第81話 マイナス50ポイント
「第6ラウンドまったなし! 手をついて! はっけよい! のこった! のこった!」
こんどの山田富士と八千代の大地はおたがいに警戒しているのか、突進するでもなくはりてをするでもなくおたがいの手をつかみたいのかと思えばはじき返し有利な角度を探すような素振りをして動き回る。
まるで別の格闘技のような動きで闘気すら使わずに、土俵中央あたりで有利な位置探しを繰り返すような展開になった。
「警告! 山田富士マイナス50ポイント! 合計100ポイント! 八千代の大地マイナス50ポイント! 合計100ポイント! すぐに、なんらかの攻撃をするように! はっけよい! のこった! のこった!」
山田富士と八千代の大地は、おたがいに闘気のはりてで応戦する。
その闘気のはりてでそれぞれ5回分の闘気使用回数を消費した所で、どちらからともなくまわしを取り炎の闘気の両手を分離しそれぞれ反対方向の土俵の外に運んでいこうとする。
それを2人とも、土俵際で炎の闘気の両手で解除し降り立ち動きを止める。
八千代の大地だけでなく山田富士も、9回分の闘気を使ったことになる。
山田富士が真剣な眼差しを八千代の大地がやはりかと言う表情を浮かべた所で、富田林・イブさんから「カンカンカンカン」とゴングがなる。
すると双方ゆうゆうと仕切り線の前でしこを踏み、八千代の大地がさきにしこを踏み終える。