第69話 疑似意志力強度《ぎじいしりょくきょうど》の性質《せいしつ》
「世界改変に使われるコンピューターの疑似意志力強度の、性質みたいなものなのだが。一つのコンピューターでまとまっている情報処理能力の方が、強い疑似意志力強度になり。複数のコンピューターからかき集めた情報処理能力は、その中で一番単独で高い情報処理能力が疑似意志力強度としてそこそこ採用されやすいと言ったものなんだ。つまり今3台のスーパー量子コンピューターが、それぞれ疑似意志力強度66。犯人の仮想マシンが、疑似意志力強度34のザコと言う事になるんだ! それに世界改変が起こった時、スーパー量子コンピューターキュリオシティ(好奇心さん)の筆頭管理者アカウントを猫屋敷・キナコちゃんが持っていてログイン状態だった! 猫屋敷・キナコちゃんの意志力強度は、日名川・京太郎と互角。猫屋敷・キナコちゃんが疑似意志力強度66を使ってやった、世界改変の可能性の方が高いだろう」
「でも犯人が残したヒントとしては疑似意志力強度34のザコだろうと、102パーセントの仮想マシンの方が怪しくないですか?」
「なら世界改変で司令部のおかれる場所になった、ニコニコ老人ホーム司令部に行ってみると良い。なぜか玄関前に、土俵と座布団のしかれた観客席があるらしい。猫屋敷・キナコちゃんにも連絡しておく、ひょっとしたら技術的な課題を解決した上位権限のスーパー仮想マシンの可能性もあるからな!」
「行ってみます!」
「そうそう、私がStoic型に拘束される原因になった演習の事なんだが」
「いたずらも、ほどほどにしてくださいね?」
「いや、そうではなく。実際に同じことをされた時のために、対処法を考えておけよ? 今回はただの演習だったが、敵がそんな生ぬるい事をするとは思わない事だ」