ハロウィンコスプレとしておむつを履いたらみんなおむつを汚しちゃった件
ー-ピンポーンー-
「あっ、実憂ちゃんと、由奈ちゃんかなぁ。は~~~~い! いまいく~~~!」
二階の階段から玄関まで聞こえているかはわからないけど、私は一応大声でそう反応した。タッタッタッタとちょっと急ぎ足の足音が家中に響く。お母さんがいたら、怒られてたかもだけど今はいないからいいよねっ……
ようやく玄関へとたどり着いた私はサンダルにちょこんと足を乗せ、玄関の扉を開けた。
「心美ちゃ~ん! ごめんね、3分ぐらい遅れちゃったかも」
「えぇ~、由奈ちゃん気にしすぎだよ~、ちょっとお部屋掃除するのにも手間取ってたからちょうどよかったんだよ~」
「そうだそうだ、由奈ったら気にしすぎ~」
「実憂ちゃんが待ち合わせに遅れたから遅れたんでしょ!! まったくもぅ……」
そういいながら由奈ちゃんはぷっくりと頬を膨らませた。
方や、実憂ちゃんはへらへらして軽く誤っている様子だった。
「あれ、由奈ちゃん、実憂ちゃん、二人ともリボン交換してない??」
いつもだったら由奈ちゃんは長くてきれいな黒髪に水色のリボンをつけてて、実憂ちゃんは実憂ちゃんの性格に合ってるオレンジ色のリボンを二つつけて、ツインテールにしているのになぜか今日は逆だった。
「ばれちゃったか~、心美早すぎるよ~。実はね……」
「実憂ちゃん! 今日はそんなことしてる場合じゃないでしょ!」
そうだった、今日はちゃんとやらなければならないことがあった。それも急ピッチで。
私は二人をそそくさと自分の部屋まで案内し、ジュースを人数分出した。
「去年までだったらゆっくり準備できたのにね~」
「そうそう、今年は修学旅行があるからその準備のほうで忙しくって、全然準備できなかったよ」
「さてさて、実憂ちゃん、心美ちゃん、今年はどんな衣装にする?? 明日の町内ハロウィン会!」
「わたし、アリスの衣装しか思い浮かばなかったよ……」
ひたすら考えたけど、私にはそれ一つが限界だった。
「それ2年生の時やったじゃん!」
実憂の言葉は的確で、一番記憶に残ってたものを選んでこうなった。
「じゃ、じゃあサキュバス……なんてのは??」
部屋の中が、主に私と実憂ちゃんの間の空気が一気に引き締まった気がした。たぶん実憂ちゃんはこう思ってる。”あの純粋でおしとやかな由奈ちゃんからサキュバスなんて言葉がでるとは……”と。
「だ、だめだめだめ、由奈ちゃんがそんなえっ……露出度の高い衣装着てたらさらわれちゃうよ!!」
「なっ、私はさらわれないっていうの!?!? ま、まあいいや。サキュバスは没として、あたしの案を聞いてよみんな」
私と由奈ちゃんは実憂ちゃんことをじっと見る。実憂ちゃんはなぜだか持ってきたカバンの中を漁っているようだった。
「じゃじゃーん! あたしが提案するのはキューピッドのコスプレです!!! どんどんぱふぱふ~!」
おもむろに床に置かれたのは三人分の衣装だろうか、真っ白なワンピース、真っ白な羽、真っ白な……ぱん……おむつ!?
「ちょっ、実憂ちゃん、おむつってどういうこと!?」
「えぇ、だってキューピッドっておむつつけてるじゃん!」
「で、でもワンピースでどうせ見えないんだからパンツでいいじゃん!! ね、ほら由奈ちゃんも何か言ってあげてよ~」
私はちらりと由奈ちゃんのほうを見た。でも由奈ちゃんは突然の見慣れないものだったのかおむつをまじまじと見たまま固まってしまっていた。
「心美、わかってないな~まったくもう。ワンピース越しに浮き出るおむつ特有のシルエットがたいせつなんだよ!」
「どこにリアリティ求めてるの!?!? ねぇ、由奈ちゃん! さすがにこれは反対だよね??」
再び由奈ちゃんのほうを見る。依然として固まってるままで私は少し心配になり思わず由奈ちゃんの肩をとんと触った。
ピクッと震えた由奈ちゃんはそのまま驚いた状態で言った。
「あ、あぁ、えっと…いい…よ?」
「ゆなぁぁ! ナイス!よく言った!! よし!多数決で決まり!!」
「ねぇ、このおむつって、実憂ちゃんが使ってるやつなのな?? おもらしとか、おねしょとかしちゃうの??」
悪意はなかった。なんだか少し胸のどこかに変な感じがあって、聞かずにはいられなかった。
ピクリと由奈ちゃんが再び動いた。たぶん由奈ちゃんも明るくて活発な感じの実憂ちゃんがお漏らしやおねしょだなんて考えて驚いたのだろう。
「えぇ!? あたし!? あたしがお漏らしとかおねしょなんてするわけないじゃん! これはうちの妹がおねしょ治らなくて使ってたやつで、妹が小5になったころにようやく治ったから余ってるやつを持ってきたんだよ。というか、去年の林間学校で心美はあたしと同じ部屋だったんだから知ってるだろ?? 夜中に野球拳やっててあたしがパンツだったの覚えてるだろ?? あ~あ、あの時は惜しかったなぁ、もう少しで心美のあられもない姿を……。そういえば、あの時由奈は別の班だったんだよなぁ。今年の修学旅行こそ一緒になれるといいな!」
