29/89
第29話 お腹が空いても、約束《やくそく》をまもるフェアリーたち
「花畑があるんだね!」
僕たちは日名川・京太郎が半径5メートルの範囲に降らすの桜の花びらの中、ハチミツの発注担当者にしてインジェニュイティ(想像力さん)の筆頭管理者アカウント持ちの倉持・丈之のいる商品管理倉庫に行く途中にある、花畑の道を歩きながらフェアリーたちに話しかけた。
「それが何?」
近くにいたキチョウの羽の方ちゃんが、不機嫌そうに聞き返してくる。
「あまりお腹の足しにならない?」
「そうじゃなくって、食堂で好きなだけハチミツを食べて良い代わりに花をむしって花の蜜を吸わないように言われているの!」
「ええ? そうなの? でも非常事態だし……」
「約束だから、だめ!」
「ええ~~」