第71話 謎《なぞ》のゴング
「東~。山田富士~。山田富士~。西~。八千代の大地~。八千代の大地~」
土俵の上にまわしを締めた、山田富士と八千代の大地が向かい合い仕切り線でしこを踏む。
山田富士と八千代の大地の双方とも身長の大きさに違いはあるが、昭和最後の大横綱千代の富士のような筋肉に覆われたそっくりな体形をしている
行司には、軍配を借りた富田林・イブさんがついている。
土俵入りの前の塩は、山田富士が少量まき八千代の大地が大量の塩をまいた。
ちなみに相撲を最前列で見れる砂かぶり席には、僕の仲間たちが人間たちフェアリーたちケットシーたちの区別なくついている。
「まったなし! 手をついて! はっけよい! のこった! のこった!」
身長約169センチの山田富士が、身長200センチ越えの八千代の大地とお互いのまわしをつかんでぶつかり合い押し合う。
そのまわしをつかんだ山田富士の両手が青色の闘気のようなものをまとい同時に八千代の大地の両手も炎のような赤色の闘気をまとうと、闘気の手と実体の手が分離してそれぞれの闘気の手が山田富士と八千代の大地を持ち上げてそれぞれ反対の土俵の外に運んでいこうとする。
山田富士と八千代の大地はその自分を運んでいく闘気の手を消すために、再度両手に闘気をまとい山田富士ははたきおとすように八千代の大地は握りつぶすようにまわしを持ち上げていた闘気の手を消し地上に降りる。
そしてそのままの位置から闘気のはりてを、山田富士は4発、八千代の大地は3発放ち。
八千代の大地が相殺できなかった闘気のはりてをよけて、山田富士と八千代の大地双方動きを止めた所で富田林・イブさんから「カンカンカンカン」とゴングがなる。
すると山田富士が高速で八千代の大地がゆうゆうと、仕切り線の前でしこを踏み山田富士がさきにしこを踏み終える。