第62話 「なかよし、ぞうふくびーむ! ビビビビビ!」
「では試練と使命をひかえたみなさんに、キナコちゃんからやる気満々になるおまじないをしますニャン!」
猫屋敷・キナコちゃんのくつろぎ部屋にもどってきて猫屋敷・キナコちゃんが振り向いて僕たちと向かい合うと、猫屋敷・キナコちゃんの両目から僕の両目を標的に光線がはなたれた。
「なかよし、ぞうふくびーむ! ビビビビビ!」
その猫屋敷・キナコちゃんのビームにたいして僕は危険のない友好的な概念能力だが僕の心をおびやかす可能性を危険感知能力で感じて、ヒョイと横にずれてビームをよける。
すると僕の頭の後ろを飛んでいたディディウスモルフォの羽の方ちゃんの両目にビームが吸い込まれ、ディディウスモルフォの羽の方ちゃんと猫屋敷・キナコちゃんの全身が光を発し始める。
「ふわわ~~~~~! 力が! 力があふれて来るヨーーー!」
ディディウスモルフォの羽の方ちゃんの全身が光っている間ずっとさけんでいたが、光がおさまるとさけぶのをやめた。
「もう一回! もう一回いまのやって!」
「はいはい! 他の人も待ってるから、もう一回だけね!」
「ふわわ~~~~~~~! すごい! すごいよ~~!」
「あれ、大丈夫なんでごわすか?」
「おそらく、なかよしの男女が見つめあって力を増幅する。みたいな能力だから、好きな異性がいない人なら問題ないと思う。ただ、猫屋敷・キナコちゃんの事は好きになっちゃうと思う……」
けっきょく僕たちの中で猫屋敷・キナコちゃんの『なかよし、ぞうふくびーむ! ビビビビビ!』の餌食になったのは、日名川・京太郎と勝野・丈治とフェアリーたちの半分ぐらいだった。
ちなみに、日名川・京太郎の降らす桜の花びらの量が2倍ぐらいになった。