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もりみさき  作者: みじ
25/25

25話︰自由研究②

元気よく外は出たものの、今日はいつもより猛暑な気がする。ハンカチも汗でびちょびちょになってきた。そもそもなんでこんな暑いのに散歩なんかしてたんだ俺は。

でもまるで暑さを感じないようにすみれちゃんは横を歩いていた。


「すみれちゃん暑くないの」

「暑いですけどそれ以上に張り切ってます!それに私大人なので弱音は吐きませんよ」

「実際かなり子供だと思うけど」

「関係ないです」


坂を降りてきたが、ここからどこに行くかは決まっていなかった。


「で、まずどこ行く?」

「んー、そうですね。なんとなく学校にでも行きますか」

「観光スポット以外も書くんだ」

「観光マップ兼、案内マップですから。でも観光スポットも入れるつもりですよ」

「まあどうするかは任せるよ」


少し歩いて学校に着いた。門は閉まっているが、夏休みでも鍵はかかっていないようだ。


「来たはいいんですけど何書けばいいんですか」

「いやだから俺知らないって」

「まあ地図に書いとくくらいでいいですかね」

「じゃあ来なくてよかったじゃんか」


すみれちゃんはしっかりしてそうに見えて特に何も考えていない時がある。まあ小学生だしそれが普通だろう。


「最初に大きく地図を書いて、そのあとのページに観光スポットの説明を細かく書いていく予定です」

「じゃあまず観光スポットとやらに行かないとな。細かく書くほどの所が何個あるのかは知らないけど」

「まあまあ、着いてきてくださいよ」


すみれちゃんについて行くと、海まで来た。


「ここです」

「え、どれ?」


ただの砂浜と海。特に何も無い。


「この綺麗なビーチと海が観光スポットです!こんなにきれいな海、夏だとみんな泳ぎたくなっちゃいますよ」

「まあ…たしかに…ね」


すみれちゃんが砂浜の風景の絵を描き始めた。マップには手書きの絵も入れるそうだ。ここに関しての説明の文章も書こうとしていたが、特に何も書くこと無くて諦めてた。


「ここって観光スポットだと思います?」

「俺的には…違うと思う」

「なんかそんな気がしてきました。まあもういいです、次行きましょう」

「ほいよ」


家のある方に歩いてきた。


「あと何個あるの」

「今私が思いついてるのはあと1個ですね」

「もう終わっちゃうじゃん」

「そうですねーなんか適当に見つけて書いときますか、この雑草とかどうです?」

「めんどくさくなってきてない?」


とてもこの量じゃ観光マップとは言えない。見つけるとか言ってたけどこの村に住んでるからほとんどもあ知ってるだろう。じゃあもう無さそうじゃね?

そんなことを考えていると、前から誰か歩いてきた。


「あれ、自由じゃんか。それに加奈実の妹のも。何してんだ?」

「お、ごはらか。自由研究手伝ってるところだ」

「ほう。……自由が」

「?」

「自由が自由研究の手伝いか」

「この村に隠れ絶景スポットみたいなんないか?」

「いや無視すんなよ」

「あったら教えて欲しいです」

「んーーー、あ、あるぞ、とっておきのが」

「お、まじか!教えてくれ!」

「よっし、着いてこい!」


ごはらが自信満々に歩き出した。きっとここに住んでいるからこそ見つけられる隠れスポットがあるんだろう。期待して着いていく。



「ここだ」

「これは……なんだこれ」


道も無い山を少し登っていくと森の中に何か置物があった。よくわからないが形は明らかにイカだ。


「これはこの村の神様だ」

「どうみてもイカだろ」

「イカですね」

「ちょっと見てろよ」


ごはらはその神様?を手に持つと、後ろに付いているネジを回し出した。ジージーと音が鳴りだした。


「よし、このくらいでいいか。付くかなー。お、付いた」

「うわっ」


ごはらがネジを回し終わって後ろをなにやらいじると、イカ…じゃなくて神様の目が光った。


「なんですかこのお土産屋で見ても誰も欲しくならなさそうな物は」

「修学旅行で買って帰ってきたら親から怒られそうなお土産だな」

「え、すごくない?」

「全然です」

「そもそもなんなんだこれ」


そう言うとごはらは自慢げに語り出した。


「こいつは俺が小5、いや小6か?まあそのくらいの時に授業で作った神様、イカガミサマだ」

「やっぱイカじゃねえか」

「イカですね」

「でも神様でもあるぞ」

「神には見えんぞ」

「見えんぞですね」

「でも見た時に神々しさを感じたろ!」

「美味しそうとは思った」

「美味しそうです」

「お前ら…」


なんでこいつは俺らが感心すると思ったんだ。他のやつらも同じ反応だろうに。


「俺を信じてくれたのはのどかだけかよ…」

「え、あいつ信じたん?」




「他になにかないんですか?」

「思いつかん」

「じゃあごはらの案はボツだな」

「くそっ…」

「…でも、何も書かないよりかはいい気しますけど」

「え、書くん?」

「せっかくですし書きますか」

「まじかよ」

「まじかよ」

「なんでお前まで驚くんだよ」


寝た不足ということでまさかのイカガミサマが採用になった。いいのかこんなのが載ってるマップで。




「ありがとうございました」

「おう!また呼んでくれてもいいぞー」

「もういい」


ごはらが帰っていった。


「でも、こんな風に住人に聞いて回るのもいいかもですね」

「何も思いつかないよりかは良さそうだな」

「じゃあみなさんのところに回っていきますか!」

「そうしようか」


思いついた人のところに聞きに行くということになった。他の人がごはらみたいなのでないことを祈る。



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