「う、うん…… だね!」
「やばっ、もうこんな時間じゃん。あたし門限があるんだよね。そろそろ帰らなきゃ。じゃあ明日公園の広場で衣装着て待ち合わせで!」
そういうと、あわただしいながらも二人は帰っていった。
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部屋に残された私、そして衣装とおむつ。こんなの私にどうしろと……
少し履いてみようか、いや履いてはダメだと葛藤する私。
もうかれこれ何分葛藤しているだろうか、たぶん10分は経った。
いてもたってもいられなくなり私は勢いでパンツを脱いだ。
右足、左足とおむつに足をゆっくり通す。パンツにはないかさかさとした音、肌触り。私は恐る恐るおむつを上へ上へと挙げていく。
それとともに上がっていく私の心拍数、そして呼吸の数。
とうとうおむつが下腹部を包み込む。あれ、意外と履けた……。そっかそういえば実憂ちゃんの妹……たしか、成美ちゃんって外部のバスケグループに入ってて実憂ちゃんより身長が高かったんだっけ。それにしてもおむつってふかふかでどこか懐かしいような子の感覚……
悪くはないけど……… やっぱり恥ずかしい!!
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~~ちょうどそのころ実憂ちゃんは~~
「実憂~帰ってきたらそのままお風呂入っちゃいなさい~」
「は~い。」
あたしは即座にお風呂場に向かい、ちゃっちゃと服を脱ぎ、掛け湯をして足を湯船に浸した。
「ふぅぅぅ……おちつくぅぅぅぅ…… 無理かと思ったけどなんとか賛成をもらえてよかったぁ。
あの二人にもおむつの良さっていうのを味わってもらいたいんだけどなぁ。でもおもらしさせるのは気が引けるし、ちょっと履いてもらえるだけで満足満足……。それにしても由奈がOKして呉れるだなんてちょっと意外だったなぁ。心美は相変わらずの反応だったけどっ」
思わず思い出して笑いがこぼれてしまう。
ー-ガラガラガラッーー
突然お風呂の扉が開く。
「お、お姉ちゃん。お母さんに私も入っちゃえって言われちゃった。私がお姉ちゃんの背中流してあげるね」
「おっ、頼む~」
あたしはすぐに椅子に座り、なるに背中を向けた。んん……なるのほうが背が高いせいでこうしてるとあたしが妹みたいじゃん…… ちょっと恥ずかしいかも……
「お姉ちゃん、肩もちっちゃくて、腕も細くて胸も……お姉ちゃんが私の妹みたいだねっ」
「なっ、なる!! そうかもしれないけどそういうのは言っちゃいけないお約束!!」
「ねぇお姉ちゃん」
えっ、急にトーンが変わった。なになに、あたし何言われるの……? もしかして姉妹の禁断の……
「私の昔使ってたおむつ5枚とったでしょ」
「えっ、き、気のせいでしょ。で、でも3枚は取った! 明日のハロウィン会で心美と由奈とキューピッドのコスするときに使うからさ~。え、とっちゃダメだった??」
依然として真剣な面持ちのなる。私の心臓はお風呂の熱気か緊張かでドキドキしていた。
「私フリマアプリで余ったおむつ売ろうと思ってかぞえてたしちゃんと写真も撮ってるから嘘ついても無駄だよお姉ちゃん。それに、こんな写真もあるんだよね……」
なるはお風呂の扉を少し開け、洗濯機の上に置いてあった携帯を浴室に持ち込み操作する。
見せられた写真は、見ているだけで頬が赤くなるような写真ばっかりだった。
あたしがおむつに足を通している写真、おむつにおしっこをしている写真、タプタプになったおむつのサイドを破っている写真、下半身は裸のままでおむつをくるくるまるめてテープを止めている写真……
「マm、お母さんには内緒にしてて…… お願…い……」
気が付けば恥ずかしさであたしの目には涙がたまっていた。
「ごめんねお姉ちゃん泣かせるつもりはなかったんだけどさ……
でもこんどお姉ちゃんが私の妹になったふりをしてくれたら許してあげる。」
あたしはなるに頭を撫でられ、すすり泣きながらこくりと頷いた。
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翌日
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昨日実憂ちゃんにおむつを見せられた時は全く乗り気じゃなかったのに気が付けば私は今日、この時間がなぜだか楽しみになっていた。真っ白な羽を真っ白なワンピースに安全ピンでとめて、それを着る。そして最後の仕上げと言わんばかりに、私はまだ真っ白なおむつに足を通した。
かさかさと音を立てながらも私は集合場所へと向かう。
「心美ちゃ~~ん!!」
手を振りながら笑顔を見せ私のほうへ駆け寄ってくるのは由奈ちゃんだった。
