗、モモ、ミミが他愛もない雑談をしながら、時間を潰していると、食堂の遙か奥の方で、人がうごめき始めた。

 そこは床が一段高くなっているようで、人が立てば食堂内のどこからでも注目ができ、演説などには適している。恐らくそこから、なんらかの説明があるのだろうと、思いながらミリィは機械を設置している様子を眺めていた。

 と、その時、ミリィの背後を、何か違和感を感じさせる気配が通過していった。

 なに? この感じ――ずっと以前にも感じたことがある。

 ミリィは必死に記憶を辿るが、何故か思い出すことができなかった。

「!?」

 とっさに辺りを見回し、それと思われる兵士の姿に視線を合わせた瞬間、驚きのあまり、ミリィの思考が一瞬制止してしまう。

「まさ――か――」

 やっとの事で声を振り絞ったミリィの視線の先。

 そこには、赤のアンダースーツに、銀色に輝く鎧姿の剣士の姿で、エフシエルでは珍しいと思われる、髪の色が燃えるような赤を帯びた壮年兵が、食堂の奥に向かって歩いていたのである。

 その壮年が持つ髪の色は間違いなく、ミリィの髪の色と同色であった。

「どうした? ミリィ?」

「なんでもない――」

 慌てて表情を隠し、作り笑いで誤魔化すミリィに、海斗は釈然としないながらも、再び熱く語り続けるモモの武勇伝に耳を傾けた。

 あいつがなんでこんな所に――ミリィの視線の先には、自分が憎しみを向ける存在。見間違うはずがない。それは母と自分を捨てて身をくらませた憎むべき男の姿があった。

 赤髪の男は、食堂奥でせわしなく準備に動き回る船員の一人を捕まえ、一言二言話しをすると、すぐに食堂から立ち去っていった。

 ミリィはすぐさま席を立ちそうになるのを懸命に押さえた。

 問答無用で自分の拳を、あの男の顔面にたたき込んでやりたい。

 押さえきれないほどの憤りが、ミリィの頭の中を支配していた。

 そんな中、徐々に食堂内に人が集まり始め、気がついた時には空席を捜すのも困難なほどの人に埋め尽くされていった。

 食堂奥の壇上に、三脚のような拡声装置が置かれると、ルミー公女が姿を現した。

 ルミーはしずしずと壇中央に歩み寄り、堂内を見渡した後、口を開いた。

「現在我々は、ミール大陸において、唯一ガル軍の手に落ちていない港町、マナーに停泊しています。そして、無事、ミール大陸で有志を集っていたダリス巨兵団と合流することができました。これにより、来る決戦に備え、戦力の配分を行います。その間、手の開いている方々は、物資の運搬、積み込み作業を手伝っていただきたいと思います。必要物資を積み込み次第、出発いたします。せわしないですけど、皆様方にご協力お願いいたします」

 ルミーの拡声された声が、食堂の壁に反響しながら余韻を残し、やがて掻き消えていく。

 一方的ともいえる演説を終えたルミー公女は、一礼の後、何事もなかったかのようにすずしずと壇上を後にした。

「なんだよ、休暇はなしか」

「ゆっくりできるかと思ったんだがな」

 集った者達からため息が漏れ、心なしか肩を落としながら次々と人の波が食堂の出口に向かっていく。

 ダリス!? やっぱり間違いないわ――ミリィは内心で確信を深めるごとく、ルミーから発せられた名前を復唱していた。

「あぁーあ。運搬なんてやってらんねぇよな。アニキ、さぼろうよ。な!」

「俺は鍛錬になりそうだし、別にやってもいいんだけどな――」

 海斗の言葉を耳にしたモモは、あからさまに嫌そうな表情を作った。

 ミミにいたっては、視線を落としたままふわふわと宙を漂っている。

 海斗が席を立とうとした瞬間、天井から打楽器を打ち鳴らす音色が響き渡った。

「海斗・桐生、ミリィ・カウラは至急、会議室に集合下さい。繰り返します――」

「なんで俺と、ミリィだけなんだ?」

「さぁ?」

 アニキ達だけさぼるなんてずるいぜと、ふてくされるモモの声をよそに、放送を聞いたミリィと海斗は訝しげな様子で、互いの顔を見合わせた。


 

