第99話 裏切り者?! クロアゲハの羽の方ちゃん!
「第3ラウンドをはじめます! オオムラサキの羽の方ちゃんさん! 次の色を指定してください!」
「どうやらあたしの大活躍エンターテインメントにしないためにあたしをねらわないようにしているようだけど、それならあたしにも考えがあるわよ? アイキャッチポイントはラウンドが1つ進むごとに10ポイントふえていくけれど、例えばあたしが同じ色を指定し続けてアイキャッチポイントを取り続けたらどうなるかしら?」
ここでオオムラサキの羽の方ちゃんが、審判の富田林・イブさんに視線を送る。
「同じ色を指定し続けるのは、ルール的に問題ありません。そして一番最初に他の方たちより100ポイント多く獲得しましたら、一本勝ちです」
「と言う事らしいわよ? 全員であたしにかかってこれば、万に一つの確率であたしを捕まえる奇跡があるかもね! フフッ。 では、青色を指定するわ!」
色が指定された瞬間のディディウスモルフォの羽の方ちゃんだが、オオムラサキの羽の方ちゃんの思惑をまたもや外れてヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんと追いかけっこをはじめる。
そしてオオムラサキの羽の方ちゃんのまわりには、モンシロチョウの羽の方ちゃんとナミアゲハの羽の方ちゃんをふくめた16匹のフェアリーたちが取り囲む。
「ナミアゲハの羽の方ちゃん! 青い羽がねらわれちゃう! さがって!」
とモンシロチョウの羽の方ちゃんが、叫んだ瞬間。
オオムラサキの羽の方ちゃんが羽ばたきでの弾き飛ばしをしながら囲みを脱出したのだが、ナミアゲハの羽の方ちゃん以外のフェアリーたちが派手に飛ばされていく中弾き飛ばしに指向性があるのかナミアゲハの羽の方ちゃんだけその場に固定されるのを耐えるぐらいにおさえられた威力の弾き飛ばしになり、その耐えているナミアゲハの羽の方ちゃんの横をオオムラサキの羽の方ちゃんが通り過ぎてディディウスモルフォの羽の方ちゃんを追いかけに行く。
「オオムラサキの羽の方ちゃんが青い羽をねらっていない! ディディウスモルフォの羽の方ちゃんをねらっている! みんな! ディディウスモルフォの羽の方ちゃんを守って!」
「(中略たくさん)「りょうかい! キチョウの羽の方ちゃん!」(中略たくさん)」
ディディウスモルフォの羽の方ちゃんとヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんが、斜に構えた姿勢の見つめあった状態でおたがいに一定の距離を維持したまま高速でジグザグ飛行をして飛んで行くが、僕の視界から離れ過ぎないように高速ジグザグ飛行で僕の視線の向く前方あたりでのフェイント合戦にもどってくる。
他の大部分のフェアリーたちより飛行能力の高いディディウスモルフォの羽の方ちゃんとヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんは、どちらとも他のフェアリーたちに背中を取られないように常に位置を変えながらの高速飛行をしていたのだが。
キチョウの羽の方ちゃんの先の発言で、ディディウスモルフォの羽の方ちゃんとヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんのまわりにいたフェアリーたちはオオムラサキの羽の方ちゃんの妨害に向かう。
キチョウの羽の方ちゃんをふくめた38匹のフェアリーたちが、オオムラサキの羽の方ちゃんの前に立ちはだかる。
その立ちはだかったフェアリーたちを、オオムラサキの羽の方ちゃんはそのつどディディウスモルフォの羽の方ちゃんとの変わりゆく直線と自分の身体と羽ばたきの範囲を確保しながらイナズマのように弾き飛ばしながらおし通る。
だがすぐにそのオオムラサキの羽の方ちゃんの前に、ウラクロシジミの羽の方ちゃんとアオスジアゲハの羽の方ちゃんをふくめた51匹のフェアリーたちが立ちはだかる。
ウラクロシジミの羽の方ちゃんもアオスジアゲハの羽の方ちゃんも、羽に青色があると言えない事もない羽をもっている。
その立ちはだかったフェアリーたちを、オオムラサキの羽の方ちゃんはまたもやそのつどディディウスモルフォの羽の方ちゃんとの変わりゆく直線と自分の身体と羽ばたきの範囲を確保しながらイナズマのように弾き飛ばしながらおし通る。
ウラクロシジミの羽の方ちゃんとアオスジアゲハの羽の方ちゃん以外のフェアリーたちが派手に飛ばされていく中やはり弾き飛ばしに指向性があるのかウラクロシジミの羽の方ちゃんとアオスジアゲハの羽の方ちゃんだけその場に固定されるのを耐えるぐらいにおさえられた威力の弾き飛ばしになり、その耐えているウラクロシジミの羽の方ちゃんとアオスジアゲハの羽の方ちゃんの横をオオムラサキの羽の方ちゃんが通り過ぎてディディウスモルフォの羽の方ちゃんを追いかけに行こうとしたのだが。
オオムラサキの羽の方ちゃんの後ろから来たクロアゲハの羽の方ちゃんがアオスジアゲハの羽の方ちゃんの羽をねらって飛んできた所を、オオムラサキの羽の方ちゃんが振り向きざま羽ばたきの指向性のある風をクロアゲハの羽の方ちゃんだけにあてて吹き飛ばしていく。
そのクロアゲハの羽の方ちゃんの方にふりむいたオオムラサキの羽の方ちゃんの背中の羽に、それまできそいあっていたディディウスモルフォの羽の方ちゃんとヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんがとっさの判断でむかうが。
オオムラサキの羽の方ちゃんは、ディディウスモルフォの羽の方ちゃんとヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんに振り向きざまの羽ばたきで指向性のある風を送り、ディディウスモルフォの羽の方ちゃんとヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんをその場で風に固定させ、通り道のヤエヤマムラサキの羽の方ちゃんを無視してディディウスモルフォの羽の方ちゃんの青色の羽を捕まえる。
「アイキャッチポイント! オオムラサキの羽の方ちゃんさん30ポイント! 合計70ポイント!」
そして審判の富田林・イブさんから続けて、「カンカンカンカン」とゴングがなる。
すると僕と京太郎くんと山田富士さんと一番槍の丈治がかこんですわっているリビングルームのソファーの前にあるフェアリーたちのオイルパステルによるラクガキだらけのしゃれたアンティークテーブルに、新しく追加されたフェアリーサイズの土俵のラクガキの仕切り線の前におりたち、オオムラサキの羽の方ちゃんとディディウスモルフォの羽の方ちゃんがしこを踏み。
今回も関係ない他のフェアリーたちの何匹かも、土俵のまわりでしこを踏む。
そして、ディディウスモルフォの羽の方ちゃんがさきにしこを踏み終える。
「チンチンにキックすれば、勝てるよ~~~!」と言っていた、クロアゲハの羽の方ちゃんです。
かわいそうに、こんな悪そうな顔のイラストになって……。