「由奈ちゃ~~~ん!!! あれ、私遅れちゃったと思ったんだけど今日も実憂ちゃんが遅いのかぁ」
「まったくぅ、実憂ちゃんは時間まもらなさすぎるよぉ……」
相変わらずそういいながら由奈ちゃんは頬を膨らませるのであった。
「ごめんごめん、遅れちゃった~。いこいこ~」
それから私たちは商店街や友達の家などを周りながら楽しんだ。
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だが、もうすぐ夜も深くなってきて町内ハロウィン会もお開きの放送が流れるだろうというときに事件は起きた。
私たちは何週目かもうわからないが商店街を歩いていた。この商店街はかなり古くからあるみたいで一部の照明は電気が付いたり消えたりしている。それに伴い明るくなったり暗くなったりしていた。
「ちょっと、不気味だね……」
「う、うん。」
「えぇ~、二人ともこんなのが怖いのぉ?? あたしがいれば大丈夫だって!!」
その時だった。
「「わー--!!!!」」
商店街にある店と店の隙間から何かがぱっと私たちの前に現れる。
現れたのはゾンビメイクをしたクラスの男子たちだった。
しかし突然のことにびっくりして私は体をピクリと硬直させる。
その瞬間だったちょろっと感じてはいけない感覚が下腹部に。
ー-しゅぅぅぅぅぅぅ……ー-
だ、だめ、びっくりしておしっこが止めれない……
オムツの中でおしっこが渦巻いてどんどんと温まっていく。それに膨らんでずっしりしていく感覚が伝わ……。
あれ、なんだろ。周りが……
ハッ
依然として体は硬直しておしっこは止まらないままだったが、周りが騒がしいことに気が付いた。
ー-ぴちゃぴちゃぴちゃー-
何かの水滴が地面に落ちる音が聞こえる。えっ、私? おむつからもれた?? ううん。それはない。何が変?。
由奈ちゃんが泣いてるんだ。
私はとっさに由奈ちゃんのことを見た。このころようやく私のおしっこは止まりかけていた。
由奈ちゃんの足元にはちかちかと点滅する街灯に照らされて光を反射する黄色い水たまりが、それに由奈ちゃんのワンピースの前部分はところどころが黄色いしみになっていた。あれ、なんで、由奈ちゃんはおむつを履いてなかったの…??
そう私が疑問に思った時だった。ぽとっという音が地面から聞こえる。目線を向けると私たちが今日はいてきていたおむつだった。中は黄色くジュクジュクでたぷたぷだった。
「ヒッ、ヒッ……いつもの……なら…大丈夫…だったのに……」
私はその言葉を聞き逃さなかった。けど今聞くのは違うかなと思った。
「と、とりあえず、この近くのトイレまで行こ! 大丈夫大丈夫。」
私は自分もおむつにお漏らししているのにも関わらず、由奈ちゃんを介抱するかのようにした。
気が付けばその場からさっきの男子はいなくなってしまっていた。実憂ちゃんが追っ払ったのだろうか…
それから私たちはトイレへとついた。由奈ちゃんが個室は怖いからと言い3人で多目的トイレにいるという状況だ。相変わらず由奈ちゃんはすすり泣いていて、言葉をまともに発せないようす。
ここは私がどうにかするしか……
「あ、あのね……実は私もお漏らししちゃってたんだ。」
私はまだ真っ白なワンピースをめくりすっかり膨らんでしまったおむつを2人に見せた。
由奈ちゃんが目を丸くさせ私のおむつ姿をじっと見つめる。
「なっ、心美ずるーい。あたしが先に見せようと思ってたのに。まああたしはさっきのじゃなくてもうちょっと前に出しちゃってたんだけどね!」
そういう実憂ちゃんもワンピースをたくし上げ由奈ちゃんに見せた。
「二人とも、ありがと…… 実は。今まで言ってなかったんだけどね、私、緊張とか驚いたりとかしちゃうとおなかにきゅっと力が入っちゃって、お漏らししちゃうの……それにおねしょも治ったことなかったし……。だからいつもオムツ履いてるんだけど、いつものはあれより一回り小さいサイズで緩くって……、今日はもしおむつが見えちゃって渡してもらったのと違うの履いてるってばれたら……」
「うんうん、大丈夫、大丈夫」
私は再び泣き出してしまいそうな由奈ちゃんの頭をなでながらそう言った。
「えっ、じゃあ由奈が去年の林間学校一緒の部屋になれなかったのってそれが理由??」
「うん。おむつばれるのが恥ずかしかったから、他のおねしょが心配な子と同じ部屋にしてもらってたの…… ごめんね……」
「謝ることないって! じゃあさ、もう秘密はあたしたちに知れ渡ったってことなんだし、今年の修学旅行は同じ部屋になれるんじゃないのか!?」
「うん!!! 一緒の部屋になりたい!!!」
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そうして小学校最後のハロウィンは幕を閉じた。私たちが修学旅行に行った時のお話はまた次の機会に……
ーおしまいー