 ミリィが会議室に入ると、机とイスが片づけられた広い空間が広がっていた。そして、部屋の中央にはぽつんと長机が置かれ、その席に座す二人の人物。

 一人はルミー公女。もう一人は――ミリィの知る男の姿だった。

 ミリィは無意識のうちに険しい顔を作っていた。

「どうした? ミリィ?」

 遅れて部屋に足を踏み入れた海斗が声をかけると、ミリィは、無言のまま頭を振って、二人の待つ席に向かった。

 なんなんだあいつと、ぼやきながら海斗もミリィの背中を追いかける。

「お二人とも、わざわざお呼びだししてすみませんでした。まずおかけになってください」

 ミルミーに促され、ミリィはダリスと、海斗はルミーと向かい合う形で席に着いた。

「海斗・桐生は初めてでしたね。こちらはミール大陸に残り、解放軍の有志を集っていたダリス兵団のダリス・カウラです」

「ダリス・カウラだ」

 紹介を受けたダリスは、海斗に向かい、感情の感じられない言葉で短く名乗った。

「カウラ――まさか、その人はミリィの――」

 昔、父親だった人。そして、あたしのママを捨てた憎い男――ミリィは心の中で言葉の後を続けた。

「わざわざ呼び立ていたしましたのは、実は――」

 話の本題に入ろうと、そこまで言ったルミーは、次の言葉に一瞬つまり、困惑した表情で視線を落とす。

 しかし、何かを決意したようにミリィの瞳を見据え、言葉を次いだ。

「あなたの母君、リリィ・カウラの旧名は――リリィ・エルロード。そして、わたくしの姉君です」

「――そ、そんな」

「ばかな!? ミリィが、ヤン国の!?」

 暫し沈黙が続き、冷たい空気が、広い会議室を支配した。

 ミリィはふと魔法巨兵の人員配置でこの会議室に呼び出される途中、目にした紋章を思い出した。

 たしか、ママが残してくれた魔法のスクロールに記されていた紋章と同じだ――あのとき、どこかで見たことがあるという疑問が、一気に氷解した。

「ミリィ・カウラ。姉君はお元気ですか?」 

 空気を和まそうとするかのようなルミーの問いに、ミリィは、テーブルの下で、拳を堅く握りしめた。

「母は、病で死にました」

 笑顔で問いかけるルミーに、ミリィは険しい表情のまま、感情を押し殺したように答える。そして、その視線は、ルミーではなく、ダリスの瞳を貫いていた。

 ダリスが気にしているであろう事を、ルミーが代わって聞いたことが見て取れる。そして、妻の死を知っても眉一つ動かさないその態度は、ミリィにとって憤りを煽る以上のなにものでもなかった。

「すみませんでした――」

 ルミーに悪気が無いことはわかっている。しかし、今のミリィには申し訳なさそうに頭を下げる一国の公女、ルミーに対して首を横に振るのが精一杯だった。

「しかし、なんでヤン国の姫さんがリリの町みたいな田舎に住み着いたんだ?」

 海斗が疑問に思ったのか、話に割ってはいる。気まずい雰囲気がうまいタイミングで途切れた。

「ダリス・カウラ。説明していただけますか?」

 ルミーに促され、ダリスは頷いた後、ゆっくりと語りだした。

「話はガルが反乱を起こす以前にさかのぼる――」

 ミリィはを上目で睨むように、海斗は珍しく真剣な面もちでダリスの言葉に耳を澄ました。



 ミール大陸の北東に位置するヤン国。国王、ヤン・エルロードが統治を行い、その比希たいぐまれな政治は国に安穏あんのんをもたらし、農業、商業、公益などが盛んに行われ、ミール大陸では五本の指に入るほど繁栄を見せる国であった。

 ヤン国の中心にエルロード城が壮大な姿でそびえ建っていた。

 そのエルロード城内。

 石造りの壁に囲まれた廊下を一人の兵士が歩いていた。

 兵士はある一室の扉の前まで来ると、おもむろに足を止めた。

 木製の扉には、龍のシルエットと、ソードをあしらったエルロードの紋章と、その隣には、黒の星を五つあしらった紋章がはめ込まれていた。星の数は、主君から賜ったいわば地位を示す。星が五つもらえるのは、軍を総括する将校に限られる。

