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もりみさき  作者: みじ
22/25

22話︰小屋

「よーし、みんな集まったな」


俺たちはごはらに呼ばれて浜にいた。高1・高2のいつも暇そうな7人が集められている。


「暑い……」

「で、なにするのー?」

「これ、覚えてるだろ?」


ごはらは浜にあるボロボロの小屋を指さした。


「あー、昔秘密基地とか言って使ってたやつね」

「懐かしいねー」

「だろだろ」

「いや俺はなんも知らんのだが」

「まあ自由はそりゃ知らんけどな」

「で、これがどうしたの?」

「そう、そこで俺は正浩と話し合って決めたんだ」

「違う、ほぼお前の独断だ」

「もっかい掃除して、この小屋を秘密基地として使おうってな!!」

「……………」


みんなの反応が微妙だ。ごはらだけなんか張り切ってるが他の人はやる気があるように見えない。


「で、私たちを呼んだの?」

「おう、みんな大好きだったろここ」

「友華とかあんま来てた覚えないけど」

「うん…私帰ってもいい?」

「僕もあんま来てなかったし帰ろうかな」

「ダメだ、てか帰ってもどうせ暇なんだろ」

「えぇ」


まったく興味の無さそうな友華まで巻き込まれた。俺はよく分かっていないが、秘密基地とかなんか楽しそう。浜にあるから秘密でもなんでもないけどそこは言わないでおこう。



「うわっ、きたない」


中に入ると、瓦礫が散らかっていた。長い間使ってなかったらしいし、海沿いだから悪天候な度に色々飛んできたりしたんだろう。


「とりあえず、瓦礫外にだして箒ではくか」

「そうだな」


大量にある瓦礫を外に運び出していく。しばらく続けていると、だんだん中の様子がわかってきた。

下には畳が敷かれていて、窓は4つほど。子供らのたまり場としては最適だ。


「よーし、こんなもんか」

「疲れたあ」

「私…もう無理」

「あとはーーー、壁とか拭くか!」

「いやてかまず畳なんか湿ってるんだけど」

「ここに座るのは気持ち悪いね」

「俺の家に前まで使ってたカーペットはあるが」

「まじか正浩、それ持ってこよう!」

「めんどくせえな」


正浩がカーペットを取りに行っている間、ほかの人達で壁を綺麗にしていった。

その後も外装をできるだけ綺麗にしたり外れかけのドアを直したりしていった。

いろいろしているうちに、気がつけばもう夕方になった。


「こんなもんか」

「なんか無中でやっちゃってた」

「けっこう変わったねー」

「…もう…動けない」

「お疲れさま」


最初とは見違えるほど良くなっていた。ドアもしっかりと使える。変な音がするが。中もカーペットのおかげで座れるようになって、たまり場としては完璧な状態だ。

ただ一つ気になった。


「なあ、これ鍵とかいらないのか」

「いや誰も入ってこないだろこんなとこ」

「それもそうか」

「せっかく綺麗にしたし、なんか物も置いていきたいよねー」

「まあ各自暇な時に持ってきたりするか」

「もう今日は遅いし解散で」

「ういー」


この日はそこで解散した。



家に着く。疲れたし眠いが、まだ寝る時間ではないな。少しだけ横になるか。




「……はっ」


時計を見ると21時。少し寝すぎたか。おかげで眠気も少し無くなった。お腹も空いたし晩御飯でも食おう。



「………まじか」


ない。何も無かった。いつも常備しているカップ麺。たまに簡単な料理するための食材。全部なかった。どうやら昨日で使い切ってしまったらしい。

スーパーまで買いに行くか。てかまだやってるのかこの時間。


「駅から歩いた時まだやってたな…」


夜の散歩がてら、晩御飯をスーパーまで買いに行こう。


海沿いを歩く。もう夜なのに、夏だから蒸し暑い。夏だからってここまで暑くなくてもいいだろ。夜くらいは涼しく過ごさせて欲しい。


今日掃除した小屋が見えてきた。暗いが何かがあるのはぼんやりと分かる。

そして―――そこに人影があるのも分かった。


「不審者か!?」


いや、そもそも入ったところで不審者でもなんでもない。奪うものもまだ何も無いし。一応何をしてるか見に行こう。あんだけ頑張って掃除したのに荒らされたらたまったもんじゃない。



ドアの前に立つ。たしかこの中に誰かがさっき入っていった。覚悟を決めて開ける。


「ひゃっ!」

「うわっ!」


開けると同時に中から悲鳴が聞こえてきた。その勢いで俺も叫んでしまう。

中は真っ暗だが、月の光が窓から入って中の人の顔がうっすら見える。


「ん……友華…か?」

「自由……どしたの急に」

お互いなぜ相手がこんな時間にいるのか分からなかった。


「いや…俺は飯を買いに行こうとスーパーに行く途中で誰かが入っていくのを見て」

「そ、そなんだ…」


友華はホッとしたように下に座った。俺も中に入る。


「で、友華はこんな時間にここで何してるんだ」

「いや、これを付けようかなって」

「これって……暗くてなんも見えん」

「電球。というかちょっとした明かり」


手には電池式のライトを持っていた。暗くなると見えないから部屋につけようと思ったらしい。


「そうか……ん、じゃあなんで昼間につけようとしないんだ」

「だって、他の人にここに来てるの見られるの嫌だし…」

「ええ………なあ、友華って恥ずかしがり屋なのか?」

「…え?」

「前のゲーセン好きを隠したがったりしたこととか、ほら今回のこともさ、やる気なさそうにしてたけどしっかり作業も手伝ってたし、今も…」

「………」

「いや、これは別に恥ずかしがり屋って訳では無いか」

「…今日は別に散歩のついでに来ただけだから」

「…そっか」

「じゃあ、用事も終わったし私帰るね」

「あ、俺もスーパー行くから」


2人で浜から出る。


「じゃ、またな」

「うん」


別に方向に歩き出す。会話もほぼなかったが、不思議と2人になっても気まずさは感じなかった。





少し歩くと後ろから声が聞こえた気がした。


「…んな……かく……よね…」


振り向くと友華がまだ立ち止まっていた。友華が何か言ったのか?でも別にこっちを向いてる訳でもないし気のせいか。とりあえずいつ閉まるか分からないスーパーに向かった。



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