第23話 無限《むげん》バカ話
「ほら!じゃないよ! そんなの、斗真くんの改変じゃない理由にならないよ!」
「いやでも、ここまでの話を改変で作ったというのも……」
ナミアゲハの羽の方ちゃんのツッコミに、日名川・京太郎が迷ったような発言をする。
「斗真くん!」
「なに? ナミアゲハの羽の方ちゃん?」
「斗真くんは、小説を書いてるよね?」
「うん、書いてるよ?」
「どうやって、小説を書いてるの?」
「まず暗算をするように話を頭で組み立てて組みあがった話をパソコンの文章ソフトに向かって一気に書くんだけど、文章ソフトに向かって書くと思っていたよりも面白いのが書けるんだよ?」
「面白いって? 具体的には?」
「書いてるうちに、ドンドン設定が生えて来るっていうか……」
「ほら!」
「なに?」
「その生えてくる設定って、どのぐらい生えてくるの?」
「無限だけど?」
「無限?!」
「無限」
驚愕しているナミアゲハの羽の方ちゃんの目を見て、僕はオウム返しに同じ言葉を発する。
「無限なんですか~~~?!」
「無限」
同じく驚愕した日名川・京太郎の目を見て、僕はオウム返しに同じ言葉を発する。
「無限でごわすか?! どすこい!」
「無限でごわす」
同じく驚愕した山田富士の目を見て、僕はオウム返しに同じ言葉を発する。
「藤咲・アルヴィン・斗真くん! 犯人は、きみだ!」
「何でそうなるの? ナミアゲハの羽の方ちゃん?」
「藤咲・アルヴィン・斗真くんは何でもない普通の日常生活を送りながら、山田富士さんの縦綱バカ話を考えて世界を改変したのです!」