natural【形】【自然の】であいうえお小説
natural【形】【自然の】であいうえお小説
nowadays【副】【近ごろは】:近ごろは好きなことをしている子供達が増えてきた。きっと、それは大人たちが自身の心を満たすことをやっているからだろう。直之はそれをみて、ため息が出た。直之の視線の先には公園があり、そこでは子供達が自由に好き勝手にでも、楽しく遊んでいる。
(いいなぁ……)
それを見て、羨ましく感じ、
amiable【形】【心地よく】心地よくも感じる。だが、それと同時に、その様に出来ていない自分に嫌気がさす。
(なんで、オレは……)
自由な子供達を見て、オレは落胆している。
(自由に出来ないんだ……。そもそも自由って何だっけ……)
自分で答えを導き出せない時点で自身が疲れているのは良く自覚している。だからなのか、今日は、仕事をさぼり、こうして、家の近くにある公園に来ている。
こうして、ただ、立っているだけで暑さを感じるのに、ここから動けない。
(もう、何もしたくない……)
直之が、何度目かわからないため息をついた時、声が聞こえた。
「之、何してるの。こんなところで」
直之の事を“之”と呼ぶのは1人しかいない。直之の彼女である、佳珠恵だけだ。振り向かなくても解る事だけど、直之は振り向き、佳珠恵の顔を見た。
いや、佳珠恵を見たかった。
佳珠恵の顔を。
「今日、仕事じゃなかった? さぼったの?」
そう言って、直之の頬に
touch【動】【触れる】:触れるその手は、心地よい温かさで安心する。そして、直之が喋らずとも、佳珠恵が勝手に直之の心を代弁するように喋り始める。本来なら
unpleasant【形】【不愉快な】:不愉快な感覚になるはずなのに、的確に直之の気持ちを表現していく佳珠恵を見ていると、清々しくも感じる。
(よく見てるなー、オレの事……)
「彼女ですから」
自信たっぷりに言うその言葉に驚く。
「オレ、声に出してた?」
「顔に出てた」
「そっか……」
直之の返答を聞き、佳珠恵が一息ついてから、直之の目をジッと見つめこういった。
「之はねぇ、もっと緩んだ方がいいよ。私みたいに」
そう言う、佳珠恵は自信満々な表情だ。確かに、その通りで、直之は、
rigid【形】【融通が利かない】:融通が利かない奴だ。だから、仕事をしていても、ストレスばかり、感じてしまい、それがこうして爆発してしまうから、今の現状だ。佳珠恵みたいに緩く生きることが出来たら、毎日、キチンと会社に
attend【動】【通う】:通う事が出来ているハズだ。
「あっ、勘違いしないで欲しいんだけど、私だって、之と出会う前は之と同じ様な感じだったからね」
「えっ、そうなの?」
「そうだよ」
肯定される言葉を聞いて驚いた。
「じゃあ、どうしたんだ、佳珠は」
「私ね、気が付いたの。そうになる時って、だいたいが自分の事を信じられてないんだよ。だから、私は自分の事を信頼してみたの。自分には何でもできるんだって。そうしたら、こんなに緩くても生きていけるようになったの」
その言葉を聞いて、直之は納得していた。直之は周りの事ばかりを気にして、自分に
limit【名】【制限】:制限をかけていた。あれはダメ。これもダメ。確かにそうだ。周りに合わせていたら、自分の事を制限していく、そんな事ばかりしていたら、自分が自分でなくなる。
「だから、私は、最初の内は少しずつだけど、自分と向き合って、自分を満たしていったの。自分の本音を。最初はなかなかできなかったけど、そんな自分も認めた。そうして、少しずつ、自分の事を満たしていったら、こんなに緩くても生きていけるようになってた」
夢物語の様に聞こえるが、佳珠恵が証明してくれているのだから、本当なんだろう。
「オレもやってみる」
「大丈夫、之にも出来るよ。少しずつでいいんだから」
「ありがとう」
「それじゃあ、公園の中にあるベンチに座ろう。あそこは日陰だし。ここよりは涼しいよ」
佳珠恵と共に、ベンチに座る。先程までとは気分が違う。子供達を見ていて、なんだか少しだけウキウキするのを感じる。
「佳珠……、いつもサンキュー」
その言葉はいつもより、深く佳珠恵に感謝を伝えられた気がする言葉だった。
読んで頂きありがとうございました。