第53話 タマチャンの、目的のじゃまをするつもりはないにゃ!
「はいはい! じゃあ斗真くんたちは、早くキナコちゃんの所に行くにゃ!」
「え? 良いの? ワサビちゃん?」
「いいにゃ!」
「ダメだにゃ!」
ワサビちゃんの許可に、寅吉さんが否定の言葉をかぶせる。
「え? どっちにゃ?」
「寅吉たちが納得するまで、試練をあたえ続けるのにゃ!」
「寅吉たち、じゃないにゃ! 寅吉さんだけが、なっとくしてないにゃ!」
こんどは寅吉さんの言葉を、ワサビちゃんが否定する。
「そんなことはないにゃ! 7匹の総意にゃ!」
「ちがうにゃ! 『キナコちゃんのために、扉をまもるにゃ!』と寅吉さんが言うから、扉のまわりでたむろしていただけにゃ! タマチャンの、目的のじゃまをするつもりはないにゃ!」
「ワサビちゃんも積極的に、猫じゃらししてたでにゃあか?」
「寅吉さんにまかせると不可能な無理難題になりかねにゃいから、一見厳しく見えるように寅吉さんがなっとくするように誘導してただけにゃ!」
「(中略たくさん)「にゃんだって~~~?!」(中略たくさん)」
ケットシーたちと人間たちとフェアリーたちの多くが、驚きの声をあげる。
「いや? それは、ワサビちゃんだけでにゃあか?」
と言って、寅吉さんがケットシーたちをみまわすと。
「「「「「タマチャンの、目的のじゃまをするつもりはないにゃ!」」」」」
とワサビちゃんと寅吉さんとタマチャン以外のケットシーたちは、口をそろえて言う。
「そんにゃ?」
「寅吉さん、聞き分けて? 寅吉さんも、タマチャンを悲しませたいわけではにゃいよにゃ?」
「それはそう、にゃのにゃが……」
「寅吉さんも、斗真くんの話に涙ぐんでいたでにゃあか?」
「そうだにゃ……。おみゃあたちはニャンの希望の星キナコちゃんから、斗真くんにスーパー量子コンピューターキュリオシティ(好奇心さん)の筆頭管理者アカウントが移動しても良いのにゃか?」
「「「「「「いいにゃ!」」」」」」
寅吉さんとタマチャン以外のケットシーたちは、口をそろえて言う。
「そうにゃのか……。では、寅吉も同意するのにゃ!」