77話 俺の前世は名探偵です!
昨日(11/21)から投稿を再開しました!
ざっくり第3章のあらすじを76話に書いてるので、未読の方はそちらから!
「まさか!? 謎の魚雷天使美幼女転校生!?」
「ギョライ? テンコーセイ?」
魚雷天使美幼女転校生は首を傾げているが、俺は完全に思い出した。アンナイシーノさんから激励していただいた後、冒険者ギルドに向かおうとしていた俺は、猛スピードでコーナーを攻めてきたこの金髪天使ロリとぶつかったのだ。
「なんだ、安倍晴明は既に会っていたのか!」
「会ったというか……事故に遭ったというか……」
それからいろんなイベントが起こったために忘れていたが、まさかこんな形で再会することになろうとは……。
「ハッハッハッ! ミカエル嬢と会話ができるとは! であれば、尚のこと安倍晴明が適任だ!」
「嫌な予感がする」
家康のことだから、どうせバカなことを言うに決まっているぜ。あからさまにめんどくさい顔をしてみるも、家康は全く気が付かずに言葉を続けた。
「ミカエル嬢をオマエに預けよう! オレもこれから忙しくなりそうでな! そのために今日は連れてきたのだ!」
やっぱりね。
前に会っているとはいえ、ほとんど初対面だぞ。そんな相手に知り合いの大事な娘を預けるとか、どう考えてもおかしいだろう。
「そうでしょうか? 現時点で会話が成立しているのは晴明さまだけですし、晴明さまと一緒ということは、モミジちゃんとも一緒ということです」
「安倍晴明はモミジの尻に敷かれているからな! 下手なことはできないだろう!」
なるほど。モミジは幼女とはいえしっかりしているし、ミカエル嬢と同性で同年代にも見える。むさ苦しい家康よりは馴染みやすいかもしれない。
別のゲームよりはマシだが、AFOもやはり男の方がプレイ人口は多いのだ。モミジとエイミーさんが基本メンバーである俺のパーティーなら、確かに安心できるかもしれない。それはそうなんだが……。
「俺に預けるというより、モミジに預けるってことでは?」
「そうとも言う!」
ジト目で聞く俺に、サムズアップして答える家康。こいつとは一度キチンと話し合った方が良さそうだ。もちろん拳で。
「ハッハッハッ! 受けてたとうではないか! 訓練場に行くぞ!」
「やらねえよ!」
これだから脳筋は困る。俺は冗談で言っただけなんだから、いちいち本気にしないで欲しい。
べ、べべ、べつにビビってなんかないんだからね! 身長2メートルの筋肉達磨が怖いとかそんなこと絶対にないんだからね! 勘違いしないでよね!
「だれにいっておるのじゃ」
「いつもの病気ですね」
エイミーさんが地味に酷いことを言っている。俺はイジメで身体的・精神的に追い詰められた状態であっても、健康診断ではオールAを取り続けた超健康体だぞ!
「うおっほん! ミカエル嬢、家康じゃなくて俺達と一緒で大丈夫か?」
俺が声をかけるも、当のミカエル嬢はボーっと無言で俺を見ているのみで、特に返事が返ってくることは無い。いまいち何を考えているのか分からない幼女だ。
うぅん、こんなまともにコミュニケーションが取れない状態で大丈夫だろうか?
「似てる」
「ん?」
俺が頭を悩ませていると、ミカエル嬢がよく分からないことを言い出した。似てるってなんだ?
「晴明サン、ミーの探している人、似てるデス」
ミーの探している人? こいつはルー●柴イズムの継承者か? ミーとトゥギャザーするのか?
それに探している人ってどういうことだ? 疑問が多すぎて渋滞を起こしているぞ? お盆の東名高速道路か?
