第42話 |NPC《のんぷれいやーきゃらくたー》の悲劇《ひげき》
「タマチャンは猫じゃらし10段だから、タマチャンがアドバイスしたらズルにゃ! ニャンをもてなす心の習得が、9級。2本しっぽのケットシーを1対1で『満足にゃ!』と言わしたら、8級。2本しっぽのケットシーを1対1で『大満足にゃ!』と言わしたら、7級。ニャンをもてなす道はきびしいのにゃ! それはそうと、集団でニャンをもてなすのは大変にゃ! 猫じゃらしを捕まえられても、そこで終わりではにゃいにゃ! 猫じゃらしを捕まえているニャンの興味を引くようにまわりの猫じゃらしもちががんばることで敗者復活するのにゃが、このことがどういう事か解るかにゃ?」
「もしかして、無限にニャンをもてなし続ける事になるんじゃにゃあか?」
「フフッ。そんなはずないじゃにゃいですか! ゲームバランスがくずれてますにゃ!」
「そうでごわすにゃ! まさかそんなことはないはず、でごわすにゃ!」
「俺の一瞬先を知覚する概念能力の範囲内で確認したところ、そのまさかみたいにゃ!」
「あれは100年と少し前にゃ、予知能力をもった遺伝子強化知性猫のノストラダムス2世と言う名前の黒猫の『ニャンの権利を確立するためにまずは、研究者の家族用クレジットカードと暗証番号を盗んで高級ホテルで豪遊するのにゃ!』と言う号令とともに、ホテルのルームサービスをフルに使ってホテルの従業員の何十人もが腱鞘炎になって心的外傷後ストレス障害になったにゃ! なつかしいにゃ!」
「タマチャン? その話、長いかにゃ?」
「まあ、まつにゃ! このままだと、ホテルの従業員たちと同じ末路になるにゃ! なぜホテルの従業員たちがああなったか、解るかにゃ?」
「無限に、猫じゃらしを振ったからにゃ?」
「それが直接の原因ではあるのにゃが、なぜそんなことになったにゃ?」
「知性猫たちが、遠慮をしなかったからにゃ?」
「そうにゃ! なぜ、遠慮をしなかったにゃ!」
「それは、知性猫たちに言ってもらわないとにゃ!」
「そうなんにゃが、タマチャンはこう思うにゃ! 人間と知性猫と言う種族の違いもあり、知性猫たちはホテルの従業員たちをNPCつまり物語やゲームの登場人物のように見ていたから起きた悲劇ではないかとにゃ!」
「にゃるほどにゃ!」
「フフッ、確かにそうですにゃ!」
「そうでごわすにゃ!」
「人間どうしでも、店員さんに横柄な態度をとるやつっていますもんね! つまり……どうすればいいにゃ?」
「たとえば店員さんに横柄な態度をとる人間は、よく知っている友達にも同じ態度をとるかにゃ?」
「それは中には誰に対しても横柄な態度をとる人間はいるかもしれにゃいですが、友達には友好的なんじゃないかにゃ?」
「まさにそこなんにゃが、つまりは集団で猫じゃらしを振る前におしゃべりでもして仲良くなってもしくは分かりあってから次に進むにゃ! まずは、すわるのにゃ!」