 兵士は一瞬戸惑いをみせながらも、決意を固め、扉を二回叩いた。

「巨兵二等中佐、ダリス・カウラです。ガル軍将殿はいらっしゃいますでしょうか?」

 しばらくして、扉の向こうから野太い声が返ってきた。

「ダリス中佐か――入りなさい」

「はっ!」

 ダリスは扉越しに右手を額に当ててかしこまった後、ゆっくりと扉を開いた。

 エルロード軍将校、ガル・ダースは、広々とした窓を背に、デスクの上に置かれた書類に筆を走らせていた。デスクの上には書類が山のように積み重なっていた。

「軍将、失礼いたします」

 ガルはダリスが入室したことに気づくと、落としていた視線をダリスに向けた。

「どうした? 中佐?」

「軍将――実は、よからぬ噂を聞きまして――」

 ガルは心なし眉を寄せる。

「良い。申してみよ」

「は、現在、兵士達の間でクーデターを企てている者がいるとの噂が入ってまいりまして。軍将はお耳にされていらっしゃるかと」

 ガルは、回りくどい言い方をするダリスに向かって、嘲笑を含んだ笑みをつくった。

「はっきりといったらどうだ? 首謀者はガル・ダースであると」

 ダリスは沈黙し、心を見透かすガルに恐怖心さえ感じていた。

「しかし、それを知ってどうする?」

 ダリスを見つめるガルの目が細くなる。

「事実であれば、軍将殿をお止めいたします」

 ダリスは軍人として決意を含んだ視線を向ける。しかし、ガルは臆する様子もなく、笑みを称えたまま口元をつり上げた。

「知っておるぞ。そなたがあるお方と恋仲であることを」

「!?」

 ダリスは言葉に詰まった。

 なぜガル軍将がその事実を知っていたのか。

 一切他言はしていない筈。しかもお互い会う時は、公女は城の侍女に、ダリスは町人に変装までしていた。バレようはずがない。

「内乱が始まれば、リリィ公女も命が奪われるであろう――」

 ガルは無情にも言い放った。

「ならば、あなたを今、斬る!」

 主君の目をはばかり、公女と叶わぬ恋をする行為。主君に対してこれ以上の不忠はない。しかし、この男の口を封じてしまえば――ダリスは言い終えるや鯉口を切って抜刀し、ソードの切っ先をガルに向ける。

 ガルはダリスの脅しに屈する様子もなく、醜いほど歪んだ笑みのまま切っ先を睨む。

「お前も、公女も唯一助かる方法がある」

「でまかせを!」

 ガルは即答するダリスを一瞥し、鼻を鳴らす。

「知りたくなければ二人揃って死ぬまでだ」

 エルロードの軍人であれば、そのような脅しなどに屈することはあり得ないことである。

 しかし、弱みを握られている今のダリスにとってはガルの言葉は彼の心に重くのし掛かっていた。

 そして、気がつけば、口が勝手に開いていた。

「ど、どんな方法だ――」

「我が配下となれ! さすれば、事が成就した暁に、二人の身の安全は保証しよう。ワシとて、無用な血は流さぬに越したことはない」

 公女の為に、国を、主君を裏切れというのか――ダリスの構えるソードがわなわなと振るえた。

 そして、ガルの言葉は揺れ動くダリスの心に追い打ちをかける。

「このまま主君に尽くしたとて、一般兵と公女では結ばれることはあり得ない。しかし、それが叶うのだぞ」

 リリィ公女、あなたと一緒になることを私は夢見てきた。あなたはなぜ、エルロード家に生まれてしまったのかと、その心を誰にも言えずにずっとしまいこんできた。

 主君、ヤン・エルロードよ。お許しください――ダリスは唇を噛みしめる。ガルの甘言に篭絡ろうらくしてしまった自身への憤りからか、口元から赤い血が伸び、顎に伝った。

「私だけでよいのか?」

「十分だ」

 ガルに向けていたソードを床に落とし、ダリスは力無く首をうなだれ、床にひざまづいた。

 