「ミカエル嬢はこのゲームで人を探しているのだ! なんでも別のゲームでお世話になった人らしい!」
「ふむ。その捜し人と俺が似ていると?」
俺の問いに、コクリと頷くミカエル嬢。別のゲームでお世話になったからといって、わざわざAFOまで探しに来るとは……なかなかに気合が入っているな。あれ、なんだろう。急に寒気が。
「うむ、このクエストが終わったらでいい! 安倍晴明も探すのを手伝ってやってくれ! 報酬は『チーム葵の紋』から出そうじゃないか!」
「なんだよ急に……う~ん、この後はメインクエスト進めたいしなぁ」
俺だって他のプレイヤーよろしく、メインクエストを進めていきたいのだ。次のメインクエストは、『メインクエスト:王都アルヒドのギルド本部で依頼を受けてみよう!』というもの。その名の通り、この冒険者ギルド本部で特定のクエストを受注し、クリアするだけで達成できる簡単なクエストだ。
ミカエル嬢を助けたい気持ちはあるが、さすがにこれ以上の寄り道はしたくない。ロブハンメンバーが合流すれば、そっちのレベル上げを手伝うことになるだろうし、メインクエストを進められないことが目に見えているからな。やはり断るしか……。
「報酬は10万Gの予定だ!」
「俺の前世は名探偵です!」
10万Gなんて、そんなの見逃せるはずがない。そんな大金があれば防具の新調だってできるし、その上でポーション類の大人買いをしたって余りあるじゃないか!
人探しなんてMMORPGでまともにしたことないが、このゲームもリリースされたばかり。ほとんどのプレイヤーは『王都アルヒド』か『はじまりの町』にいるはずだ。運が良ければすぐに見つけ出すこともできるだろう。
「ギルドを通して依頼を発注しておく! 委細頼んだぞ子系子!」
「了解しました」
しばらく子系子がウィンドウを操作するのを眺めていると、俺の目の前に見慣れたポップが表示された。ここら辺はプレイヤー発注でも普通のクエストと同じらしい。
【『個人依頼クエスト:ミカエルの捜し人』が発注されました】
【期限:無期限】
【依頼者:チーム葵の紋】
【報酬:100000G】
【『個人依頼クエスト:ミカエルの捜し人』を受注しました】
特に期限もないし、あとでアルヒド観光のついでに探せばいいか。ロリータの頼みということで、ロリ協のメンバーに協力を依頼するのもアリだ。数秒で見つかりそう。
「ちなみに、ミカエル嬢が探してるのってどんな人なんだ?」
「おもしろい、バカ、マザコン、HENTAI」
とりあえず情報を聞いておこうと思ったら、やはり日本語が不自由なのか、よく分からない単語の羅列で帰ってきた。
面白くてバカでマザコンで変態か。なかなかにファンキーな奴だな。もしかして騙されたりしていないか? 変な宗教とかじゃないよね?
「ミー、助けた。いいひと、やさしいデス。とても会いたい、デス」
ミカエル嬢は嬉しそうな顔でふにゃりと笑った。大きな瞳を細めて子供のように笑うミカエル嬢は、まさに天使のようなかわいらしさだ。これがエンジェルスマイルってヤツか。
しかし、人見知りのミカエル嬢がこんな顔をするとは、探している人とやらは相当の人物らしい。
「ちなみに、その人の名前は――」
「ふあぁ……」
ミカエル嬢への聞き込みを続けようとしたところで、眠そうな欠伸が聞こえてきた。満腹で眠っていたリアンちゃんが起きたようだ。
「……まずはリアンちゃんのクエストだな」
家康もミカエル嬢をクエストに連れていくと言っていたし、そんなに急いでいる訳でもないのだろう。ポチの捜索は期限付きだし、早く見つけてリアンちゃんを安心させてあげたい。
「よし、行くか!」
いざ、パプリコ村へ!
「私は本部で専属受付嬢の講習を受けます」
エイミーさんは残るようだ。まあ戦闘力がないし、今後もエイミーさんはギルドで待機してもらうことになるだろう。ちょっとだけ寂しい。
「浮気したらダメですからね?」
俺とエイミーさんは付き合ってるわけでもないし、浮気ってなんだろう。他の受付嬢でクエストを受注するなってことかな?
とりあえず頷いておくと、満足げな顔をしてエイミーさんはギルドカウンターの方へと歩いて行った。エイミーさんは相変わらず、よく分からない。
「安倍晴明、何をボーっとしている! 行くぞ!」
「家康さま、リーダーは晴明さまですよ!?」
俺に付いてこいとばかりに外へと歩き去っていく家康と、文句を言いながらその後ろをトコトコと歩いていく子系子。
「……」
「……」
無言で俺を見上げるミカエル嬢とリアンちゃん。
「なんとも、ふあんなパーティーなのじゃ」
……まったくもって、モミジに同意です。
たくさんの人に「待ってた」とか「おかえり」って言ってもらえて本当に嬉しかったです;ω;
しかも、投稿再開をして1日で日間ランキングに浮上できました!!!
応援してくださって本当にありがとうございます(;人;)
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