第82話 ちょっと! うそでしょ、猫屋敷《ねこやしき》さん!
「カットイン先攻八千代の大地! 後攻山田富士!」
「本気を出せ! 山田富士! お前がどれほど強くなろうとも、俺の情熱の炎がお前に追いついて見せる!!!」
「技あり! 八千代の大地30ポイント! 合計130ポイント!」
「別に、本気を出していないわけではないでごわす。普通の相撲の力士になってじょじょに勝ち上がり横綱になり大横綱になる夢を持っていたおいどんには、心の整理をつけるための確認があったでごわす。期待にこたえられるかわからないでごわすが、おいどんの本気を見るでごわす!!!」
「技あり! 山田富士30ポイント! 合計130ポイント!」
「とうとう、決着がつくのかにゃ? それとも、八千代の大地の情熱の炎が勝るのかにゃ? キナコちゃんの心も、燃えてきたにゃん!」
「技あり! 猫屋敷・キナコちゃん30ポイント! 合計180ポイント!」
「ちょっと! うそでしょ、猫屋敷さん! 対戦している力士につく警告はマイナス50ポイントだから、次で山田富士と八千代の大地が警告くらったら、猫屋敷さんが一本勝ちしちゃうのに何でカットインひかえないの!」
「技あり! 藤咲・アルヴィン・斗真30ポイント! 合計160ポイント!」
「キナコちゃんの情熱は、おさえられないニャン!」
「今の第6ラウンドで確認できた2人の闘気使用回数が9回ですが、2人のやり取りを見るとこの数字はまったくあてになりませんね! それはそうと土俵につもっている桜の花びらが気になるので、そろそろ土俵の上をそうじしてください!」
「技あり! 日名川・京太郎30ポイント! 合計130ポイント! ほうきもおいてあったので、今からそうじ休憩にしますね!」
「山田富士さ~~ん! チンチン! チンチン! チンチンにキックすれば、勝てるよ~~~!」
「警告! クロアゲハの羽の方ちゃんさんマイナス30ポイント! クロアゲハの羽の方ちゃんさん、チンチンにキックは禁じ手です!」
「クロアゲハの羽の方ちゃんって、フェアリーの友達たちにもチンチンにキックしてるの?」
「してないよ? 斗真くん? フェアリーは美少女しかいないし、チンチンにキックなんて現実でしたことないよ?」
「ほら! NPCの悲劇! タマチャンにおしえてもらったでしょ?」
「うん? NPCの悲劇を回避するには、おしゃべりしたり自分自身の想像力の欠如を反省すればいいんだよね?」
「そうそう、何の落ち度もない相手に自分自身の想像力の欠如と言う自分自身のあきらかな落ち度によってチンチンにキックしろって言ってる事を思い出してね! 友達はともかく親友は、おたがいに信頼できる人格者でないと成立しないからね! 店員さんに横柄な態度をとったりチンチンにキックしろとかいったりする人は『自分には親友がいる』って主張するかもしれないけど、そんなことありえないからね! それは失笑を買うぐらいものすごく低いレベルで、親友がいるって主張してるだけだからね! 最低限おたがいに信頼できる人格者でないと、親友と言う関係は成立しない! 一生親友が出来なくて、みじめに暮らしたいの? そんなことで良いの?」
「「「そんなのやだ~~~!」」」
「技あり! アオスジアゲハの羽の方ちゃんさん30ポイント! 合計0ポイント! ウラクロシジミの羽の方ちゃんさん30ポイント! 合計0ポイント!」
クロアゲハの羽の方ちゃんとアオスジアゲハの羽の方ちゃんとウラクロシジミの羽の方ちゃんが『『『そんなのやだ~~~!』』』と言ったのだが、クロアゲハの羽の方ちゃんはこのラウンドで『チンチンにキック』発言による警告を受けたばかりなのでマイナス30ポイントのままだった。
そんなこんなで、土俵の上につもっていた桜の花びらはあらかたかたづいた。
まあ日名川・京太郎のテンションがあがるのにともない、降ってくる桜の花びらが増えていくのはごあいきょうと言うやつだ。