第64話 恐怖《きょうふ》の襲撃《しゅうげき》
「止まって! フェアリーたちを周囲に集めて、念動力で全員をおおうバリアーをはってください!」
「フェアリーのみんな! 一番槍の丈治の言う通りにして! バリアーをはるから近くに集まって!」
忍耐さん(スーパー量子コンピューターパーサヴィアランス)の筆頭管理者アカウント持ちの富田林・源内博士のいる機関制御室にむかっている所の花畑で、フェアリーたちをふくめた全員を僕は念動力のバリアーの中におさめる。
ちなみに機関制御室は、概念重力訓練室と同じ宇宙船ノア運行管理センターにあるそうだ。
そんな事をしている間に花畑の花と畝にかくされたすきまから銃と思われる物を付けたドローンが100機ぐらい、まわりをかこむようにあらわれて銃撃を始めた。
「はっはっはっは! どうだ! 連結した世界樹の根教徒ども! 皮膚に1グラムつくだけで死に至るゾンビ麻薬をしこんだ、ゾンビ麻薬弾の威力は! お前たちの周り全てを、汚染してやったわ! せいぜい救助が来るまで、おとなしくすることだな! 救助に来る人間が全員死に、軽いそよ風がお前たちにゾンビ麻薬をはこんでこなければだがな! まあ、そんなことは不可能だがな! はっはっはっは!」
スーパー量子コンピューターの世界樹化の時に防衛していた富田林・源内博士の声と言いまわしで一方的に言った後、バリアーのまわりを白い粉まみれにしたドローン100機ぐらいは機関制御室と概念重力訓練室のある宇宙船ノア運行管理センターの方に飛んで行った。
「どうするでごわすか! おいどんたちはもうここで、おわりでごわすか?」
「藤咲さま♡ バリアーをはったまま、機械を外に出すことは可能でしょうか?」
「うん、可能だと思う」
「ではわたくしの、多目的偵察ドローンで外の白い粉をしらべますね♡」
と言って富田林さんはエプロンのポケットから懐中電灯を取り出し単一電池を取り出し地面におくと、単一電池の曲線半分をカマボコ状に残し残りの半分がカマボコ板と8本のクモのような足になりバリアーの外に歩いていって、足の1本をスプーン状にして白い粉をすくい曲線を描いた胴体上部に開いた穴に入れて収納する。
「微粉小麦粉だそうです♡」
「え? 今のって、いたずら?」
「フフッ」
「ちょっとまってほしいでごわす! 微粉小麦粉ってなんでごわすか?」
「薄力粉をさらに細かく粉砕したもので、薄力粉よりもよりなめらかな仕上がりを求める製品に使われます♡ 屋外ですので粉塵爆発の可能性は低いですが、火気厳禁でお願いします♡ あと細かい粒子が呼吸器に負担をかけますので、マスクなどをされるとよろしいですよ?」