第6話 3分……それは奇跡の意志力強度
「とうとうここまで来てしまったか! だがスーパー量子コンピューターは止まらん! ここは制御室だ! スーパー量子コンピューター本体は、12人の責任者が同時に生体認証をしなければ開かない密封された部屋にある! それにブレイカーを落としても無駄だ! 予備電源が12系統あって電源を落とすことは不可能だ! 残念だったな! はっはっはっは!」
「私がハッキングする! 誰かそいつを押さえこんで!」
40代の地球教徒の女が、押さえこまれた教授?の頭にある有線接続端子と自分の頭にある有線接続端子をケーブルでつなぐ。
「あと15分で午前9時だ! 急ぐんだぞ?」
80代の地球教徒の男の言葉に。
「善処します」
と言って40代の地球教徒の女は目をつぶった。
「ハッキングと洗脳成功!」
と言って40代の地球教徒の女が目を開けた時、スーパー量子コンピューターの一般インターネットへの開放まであと4分になっていた。
「スーパー量子コンピューターを、後4分以内に止める方法を教えて!」
「そんなものはない……」
「じゃあスーパー量子コンピューターを、3分半以内に無効化する方法は?」
「強い意志力強度を持つものが、この制御室から有線接続をしてスーパー量子コンピューターを無害な何かに変容させればあるいは無効化できるかもしれません」
と言って教授?が、俺に視線を向ける。
「スーパー量子コンピューターの、有線接続端子はどこだ!」
「こちらです……」
「あと3分! がんばってくださいね!」
俺はスーパー量子コンピューターと有線接続して無害な、ドングリの木をありったけの意志力強度を動員してイメージした。