第66話 「どうしました? おこまりですか?」
「スーパー量子コンピューター忍耐さん(パーサヴィアランス)の筆頭管理者アカウントをかけた試練を受けに来た、藤咲・アルヴィン・斗真と日名川・京太郎ですが……」
「入ってください」
女性の声とともに、自動ドアが横に開く。
機関制御室の中に入るとそこには、拘束服を着せられて両手両足を満足に動かせない状態にされた40代後半の男、富田林・源内博士が地面に転がされ。
そのまわりに4体の男性型ロボットが、富田林・源内博士をにらみつけ。
そのそとに世界樹騒動の時のハッカーの40代女性が、こちらに救いを求めるように見つめていた。
ちなみに桜の花びらが2倍の密度で降っているのが半径5メートルの範囲、と言うのはもとにもどる気配がない。
「どうしました? おこまりですか?」
「ああ! スーパー量子コンピューターパーサヴィアランス(忍耐さん)と機関士ロボットたちに、冗談が通じないことを知ってるんですね!」
「『将来的にあり得る危険のための、予行練習だ!』と言って計画通りに進んだところに、アドリブを一つ入れたら拘束されてしまった。うっかりしていたとはいえ、プログラム通りだな! はっはっはっは!」
「それで、どうやって説得するんですか?」
「富田林・源内博士より上位のスーパー量子コンピューターパーサヴィアランス(忍耐さん)管理者アカウントの持ち主が、説得しないとだめだと思います! つまり……」
「スーパー量子コンピューターパーサヴィアランス(忍耐さん)! 筆頭管理者アカウント登録用の、生体全スキャンログインベッドを4つ出してくれ!」
「富田林・源内博士、おぬしの筆頭管理者アカウントは凍結中ですじゃ! 命令を拒否する!」
「スーパー量子コンピューターパーサヴィアランス(忍耐さん)! 筆頭管理者アカウント登録用の、生体全スキャンログインベッドを4つ出してください!」
「了解した」