エピローグ
――痛い、熱い、苦しい。息をするのがやっとだ。
力を入れていないとおかしくなりそうだ。
アスファルトの感触が顔に当たりボコボコと粗い。
体は風呂に入っているかのような温もりを感じる。
鉄のような匂いがする。
血ってこんな暖かいんだな。
状況を確認しようと左手を動かそうとすると感覚がない。
焼けるような痛みが神経を支配している。
ーーなんでないんだよ!
何が起こっているかがさっぱり分からない。
視界の端に親友の絢斗。
彼もまた、横たわったまま血の海に沈んでいる。
ただ視界に映っている絢斗も横たわって血まみれだ。
あのいつも笑っていた顔が赤黒く染まっている。
「ーーか?」
上手く声が出ない。
「ーー丈夫か?」
必死に声をかけるが反応がない。
白目を剥いた顔を見て俺は理解した。
もう、こいつは動かない。
そこで急速に意識が遠のいていく。
全身の苦しみなどの不快感が消えていく。
どうやらここまでのようだ。
サイレンの音を最後に俺ーー亜斗夢の意識は途切れた。
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目が覚めた。知らない木の天井がある。少し埃っぽい。朝日がさし、小鳥が鳴いている。柔らかい布団に包まれている。
「死んでない?」
体を起こすと凄く重たい。腰が痛い。
周りを見渡すと古びた質素な部屋だ。
「なんだここ?」
とりあえず立ち上がろうと思った。
布団から足を出し地面に足をついた。
足を見た瞬間凄くシワシワだった。老人の足のようだ。
驚き、手を確認。同じようにシワシワだった。
急いで立ち上がり玄関に向かった。
思ったように体が動かず早く動けない。
ゆっくりだが歩いて鏡の前に行った。
そこには、老け込んだ老人の姿だった。




