第44話 視線の先《さき》
「タマチャン知性猫を作っていた遺伝子研究所にいたときに、ノストラダムス2世と言う名前の黒ニャンとなかよくてタマチャンの運命のパートナーと思うぐらい大好きだったのにゃが。ノストラダムス2世が言うには、『創造神が覚醒するまでは、吾輩が生きていると創造神の暗殺が成功してしまうから。タマチャンと次にいっしょにいられるようになるのは、創造神が覚醒して吾輩が生き返った後にゃ!』と言われて猫又堂の商品開発部門で働きながら人間に友好的な知性をもったニャンを集めたにゃ! その関係で、思わず黒ニャンをいつもいつも目で追っちゃうにゃ!」
「ええ? ノストラダムス2世って、日名川・京太郎の話でも出てきたよ? そんなおおごとだったの? 創造神なんているの?」
「おみゃあの事にゃ!」
「そうです! おみゃあさんの事ですにゃ!」
タマチャンと日名川・京太郎が、分かり切った事のように言う。
僕はそのタマチャンと日名川・京太郎の視線を追うように右後ろをふりかえると、そこでびっくりしているフェアリーの1匹に。
「ディディウスモルフォの羽の方ちゃん! きみが創造神だったんだね!」
「ええ? あたしが? 創造神なの? あたしもなぜかあたしだけ世界樹と話せておかしいな?とは思ってたけど、まさかあたしが創造神だからだったなんて!」
「(中略たくさん)「ちがうにゃ!」(中略たくさん)」
「フフッ。創造神とは、スーパー量子コンピューターを世界樹に改変できる存在の事を言います。つまりは、藤咲・アルヴィン・斗真さん! あなたです! ……にゃ!」
「ええ~~。……じゃあ、ディディウスモルフォの羽の方ちゃんはなんにゃ?」
「フフッ。ディディウスモルフォの羽の方ちゃんは、ただの世界樹の巫女です! ……にゃ!」
「うん。僕も、解ってたんだけど。念のためタマチャンと日名川さんの視線の先を確認したら、ちょうどディディウスモルフォの羽の方ちゃんがいたから説得力を感じて。 それはそうと、暗殺が成功しないぐらいの創造神の覚醒ってどのくらいにゃ?」