表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/103

第15話 ノストラダムス2世



「はいはい! 分かりました! 100歩ゆずってね! じゃ、続きどうぞ」


「そうやって信頼関係を築いて(きずいて)いるうちに森林公園内の穴場にある咲き始めの桜の木の下でその黒猫くろネコがそこら中に掘って(ほって)いた穴は大小さまざま小さいのは子猫こネコサイズ大きいのは成人男性2人分サイズの穴になっていたんだけど、ある日その黒猫くろネコは桜の木の下で死にかけていたんだ」


「そう……。言いたいことはあるけど、話を続けて良いですよ?」


「『京太郎けいたろう……。吾輩わがはいはもうだめニャ。吾輩わがはいが死んだら、吾輩わがはいが最初に掘っていた穴に吾輩わがはいをうめてほしいニャ。周りの穴には吾輩わがはいがさみしくならないように、見つけた死体をその都度うめてほしいニャ』と言って、その黒猫くろネコノストラダムス2世は息を引き取ったから。僕はノストラダムス2世を、その穴に埋めた(うめた)んだ。それから……」


「ダウト! ダウト! ダウトだよ! なんだよ! ノストラダムス2世って! ネコはしゃべりません!」


「いやいや! ウソじゃないよ! その頃、ネコの遺伝子組み換えをして知性あるネコにする研究があったんだけど。研究者の家族用クレジットカードと暗証番号を盗んで高級ホテルで豪遊ごうゆうしたネコたちが出た事で違法になって、逃げ出した知性ちせいネコが各地に潜伏せんぷくしていたんだよ!」


ネコ豪遊ごうゆうって、なにしたんですか?」


「1日3回の食事をルームサービスで、毎回違う高級猫缶こうきゅうネコかんを用意させたり。朝・昼・深夜・関係なくルームサービスで、猫じゃらしをふらせたり全身をなでなでさせたりブラッシングをさせたりだね。そのホテルの従業員の何十人もが、腱鞘炎けんしょうえんになって心的外傷後ストレス障害になったと言われているね」


「話の続きがあるんだよね? 続きいいよ?」


「それから10日ほどの間に、猫15匹・大型犬1匹・うりぼう3匹・タヌキ5匹・アライグマ6匹・鹿1匹・モグラ1匹の死体を見つけてノストラダムス2世の周りに埋めた(うめた)んだ……」


「ダウト! まさかとは思ったけど、やっぱりか! 平和な日本でそんなに死体が転がっていることはありません!」


「いやいや! ウソじゃないよ! 森林公園横の道路が抜け道になってて車がビュンビュン走り抜けるんだけど、その辺の野生動物は奈良公園の鹿と違って交通ルールを守らないから!」


「だからって! そんなに死体が転がっているはずないでしょ!」


「いやいや! その頃ネットでじゅうの作り方とじゅうをドローンに打たせる方法を調べて自作の銃で試し打ちをしていた、天才サイコパス幼稚園児が近くに住んでいて……」


「ええ? 秀才しゅうさいサイコパス幼稚園児の、蘇我野そがの・オルカが近くにいたの? 美人幼稚園教諭のオッパイやおしりをさわっていた園長先生と男女8人の幼稚園児を殺して、実名報道されて死刑にもなった? 100年ぐらい前の話じゃん! あんた、何才?」


「150才の藤咲ふじさき・アルヴィン・斗真とうまさんほどではないですが、僕は日名川ひながわ京太郎けいたろう107才です。日本政府から、賞状しょうじょう銀杯ぎんはいももらっています! それはそうと、蘇我野そがの・オルカは天才ですよ? それに、死刑にもなっていません!」


「え? オッパイやおしりをさわっていた園長先生と男女8人もの幼稚園児を殺した所までは同情的な世論もあったけど、蘇我野そがの・オルカ自身もオッパイやおしりをさわっていて同情的な世論はなくなったよね?」


蘇我野そがの・オルカがオッパイやおしりをさわっていたというのは、根も葉もないでっち上げです! 蘇我野そがの・オルカは憲法改正派にその天才的能力と正義感を買われて、死刑をまぬがれています!」


「いやいや! 成人してから死刑になったニュースをみたよ?」


「それは憲法改正派が作った、記憶きおくまでインストールしたクローンです! 本物の蘇我野そがの・オルカは憲法改正派に救出されて暗殺者あんさつしゃとしての英才教育を受けて、憲法改正反対派を大量に暗殺あんさつして憲法改正に多大な貢献をしています!」


「ええ? 一時期政治家がたくさん暗殺あんさつされてたけど、それを蘇我野そがの・オルカがやったの? そんなことニュースでやってなかったけど、どこ情報?」


「実は蘇我野そがの・オルカとその遺伝子強化型クローンは今も与党の暗殺者あんさつしゃとして活躍しているそうで、同じ与党勢力よとうせいりょくである連結れんけつした世界樹せかいじゅ教徒きょうとにも噂が流れて来るんです」


「こわ! 暗殺者あんさつしゃこわ! 何時の間にか日本でじゅうを買えるようになってると思ったら、そんな理由があったのか!」


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