「来たか――ガル」

 ヤン国王の寝室の扉が開かれた瞬間、ヤン・エルロードは、ベッドから身を起こした。

「さすがは国王陛下。すでに情報はご存じであらせましたか」

 ガルは一歩、また一歩と国王に歩み寄り、ソードに手をかける。

「国を乗っ取るつもりか。愚かな」

「残念ですが、このようなちっぽけな国には興味はありません」

 国王の目が驚きで大きく開かれる。

「まさか、封印されしクリスタルを――」

 ガルは不適な笑みを称えることで、答えにかえた。

 国王が枕元に置かれた護身用のソードに手を伸ばした刹那、凶刃が国王の胸を襲った。

 白いシーツが鮮血に染まり、ほとばしる飛沫しぶきがガルの顔を赤く染めた。

「時間だ――」

 ガルが動かなくなった国王に言い捨て、踵を返した。

 同時に、外から怒号と悲鳴が鳴り響いた。

「お父様!」

「これはリリィ公女。遅いお着きで」

 ガルは皮肉を込めた言葉を吐く。

 リリィが変わり果てた国王の姿を目にした瞬間、驚きで目をむいた。

 お父様――そんな。

 やがてリリィの心の内に止めどもない怒りがこみ上げ、それを父親殺害の首謀者、ガルに向ける。

「ガル! あなただけは、絶対にゆるさない!」

 ガルに向かい構えた手のひらから熱風がふき上がる。

 空気が歪み出した。

 それはまるでリリィの中にこみ上げる怒りを象徴しているかのように。

「ルイス直伝の魔法か。残念だが、裏切ったのはワシだけではない」

 ガルの言葉が合図だったかのように、リリィの背後から何者かが、喉元に冷たいものを押しあてる。途端、リリィの精神が途切れ、両手に灯る炎が煙をあげて消滅した。

「リリィ様、お許しを」

 耳元で囁かれたその声は、リリィのよく知る男の物だった。

「ダリス!? 嘘でしょ――」

 リリィの頬を熱い涙伝った。

 ガルはその様子を眺め、高笑いをする。

「父を失い、愛する者にまで裏切られたご感想はいかがかな?」

 続けてガルの口元から不敵な笑みが漏れる。

「しかし、殺すには実にもったいない――」

「な!? 総統!?」

 身動きのできないリリィに歩み寄るガル。ダリスはガルに驚愕の目を向ける。

 あのときの約束は一体? 私はこのような奴を信じて、国を、国王を裏切ったというのか――ダリスは愚かな自分に憤った。

「美しい――」

 ガルはリリィの顎を人差し指に乗せ、唇を近づける。

 やがて、ダリスの怒りの矛先は、自分をあざむいた首謀者に向けられる。

 気がつけば熱い涙が頬を伝い、喉が潰れんばかりに叫んでいた。

「やめろぉぉぉぉぉぉ!」

 ダリスの絶叫が周囲の音をかき消し、主を失った寝室に響き渡った。



 ダリスはゆっくりと瞼を開け、言葉を続けた。

「その時、私は――」

「やめて!」

 瞳を閉じ、顔を背けるようにして、ミリィはダリスの言葉を遮った。

「もう、いいです」

「おい、ミリィ――」

 席を立ったミリィの腕を海斗が掴む。

 もう忘れたと思っていたら、今頃あたしの目の前に現れて、久しぶりに掛けた言葉がそれって一体なに?

 こんな奴、父親であってたまるもんか!

 ミリィは湧水のごとく込み上げる怒りを隠そうとせず、肩を振るわせた。

「失礼します。ダリスさん」

 皮肉を込めた言葉をいい放ち、海斗の手を振り払うように踵を返す。

「おい、待てよ!」

 会議室を出ていったミリィの後を追いかけようとする海斗を引き止めたのはダリスだった。

「海斗君、といったな。あなたに続きを聞いてもらいたい」

 海斗は、きょとんとした表情のまま、ダリスの顔を見つめた。

「なんで、俺――」

 そう言いかけた海斗の口がすぐさま閉じられた。

 この目は男が覚悟を決めた時の目だ。まるで何かの為に命を捨てるような――ダリスの真剣な目に射抜かれ、海斗は浮かせていた尻をイスに戻した。

「あなたが、娘を支えることができる唯一の存在だからだ――」

 わかった、ダリスさん。あんたのその思い、背負っているもの、すべて俺に話してくれ――海斗はダリスの瞳をまっすぐに見据え、語り始めた言葉の一文一句を心に刻みつけていった。



