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ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
第三弾のおまけの物語(読み切り)

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活用方法が!(前編)

「昨晩もラブラブだったようですね♡」

「あんなに美味しいおでんとお酒を楽しんだのです」

「熱~い、熱~い夜になりましたよね!」


 おでんとお酒の翌日。

 目覚めるとセルジュの姿はない。

 代わりのように部屋にやって来たグラマラス美女三姉妹からは、新婚ゆえの情熱的な夜を過ごしたと思われているが……。


(それどころではないわ! 普通に二日酔いよ……。ただ、悪酔いはしていないみたいね。頭が重いけど、吐き気とかはない。ただ……ガツガツの食欲はないわね)


 そこでハッとする。


(おでんのスープ! あれで雑炊を作ったら、二日酔いの私でも美味しくいただける気がするわ!)


「スティ、今、何時かしら!?」

「まだ五時を過ぎたばかりですよ。酔った翌日なのに、アマレット様は早起きですね!」

「ねえ、昨日のおでんは……」

「綺麗に平らげましたよ。沢山の残ったスープは、料理人が活用方法を考えているところです」

「! あるの、あるのよ、活用方法が!」


 そこからは大急ぎで身支度を整える。昨晩、入浴をしていない。そこでカラスの行水の勢いで入浴をして、ラベンダー色のワンピースに着替えると、厨房へ向かう。


「おはようございます、料理長!」

「おはようございます、アマレット様。随分お早いお目覚めで」


 早朝から勢いよくやって来た私に料理人たちはビックリしている。驚かせてしまい、申し訳ないと思いつつ、尋ねる。


「朝食のメニューはもう決まっているかしら?」

「いつも通りの朝食を考えていましたが、何かリクエストがありますか?」


 料理長は優しく尋ねてくれるので、私は前のめりで答えてしまう。


「あるのよ! その前に、おでんの残ったスープで何か作る物は決めているかしら?」

「あのおでんは大変美味しかったので、残ったスープを有効活用したいとまさに考えていました! 怪魚の煮込み、怪鳥の手羽先を煮込むことなどを考えていたのですが……」

「なるほど! 煮込み料理の活用はとても素晴らしいと思います! あれだけ量があるので、ぜひ怪魚と怪鳥の煮込みはチャレンジしてください。それとは別で、今日の朝食と昼食で、おでんのスープを活用いただきたいの!」


 そこからはまず、おでんのスープを使った雑炊とリゾットの作り方について説明する。


「雑炊の方は、炊いたライスを使ってください。せっかくの炊き立てライスだけど、ざるにいれてサッと水洗いをしてください。使うのはホグの足のおでん以外のスープで、沸騰したスープにライスを入れ、なじませるようにしてください。調味料の追加はなくていいと思うの。その代わりで溶き卵をいれてください。すぐにかき混ぜず、火が通ってから、仕上げて混ぜてください」

「なるほど。リゾットは我々も作りますが、ゾウスイというのは炊いたお米を使うのですね」

「そうなの。お米の炊き方は……」


 さらに鍋を使ったお米の炊き方をレクチャーしながら一緒に作業した。そちらがひと段落したところで、もう一つのリクエストがこれだ。


「ホグの足のおでんのスープでリゾットを作っていただけますか? リゾットの方は仕上げでアグネス様からいただいた春トリュフをふりかけるのでどうでしょう?」

「! それは素晴らしいアイデアです。味付けはバター、塩胡椒、チーズですので、そこで春トリュフが香れば……。極東とルミナリア王国の春の祭典のようなリゾットになるかと」

「雑炊とリゾット、それぞれ半人前で、二種類をたのしめるようにしたいの。お願いできるかしら?」

「お任せください、アマレット様!」


 ◇


「昼食はまた改めてお話させていただきます!」

「はい! お待ちしています!」


 朝食は雑炊とリゾットを出せると安堵して厨房を出ると「アマレット、おはようございます!」という耳に心地よい声と眼福な笑顔が目に飛び込んでくる。


 濃紺のセットアップにパールシルバーのマントのセルジュはほんのり頬を赤くして、私を見ているではないですか!


「まあ、殿下のあの表情♡」

「昨晩、よほど満足されたのですね」

「仲睦まじいことですわ」


 グラマラス美女三姉妹のヒソヒソ声に納得する。


(そうね。私たち、新婚設定だから。ちゃんと夫婦の営みがあると信じてもらうには、今のセルジュの表情は効果てきめんというわけね)


「アマレット、昨晩は……」

「昨晩は殿下と一緒に休むことができ、幸せでしたわ。またいらしてくださいね」

「!」


 セルジュが蕩けそうな表情をするので、見ている私も鼻の下が伸びそうになり、大変!

 なんとか表情を引き締め「殿下は厨房に用事が?」と尋ねると「アマレットが厨房にいると聞き、何かお手伝いすることがないかと思い、参りました」とセルジュはキリッとした表情で答える。


「朝食は先程、料理長にレシピを説明し、作っていただくことにしました。私は部屋に戻るつもりでしたが……一足先にダイニングルームへ行き、紅茶でもいただきますか?」

「……それならばアマレットの部屋がいいです。アマレットはアーリーモーニングティーの代わりで、紅茶を召し上がってください。わたしは寛がせていただきます」


 これはどういうことかと思ったのだけど……。


「アマレット様、ミルクティーでございます」

「殿下、バフォメットのミルクでございます」


 エリーとメディがソファの前のローテーブルに飲み物を置き、私は「ありがとう」と応じ、セルジュは……。


「みゃおん!(ありがとう)」


 ブラックローズの姿で私の膝の上で寛ぎ、尻尾をご機嫌で振っている。


「殿下はこの姿の方が寛げるのですか?」

「にゃーお(こうやって寝そべることができるので!)」


 膝の上で軟体動物のように伸びるブラックローズを見ていると、セルジュであることを忘れそうになる!


 存分にもふっていると、スティが「朝食の用意が間もなく完了です!」と報告してくれた。


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