70話 必殺! おっぱい万力!
「まあ、いいさ。よくきたね」
立ち上がったビキニアーマーさんは、俺と同じくらいの身長で女性にしてはかなり大きい。本部長というから、ジャンみたいな老人を想像していたが、年齢は20代後半から30代前半ほどに見える。
意志の強そうな赤い瞳とニヒルに歪ませた口元は、ギルドのお偉いさんというよりも、傭兵団の団長といった野性味を感じた。タバコとかくわえてたら様になりそうだ。
そして着目すべきは、ビキニアーマーという装備だろう。その名前が冠するままに、防御する部分は水着のビキニと変わらないという、防御力という言葉に真正面から喧嘩を売っている設計。これはある意味で、攻撃を受けないという自信の表われかもしれない。
なにより胸部を守るビキニから零れそうになっている巨乳! あれは犯罪ですよ!
推定でもFカップはくだらないその巨大な霊峰を、この女性はデンと張り、むしろ堂々と見せつけてきている。ここまで自信満々であれば、見ない方が不作法というものだろう。
「なんだガキ? アンタ、おっぱいが好きなのかい? それならもっと近くで見な!」
ズンズン近づいてきて俺の頭をガシリと鷲掴み、自分の谷間へと押し付ける女性。な、なんだコイツは!? 恥じらいというものがないのか!?
しかし、これまたエイミーさんのエベレストとは違った感触だ。ドデンと存在感を放つFUJIYAMAは、まるでゴムボールのように強いハリと弾力がある。ググッと押さえつけられた顔を包み込みながらも、両側から万力のように締め上げてくるのだ。
お、おっぱいで……圧死する……!?
「……なにしているんですか、アマンダさん」
俺がおっぱい万力でペチャンコになる寸前で、後ろからエイミーさんが女性に声をかけた。
その声を聞いた女性は、ハッ! とした表情になってから、掴んでいた俺をポイと投げ捨てて……。
「エイミーじゃねぇか! ちゃんとデカくなってんなぁ! おい!」
今度はエイミーさんに標的を変え、おっぱい万力攻撃がはじまった!
巨乳が巨乳に埋もれるという、世にも珍しい光景。俺は無言でスクリーンショットを撮り続けた。
「うぼぼぼ、ア、アマンダさん! 苦しいですよ!」
「お? おお、すまないねぇ! 久しぶりだったんで、ついな!」
解放されたエイミーさんは、必死に喘ぎながら呼吸を整えている。あの短時間で人を呼吸困難に陥れるとは、恐ろしきおっぱい万力。
「アマンダさん、でいいんですか? エイミーさんとお知り合いで?」
「そうさ! アタイがこの『アルヒド王国本部』の本部長、アマンダ・インスティンだ!」
「支部長と旅をしている時に、アマンダさんにはお世話になったんです……」
なぜか苦い表情のエイミーさん。なんだか事情がありそうだが、これは突っ込まない方がよさそうだ。アマンダさんの雰囲気からして、めんどくさい予感しかしない。
しかし、この部屋にいる時点で分かっていたが、やはりこのビキニアーマーンダさんが本部長らしい。ビキニアーマーっていうだけでも変わっているのに、あまりにも執務室という場所にアンマッチすぎる。TPOって言葉知ってる?
「常在戦場! いつここが戦場になるか分からないからね。アタイはいつも勝負服なのさ」
「そうなんですね~」
考えはとても立派だった。でもビキニアーマーだったら、着ても着ていなくても変わらない気がする。なんてたって防御面積が狭すぎるもん。
「ゴチャゴチャと独り言の多いガキだね。それと敬語はやめな! アタイもガキも同じ冒険者! そこに上も下もねぇだろ!」
「オッケー、アマンダ」
かなり破天荒だが、言っていることはマトモな気がしてきた。俺も敬語は苦手だし、タメ口でいいというならそっちの方が楽だ。なんだかノリが合う気がする。
「アンタみたいな乳臭いガキに呼び捨てにされる筋合いはないよ! アタイを呼ぶ時は、『本部長』か『姉御』とでも呼びな!」
「へい! 姉御!」
前言撤回だ。マトモな思考回路してないよこのビキニアーマー。姉御とかカタギの呼び方じゃないだろう。やはりヤバイ人かもしれない。
「いい返事だね、ガキ。ほら、サービスだ。ちょっとくらいなら触ってもいいよ」
「一生ついていきます姉御!」
前言撤回の前言撤回だ! アマンダの姉御は世界一の常識人で、マトモな思考回路を持った素晴らしい女性です!
俺の手を潰すような力で握り、自分の胸へと導く姉御。なんだよこのビッチ本部長は! 最高じゃないか! 将来はここに就職しようかな!?
「アマンダさん! そろそろ本題に入りませんか!?」
俺の手が谷間へと落ちていく直前で、またもやエイミーさんが後から声をかけてきた。
「晴明さん、どうしてそんなに睨むんですか……」
「エイミー、このヘンタイをきにしてもしかたないのじゃ」
チクショウ……チクショウ……!
姉御も既に俺の手を放して、「そうだな!」と言いながら自分の椅子へと戻っていってしまった。もう少しで……FUJIYAMAエロダイビングが為されたというのに!
「あ、あの、そんなに触りたいのなら、私の――」
「晴明! ほれ、さっさとホーコクをすませてクエストにいくのじゃ!」
確かにモミジの言う通りだ。せっかくアルヒドに来たのだから、さっさと済ませて新しいクエストを漁りたい。クエストを頑張れば、姉御も褒めてくれるかもしれない。姉御の気分が乗れば、今度こそおっぱいを触らせてくれるかもしれない。
出会って数分で調教されている気もするが、俺のプライドとおっぱいならば、おっぱいの方が断然カーストが上だ。おっぱいが触れるなら、俺はいくらだって尻尾を振るぜ!
「姉御! まず、なにから話しやしょう?」
「ぶぅ……」
エイミーさんが俺を見つめて膨れているが、よく分からないからスルーだ。
どうやら椅子とかを勧めてくれるわけじゃないらしい。俺は姉御の前に直立不動で立ち、谷間を覗きながらお伺いを立てた。
「そうさねぇ……じゃあ、まずは1匹目のユニークモンスターの話からしてもらおうじゃないか」
……耳が早いッスね、姉御。
ジャンル別月間ランキングで14位になりました(*´ω`*)
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次回は木曜日更新予定!!