 人様に同情されたら魔法使い失格なんだよ――今のミリィには、何回も聞いてきた母、リリィの口癖が、エルロード家に生を受けた最後の誇りであるように感じられた。

 自分に割り当てられた部屋のベッドに腰掛け、膝の上で金色に輝く紙をひたすら折り返す。小さいとき母親から教わった折り紙という外界の遊びだった。

 紙でできた鶴を手のひらに乗せて、小さくストームの魔法をかけると、鶴の体がふわりと舞い上がった。

 鶴は天井から延びる照明の光を受け、金色の体を輝かせながら、ミリィの頭上を旋回していく。それはまるで、紙の中に生命が宿ったかのようだった。

 ミリィはただ、頭上に漂う鶴を見つめていた。

 ママ、なんであんな男を愛したの?

 いや、もしかしたら、あたしはあの男の娘ではないのかも――もしかしたらあたしはガルってやつの子供なのか。

 ミリィがそんなことを考えていた時、部屋のドアがノックされた。

 途端に宙を漂う鶴が、床に落ちる。

「ミリィ、入るぜ」

 声の主は海斗だとわかっていたが、今は誰とも話したくはなかった。

 返事がないとみるや、扉が横に開かれ、海斗が部屋に入ってきた。そして床に落ちた紙の鶴を拾いあげると、ミリィと向かい合うように立ったまま背中を壁に預けた。

「折り紙か。よく母さんが作ってくれたな」

 懐かしむように手のひらに乗せた鶴を見ながら、海斗がぽつりと呟いた。

「海斗のお母さんも?」

 海斗はミリィに笑顔をつくり、頷いた。

「俺のお袋は外界の日本て国で生まれた。折り紙はその日本の遊びだ」

「へぇ、なんか似てるね――」

「ああ、親父が嫌いってところまでな――俺達」

 海斗の言葉に、ミリィの表情が陰りを見せる。

 しかし、海斗は言葉を次いだ。

「俺の親父はこの世界でカラテという格闘技を広めた人物だったらしい」

 ミリィは驚きの眼で海斗の顔を見つめた。

 海斗はミリィに自分の過去、ましてや父親の話をしたことがなかったからだった。

「道場をつくって、カラテを教えていたらしいが、ある時からぱったりと戦うことをやめちまった」

 海斗は悲しげな面もちで、手のひらの鶴を見つめ、言葉を続けた。

「道場破りが来て、ぼこぼこにされようが、戦わなかった。たとえ自分の妻が目の前で魔物に殺されようともな。幼い俺を抱えて逃げ出した情けねぇ奴だ」

「――」

 自分の話したくない事を話してくれた。それが海斗にとって精一杯の励ましのようにミリィは思った。

「明日朝、また会議室で兵団会議だとよ」

 まったく、会議ばっかで昼寝の時間が増えやがるぜとぼやきながら、海斗は懐から取り出した物をミリィに放り投げた。

 赤く、丸みを帯びた物体が緩やかな放物線を描いてミリィの手のひらに落ちた。

 ――りんご?

 ミリィの手の上には磨かれ赤く艶やかなリンゴが乗っていた。

「海斗――」

 慌てて視線を海斗に移すと、部屋のドアに向かう海斗の背中が目に入る。

 よくよく注意してみると、海斗の後頭部には大きなタンコブができていた。

 厨房からリンゴをくすねて、スミスとやりあっている様子がミリィの瞼に浮かんだ。

「あたしの為に――ほんとバカなんだから」

 ミリィは、背中越しに右手を上げて答える海斗にそう呟いていた。

 海斗がいなくなり、静まり返った部屋。

 また独りになったのに、心の中に何かが埋まっていた。

 うまく言えない。

 ミリィはそう思いながらリンゴをかじってみた。

「酸っぱい――」

 しかし、それはミリィにとって、心地よく感じられた。

 おいしいとは言えない、でも一生懸命赤くなっている。

 まるで誰かさんみたいねと、ミリィはリンゴに向かって苦笑した。


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