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もりみさき  作者: みじ
14/25

14話︰肝試し

「肝試ししたい」

「急にまたどうした」


自由は正浩とごはらと3人でごはらの家に集まっていた。


「夏休みっぽいイベント今のところ全然やってない気がしてさ」

「プール行っただろ」

「なんかもっとこう…なんか…あるじゃんか!」

「というか、ここら辺に肝試しするような場所なんかあるのか」

「あるっちゃある」

「山だな」

「山?登るのか」

「神社の奥に道があって、そっからしばらく歩けば山頂まで行けるんだ。結構暗くて面白いと思うけどなあ」

「それ、落ちたりしたら危なくないか」

「柵は一応あるぞ」

「明かりないくせに謎に安全面だけはしっかりしてんだよなー」

「…ちょっと面白そうだな」


肝試しなんてやった事がないからどんな雰囲気なのか興味はある。とりあえず誘えるだけ人を誘ってみることにした。





―そして夜、神社に集まると、


「思ったより集まってるな」


多くて5人くらいかと思っていたが、結局8人も集まった。俺とごはら、正浩、雄一、のどか、加奈実、絶対来ないと思っていた友華、それと……1人知らない人もいる。


「えっと…はじめましてですかね」

「そうだねえ。あ、でもうちは君のこともう聞いてるよ。どうも、高校三年生の藤森(ふじもり)泰葉(やすは)だよ」

「あ、先輩ですか」

「いやいや、高一が高二にタメ語とか使ってるし、同学年と思ってくれていいよー」

「やすねえ って俺たちは呼んでるぞ」

「いきなりやすねえ呼びはちょっと慣れん」

「まあうちのことは好きに呼んでくれていいから」


優しそうな人だ。ほんわかとした雰囲気。

加奈実とちょっと似てる気もする。



「で、どういうルールでやるの?」

「あーいや、なんも決めてねえぞ」

「呼ぶなら決めときなよー」

「まあよくある2人ずつになって山頂目指すって感じでいいだろ」

「どう分かれる?」

「せっかく男女4人ずつだし、男女で組もうぜ」

「え、もしかしてごはら、この中に好きな人いるの?仕組んであげよっか」

「いねえよ!」


男女でそれぞれ別れて1から4の番号を決めた。

順番に、ごはらとのどか、正浩と友華、雄一とすみれ、そして、


「あ、自由くんか、よろしくねー。」


藤森先輩とペアになった。さっき初めて会ったばかりだから気まずくならないか少し心配だ。



前のペアが行ってから10分後に次のペアが行くルールにした。まずはごはらとのどかが出発した。


「あんたこういうの怖いとか思う系だったけ?」

「いや正直全然怖くないな」

「ちょっと怖いからしたいって言い出したんじゃないの」

「夏の青春したかっただけだ!というかお前も怖くないんだろ?」

「いやそりゃ私神社のそこに住んでるから怖いわけないじゃん」

「………」

「………」

「ちょっとくらい、恐怖心もあってもいいかもな」

「だね…」



次に正浩と友華が出発した。


「友華はこういうの来ると思ってなかったぞ」

「来たくなかったのに…無理やり連れてこられた」

「怖いからか?」

「怖いし……家で寝てたい」

「じゃあ、怖さが消えるような楽しい話をしてやろう」

「えっ、うんじゃあお願い」

「あれはたしか6月、新しいルアーを試そうと堤防に行った時だった。そしてその時…」

「やっぱいいです」

「遠慮するな」



次に雄一と加奈実が出発した。


「久しぶりに通るなーこの道」

「たしか今年は初日の出見に登ってないからねー」

「たしかぼくはごはらとオールするってなって朝の4時くらいに寝落ちした記憶がある」

「年明けからよくわからんことしてるねえ」

「来年くらいにでも、ここ登ってみるか」

「そうだね、またみんなで集まろっか。1人新しい人も増えたし」

「高二がやけに多いよな。高一僕らしかいないのにさ」

「ま、唯一の同学年として仲良く行きましょうや」



最後のペアの俺と藤森先輩は神社に残っていた。


「たしか自由くんは家族で引っ越してきた、って訳じゃないんだよね」

「そうですね、村の人にいろいろと助けて貰ってここにいるって感じですね」

「いい人多いよね、この森岬村」

「ほんとにです。藤森先輩も生まれからずっとここに居るんですか?」

「先輩呼びしなくていいよ。そうだね、生まれはここで……あ、10分経ったし、行こっか」


とりあえず歩き始めることにした。


「生まれはこの町でね、小学生の頃まではここに居たんだけど、途中1回東京に引っ越してね。それでまた中学生の頃にこの村に戻ってきたって感じ」

「戻ってきたらやっぱり不便だって感じました?」

「ううん、むしろなんでもありすぎなくて時間がゆっくり流れていくのが嬉しかった。ちょっと…………うちには東京は合わなかったかもね」


何か嫌なことがあって戻ってきたのか。あまり踏み込めない。実際、東京に嫌な気持ちがあるのは俺も同じだから。


「俺も東京には合いませんでしたね」

「お、仲間だね。そうか、たしか東京から来たんだよね。でもあそこは好きだったなー。色んな出店とかある……」

「あ、俺もそこの雰囲気好きでしたよ。そこから近い海が綺麗で何度か夜散歩に行ってました」

「いいよね!そこ!あとあそこの……」

「あ、その店入ったことは無いけど何度も見ましたよ。人いっぱい並んでましたね」

「そうそう、でも1番好きだったのは……」



東京のことを話しているといつの間にか山頂に着いた。当然ながら先に行ったの6人もいた。


「あれなんか初対面なのに思ったより仲良くなってるじゃん」

「東京の話してたら盛り上がった」

「いいなあ東京行ってみたいな。あんなとこに住んだら毎日楽しそう」

「やめとけ」

「やめときなよ」

「なんでだよ!東京の話で盛り上がったんじゃないのかよ」

「てかさ、肝試しのはずだったんだけど誰か怖がる人いなかったの」

「全員こういうの強そうだからな」

「友華は?」

「お化けとかよりも隣の人の方が怖かった」

「?怖さが消えるように釣りの話をしてやっただけだぞ」

「それは怖かったな」

「よく耐えた」

「…うん」

「なんで俺がいじめたみたいになってる」



そのまま特にすることもなくみんなで山から降りて、それぞれ家に帰って行った。こういう風に夜中に集まって遊ぶのもすごく楽しい。また機会があればしたいな。


海沿いの道路を歩いて帰っていると、浜辺を俺とは逆方向に歩いている人影が見えた。どこかで見たことたるような気もするけど暗くてよく見えない。なんで暗くて見えないのに既視感があるんだろう。それより、浜辺で夜中に散歩するのも気持ちよさそうだ。またしよう。



家に帰るとすぐに眠りに落ちた。


ちなみに、目覚ましロボットは箱の中にしまわれていた。




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