第10話 箱ぎっちり
引っ越し業者の名前とロゴマークの入った、ダンボールがつまれていく。
「マンガ・ライトノベル・ゲーム機器・アルバム・服……拳銃?自動小銃? え? 中身を見たうえで、持って来てくれたの? 日本の法律では拳銃を持っているだけで、銃刀法違反じゃないの?」
「惑星開拓宇宙船の乗組員のみなさんは、『連結した世界樹の根教徒』なので特別に許可が出ています♡」
専属メイドロボの、イブさんが答える。
たしか聖書では楽園にいたアダムとイブのイブが蛇にそそのかされ禁断の果実を食べアダムもイブに言われて食べた結果神の怒りを買い楽園を追放されたと記憶しているが、僕に専属メイドロボのイブさんを付けた人は縁起とか考えなかったのだろうか?
「こわ! 『連結した世界樹の根教徒』こわ! 政府公認の、テロ組織!」
「もう♡ 冗談ばっかり♡ 藤咲さまも『連結した世界樹の根教徒』なんですよ?」
「こわ! 『連結した世界樹の根教徒』こわ! 僕は、入るって言ってないのに!」
「それはそうと、話している間に積まれている10箱の生物を開封しなくていいのですか?」
「いや? 僕は冷蔵庫なしで生活していたから、生物はないはずなんだけど?」
イブかしく思いながら、1番上の箱を下ろして開けると。
「「「「「「「「「「「うう~ん?」」」」」」」」」」」
「遅かったじゃない! 斗真くん!」
「ちょっと! 開いたなら上どいて!」
「ごめ~ん! すぐどくね!」
みかん箱のサイズのダンボール箱一箱に羽の無い平均身長31.58センチ(人間換算157.9センチ)平均体重424グラム(人間換算53キログラム)のフェアリーが、ぎっちり出るは出るは11匹入っていた。
そのフェアリーたちが背中に蝶の羽を生やして飛びかい、生物いや生物と書かれたダンボールを開けていく。
「惑星開拓にフェアリーたちを連れていって……何になるの?」
「『連結した世界樹の根教徒』の祈とう師の占いによると、フェアリーは成長すると世界樹にとって重要な存在になると出ています♡」
「そう……」
ダンボールに入ってついてきたフェアリーは、108匹の大所帯だった。