第9話 2回目の、住宅の内見
「うう~ん?」
目が覚めてベッドから起き上がると、★★★ホテルの部屋のようなところで寝ていた。
「おはようございます、藤咲さま。気分はいかがでしょうか?」
「きみだれ?」
「わたくしは、藤咲さま専属メイドロボのイブでございます♡」
「ここどこ?」
「惑星開拓宇宙船ノアでございます♡」
「!!!惑星開拓宇宙船ノアって、なに???」
「108人のスタッフを乗せた、★★★ホテルにして★★★レストラン・★★★トレーニングジム・★★★プール・★★★各種娯楽施設完備の藤咲さまの職場でございます♡ 108人のスタッフというのは、藤咲さまを含めて108人でございます♡」
「なんで僕、そんな所に乗せられているの?」
「まず目隠しの後、無痛注射で眠らせこの惑星開拓宇宙船ノアに運ばれたと聞いております♡」
「いやそうじゃなく、僕をそんな所に乗せる意味は?」
「世界樹の物理的な環境改善効果の論文が複数発表されているのですが、ご存じないですか?」
「知らないし、僕が誘拐される意味も解らない」
「誘拐だなんて♡ 藤咲さまは、人見知りなんですね! それはそうと世界樹の物理的な環境改善効果なのですが、世界樹の高さ的に空気のないはずの部分の幹の半分の高さまで空気を作ったり化学物質で汚染されていたはずの土地を浄化したり周りの気温を25度に維持したり周りの人間を含めた動植物を元気にしたりする効果を世界の改変で行っているのではと言われています♡」
「それで、僕が誘拐される意味は?」
「誘拐ではなく、人材の引き抜きでございます♡ 藤咲さまは量子コンピューターのスーパーコンピューター1台に有線接続するだけで、3分もあれば世界樹に改変できると聞いております♡」
「ああ⤵⤵⤵っ。ちなみに、どこで聞いたの?」
「政府内にも、『連結した世界樹の根教徒』がおりますので♡」
★★★ホテルの部屋のような僕の部屋の内見だが、あらゆる面で申し分のない部屋だった。
僕の最初の赴任先である火星にはタコとクラゲの合いの子のような火星人がいるとフィクションでは言われている。
世界改変が、火星までおよんでいなければいいのだが。