69話 室内でビキニアーマーは痴女だろう!
「安倍晴明様、モミジ様、それにエイミー。本部長がお呼びです。執務室まで案内いたしますので、付いてきてくださいませ」
「分かりました」
「のじゃ!」
「うぅっ、やっぱり私も行かなきゃダメですか……」
冒険者ギルドに入った俺達を待っていたのは、エイミーさんと同じ制服を着た受付嬢だった。
黒髪を真ん中でキッチリと分け、丸眼鏡をかけたTHEキャリアウーマンな風情の女性は、チラリと俺達を確認してすぐに背中を向けて歩いていく。
エイミーさんと同じ受付嬢とは思えないほど、できる女って感じだな。
「……どういう意味ですか?」
おっと、隣にいたエイミーさんに聞かれてしまったようだ。最初はエイミーさんも「仕事できる女です」って顔をしていたが、いつのまにかドジっ娘属性が付与され、さらにはラッキースケベ要員にまでクラスチェンジしてしまったからなぁ。
「そ、それは晴明さんが……もう! 知りません!」
エイミーさんは肩を怒らせ、先に歩いて行ってしまった。とてもプリプリしている。
「いつまでもエイミーのおしりをみてないで、わらわたちもいくのじゃ」
「み、みみ、見てないやい!」
プリプリ怒って歩くエイミーさんのプリプリ揺れるお尻なんて見てないぞ! 本当だからな!
あからさまに大きな溜息をつき、やれやれと歩いていくモミジに続いて、俺も冒険者ギルドの奥へと向かうことにした。
『冒険者ギルド アルヒド王国本部』は、本部というだけあって、『はじまりの町』にあった冒険者ギルドとは規模がまるで違う。建物の外観からして、潰れた酒場をリノベーションしたのかと疑うレベルの『はじまりの町支部』と比べて、『アルヒド王国本部』は闘技場のような巨大な作りだ。
真ん中に大きな訓練場が配置されており、その周りに冒険者用の施設がそれぞれ建てられているらしい。買い取りやクエストの受注で使うカウンターはもちろん、簡易的な道具屋や防具屋、さらには酒場や宿屋に至るまで、この建物の中でほとんど完結する設計になっている。
「ひとつのたてものに、いろいろあるのじゃ!」
「もはやここに住めそうだな」
いま向かっているギルド本部長の執務室は、どうやら一番奥にあるらしい。酒場で昼から飲んだくれているプレイヤーの集団や、防具屋でウンウン唸っているプレイヤー、クエストカウンターでギャンギャン騒いでいるプレイヤー等を横目にズンズン奥へと進んでいっている。
迷路のように入り組んだ通路を進み、階段を3つ上がってさらに進む……もはや自分がどこにいるのか分からないし、絶対に一人では帰れないなと恐怖を覚え始めた頃、ようやく先導していたキャリアウーマンさんが一つの扉の前で立ち止まった。
「中で本部長がお待ちですので、どうぞ」
そう言って扉の端に避けるキャリアウーマンさん。しばらく誰かが明けるのを待っていたが、エイミーさんとモミジから「いや、お前が開けろよ」という視線が飛んできたため、仕方なくドアノブに手をかける。こういうのって緊張するからイヤなんだよな。
「いざ――安倍晴明! 失礼つかまつる!」
俺なりの挨拶をしながら、一気にドアを開ける。
執務室の中に足を踏み入れると、ふんわりと柔らかい絨毯に出迎えられた。天井にはシャンデリアがかかり、備え付けてある家具もすべて高級感あふれるモノばかり。ワインセラーのようなものまであって、執務室というより貴族邸の一室といった感じだ。
しかし更に周りを見ていくと、壁には雄々しいドラゴンの羽ばたく姿が描かれた絵画が掛けられ、その横には武骨な大剣が剥き出しのまま飾られていたりする。さらに横には歴代のギルド本部長と思われる、イカツイ顔をした壮年の男性が描かれた肖像画の列。
一見すると成金貴族だが、細かく見ていくと武闘派貴族……そんなカオスな部屋が、『冒険者ギルド アルヒド王国本部』のトップが待ち受けている執務室という場所であった。ちょっと趣味悪くない?
「威勢のいいガキじゃねぇか。遅れたクセに態度もデカい」
俺が部屋の奇妙さに圧倒されていると、一番奥に置かれた豪華な椅子から、男性とも女性ともとれるハスキーな声が飛んできた。椅子は背中がコチラを向いており、喋っている相手が男性か女性か判別できない。
「アンタが噂の安倍晴明かい……ハンッ! まだ乳離れもできていねぇようなベイビーじゃないか!」
クルリと椅子が回転し、姿を見せたのは……室内でビキニアーマーを着た綺麗な女性だった!
木曜日更新のつもりでしたが、テンション上がって書けたんで更新!
ジャンル別月間ランキングで14位になりました(*´ω`*)
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明日も更新予定です!
もしかしたら昼の12時かも?




