表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/103

第21話 おすもうさん! 山田富士《やまだふじ》



斗真とうまく~~ん! おすもうさん!!!」

 ナミアゲハの羽の方ちゃんが創作活動室そうさくかつどうしつとびらを開けて入ってくるなり、僕の近くに飛んできて意味不明な事を言い出した。


「なに? おすもうさんだけじゃ、わからないんだけど?」

「食堂に、おすもうさんがいたの!」

 ナミアゲハの羽の方ちゃんが両2の腕を胴体どうたいのあたりで横に広げるような、太った人のジェスチャー?のような事をして必死にうったえてくる。


「ええ? 本当におすもうさんだった?」

「太ってて、かみってて、浴衣ゆかた着ていたよ!」


「ええ? それってただたんに、太ってかみってて浴衣ゆかたを着ている普通の人かもしれないじゃん!」

「え? そんなことある?」


「あるある! よくあるよ?」

「そうなんだ? 知らなかった……」


「ちょっとまった~~!」

 桜の花びらをふらせながら日名川ひながわ京太郎けいたろうが、話に割り込んでくる。


「なに?」

「なに?じゃないですよ! あきらかに相撲取り(すもうとり)じゃないですか!」


「そうかな?」

「それ以外いません!」


「じゃあちょうど昼飯の時間だから、みんなで食堂に行ってみようか?」

「良いですよ? スーパー量子りょうしコンピューターからログアウトしてから行ってみましょう!」


◆◇◆◇


「ほら! あの人!」

 ナミアゲハの羽の方ちゃんが、太って髪を結ってて浴衣を着ている幼さを残した顔の20才手前ぐらいの男のもとに飛んでいく。


「こんにちは! ナミアゲハの羽の方ちゃんがあなたのことをおすもうさんだって言ってるんですけど、おすもうさんなんですか?」

「違うでごわす」


「おすもうさんのコスプレですか?」

「ある意味では、そうでごわす」


「ある意味ではって、どういう意味ですか?」

「おいどん、ちゃんこ鍋屋の3代目の山田・富士ふじでごわす。この格好かっこうは、ちゃんこ鍋屋の制服でごわす!」


山田富士やまだふじって、本名ですか?」

「そうでごわす! 一族総出いちぞくそうでで考えてくれた、お気に入りのキラキラネームでごわす! どすこい!」


「どこ出身ですか?」

「名古屋でごわす! ごっつぁんです!」


「いやいや! 僕も名古屋出身ですけど、そんな方言じゃないですよ?」

「ちゃんこ鍋屋の、接客話術でごわす!」


「ほら~~」

 ぼくは、ナミアゲハの羽の方ちゃんと日名川ひながわ京太郎けいたろうを振り返る。

「ほら~~じゃないですよ! こんな変な人、普通にいるわけないじゃないですか! あきらかに、藤咲ふじさき・アルヴィン・斗真とうまさんの世界改変です!」

「ええ~~? 斗真とうまくん! こんなことで世界改変しちゃったの? この人可愛そうじゃん!」


「ええ~~。ひどい言いがかりだ……。えっと、別に僕の世界改変の結果そんな風になったわけではないですよね?」

「そうでごわす! おいどん、昔からこんな感じでごわす!」


「ほら!」


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