白鳥さんは想像以上のポンコツだった⑧
自分でも中々の変態っぷりだとは思う。
しかし、世の中上には上がいる。
美女のウン〇や聖水が大好きな変態紳士も一定数おり、需要もあるためそういったジャンルは中々に盛況だ。
それに比べればオナラはマイナージャンルだし、変態度も低めと言えるだろう。
が、一般人目線では変態であることには変わりない。
白鳥さんの感性が一般的かどうかは不明だが、好んで変態に仕える必要もないように思える。
「……いえ、幻滅なんてしません。ただ、私のこの体質を好いてくれる人がいるなんて、正直驚いています」
「そうか。でも、変態とは思うだろう? 試しに変態と罵ってくれないか?」
これには流石の白鳥さんもドン引きするだろう。
「罵る、ですか……? どうやって?」
「簡単だ。冷ややかな目で変態! というだけでいい」
「へ、変態……」
「もっと険しい目で、強めに」
「へ、変態!」
「ありがとうございます!」
「ええ!?」
ふふん、白鳥さんは中々オタク文化に詳しいようだが、コレは知らなかったようだな。
「付き合ってくれてありがとう。中々楽しかった」
「もしかして、何かのネタだったんですか?」
「気にしないでいい。不必要な知識だ。それより、話を戻そう。俺はオナラ体質を込みで、白鳥さんに好意を持っている。それで、白鳥さんは、俺のことをどう思っているか、改めて聞きたい」
オナラの件でうやむやになっていたが、まだ白鳥さんの気持ちについては聞けていない。
「そ、それは、好きか嫌いかで言えば、好きに決まっているじゃないですか……。嫌いな人に仕えたいとは、思いませんよ……」
「まあ、そうだろうな。それは嬉しいことだが、実際はどのくらい好きなんだ? 友達としてか、それとも異性としてか」
「そ、そ、そ、そんなの、言えません!」
ふむ。言えないと言っている時点で答えは決まっているので、どうやら白鳥さんは本当に俺のことを異性として好きらしい。
柴咲さんに言われても正直信じられなかったが、この反応を見れば鈍い俺でも流石にわかる。
「そうか。こんな俺を好いてくれるのは大変嬉しいことだ。しかし、そのうえで俺と柴咲さんをくっつけようとしていたのは何故だ?」
予想はつくが、本人の口から聞きたい。
俺の思い込みの可能性も否定はできないからだ。
「私、何も言ってないのに、勝手に話が進んでる……」
白鳥さんは顔を真っ赤にして目をウルウルさせているが、先程のようにテンパってはいないようだ。
俺は無言で回答を待つ。