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聖女予備として召喚されましたが、何か?

作者: 陽葵

思いついたまま書き上げたものです。

本当ならもっと練った方が良かったのかもしれませんが、勉強と思って投稿しました。

宜しくお願いします。

私はある日、召喚された。

前触れもなく突然に……



私は詩絵里しえり

しがない大学生である。



その日は大学の授業が午後から休校になり、大学にいる用事もないのでウィンドウショッピングでもしようと繁華街に出かけた。

思わず取れた自由時間に気分はウキウキ。

どう時間を過ごそうかとあれこれ考えていた。



噂のスウィーツのお店やら雑貨店やら

女の子なら考えるあれこれを思い描きながら

歩くリズムは軽やかになっていった。



自業自得とはいえ勉学に厳しく

自由時間がほぼ無くなるくらい課題が出される

恐ろしくお堅い名門大学に入学した反動である。



浮かれていたと思う。

普段ならあんな罠みたいなものにハマらないのに。

素早く逃れられたはず。

まだ何も遊んでなくて向かう途中で召喚された。



それも私ひとりじゃなく、近くを歩いていた出勤途中のキャバ嬢を巻き込んで。



まだお昼過ぎなのに……

なんて考えながらチラッと眺めていた。

夜の蝶と揶揄されるけど昼間は派手なお姉さんにしか見えない。

ちょっと違和感バリバリ。



と、考え事しながら歩いていると当然足元に巨大な光の輪が現れ

えっ?と思っているうちに光は眩しさを増し、目を開けていられないほどの輝きになった。

ハレーションみたいに真っ白な光に包まれて一瞬の浮遊感を体験した。

ほんの一瞬だけど周りの空気が変わるというか

透明な壁をすり抜けるような感覚がした。



光がだんだん落ち着いて何も見えなかった視力が戻ってきた。

ショボショボする目を擦り、ふと気がつくと見知らぬ石造りの部屋の中にいた。

部屋というわりには大きすぎ、ホールと言った方がいいだろうか?

小中学校の体育館みたいに高さ広さがあり薄暗い。

夜なのかな?

壁の少し高いところを等間隔にぼうっとした照明が付いている。

ガス燈のように儚くて、でもしっかりした明るさを保っていて電灯ではないと素人目にもわかる。

まるで自ら発光しているようだ。



ふと斜め前に影が蠢いてびくっとしてしまった。

否、影ではなく女性……



「おお、二人も召喚された!」


「聖女様がお二人とは!」


「召喚術は大成功だ!」



白いフードを被った白装束の人々が叫んでいる。

興奮気味に腕を振り回して。

正に嬉しさで走り回りそうな勢いだ。

なかには涙を流しながら抱き合っている人もいる。



大きな歓声にビビりながら私を囲んでいる外野を観察する。

ほとんどが白装束、ローブ、法衣といえばいいのか

神官や聖職者のような人たちや

軍服みたいなコートを着て腰に剣を下げている兵士に囲まれていた。



それも通り過ぎたはずのキャバ嬢と一緒に……



「えっ?ここ何処よ! 私、出勤しなきゃいけないのに! 同伴の約束があるのよ!」



どうやらキャバ嬢のお姉さんは同伴相手と約束して出勤する予定だったようだ。

同伴者はお気に入りの方なのか、かなり気にしている。

ここは異世界の様だけど、お姉さんはそんなことには気づいてもいない。

本来ならそこを気にするんじゃない?

と一人ツッコミをしてみる。



私はというと、驚きはあまりないみたいだ。

自分自身の分析をしてみる。

うん、冷静だね。

大丈夫、パニック起こしてない。

それより状況把握だ。

黙って周りを観察する。



「聖女は何処だ?」



カツカツと足音が響く。

声や歩く音から男性と思われる。



「おお、貴女が聖女様ですか!」


「ええっ?」



突然に現れたのは金髪碧眼の男性。

おとぎ話に出てくる正に王子様の様な美丈夫。

完璧な容姿の持ち主だ。



「何と麗しい女性だ。ようこそ聖女様。私はこのザカライア王国の第一王子クリストファーと申します。貴女のお名前をお聞かせ頂けませんか?」



王子は突然跪き、キャバ嬢の手を取り甲に口づけをした。

あれは確か中世ヨーロッパで始まった淑女に対する騎士の礼だったと思ったけど。



「あ、あの……」



キャバ嬢のお姉さんは戸惑っていた。

それもそうだ。

いきなり美青年に声をかけられて、舞い上がってしまうのはわかる。



「聖女様、お名前を」


「あ……レ、レイラといいます……」


「レイラ姫!お名前まで素晴らしい!さあ、こちらへ。このような場所は貴女には似合わない。相応しい部屋へご案内しましょう」


「ひ、ひめぇ~? きゃあぁぁぁ~!」



キャバ嬢のお姉さんはわざとらしい悲鳴をあげてる。

ちなみに『レイラ』って源氏名かしら?



そんな彼女を甘く笑いながら手を取り背中に手を添えて王子はずんずんと歩き出す。

王子のそばには護衛だろうか?

騎士らしき人が数名いるけど無言で後に続き行ってしまった。



あのーー

私も一緒にいるんですけど!

なんて言わない。



だって王子には私が見えていないのか

はたまた見えない振りという無視か

見目の良い方を意図的に選んだのか

定かではないがどうでもいい。



それより床の魔方陣が気になった。



ちょうどゲームアプリやラノベなど友人と夢中になっている最中だっので、『マジ本当!?』などと呑気に考えていた。

本当に異世界召喚だよね?

テンション上々。

ただしドッキリカメラじゃないといいけどと現実的な気持ちもあった。



「聖女様、申し訳ございません!」


「へっ?」


「我が国の王子でありながら、同じように召喚された貴女様を蔑ろにするとは!」



何も言わず一人世界に入り浸っていた私は突然声をかけられてビビった。



振り向くと頭ツルツルの厳ついおじ様が苦虫を噛み潰したような顔を此方に向けている。

本当にすまなさそうな表情で……



この人はお偉いさんかな?

私を最初から見てくれていたようだ。

すると



「貴方がそこまで頭を下げなくても良いですよ」



また別の声がした。

おじさんよりはかなり若い男性の声。



近づいてきた人はフードをずらして顔を見せた。

それも二人。

同じ顔が並ぶ。

双子?!



「はじめまして、聖女様。私たちは貴女様を召喚した神官です」



銀色の髪に一人は藍、もう一人は翡翠の瞳をした

まだ少年のあどけなさを残した青年がいた。

こちらも王子に負けないくらいの美形でキラキラ輝いて目が潰れそう。



「私たちは見てわかるように双子です」


「二人の魔力が容量、性質、バランスなど似通っていたため召喚に成功しました」


「「私たちは貴女様に忠誠を、そして誠心誠意を込めてお仕えいたします」」



土下座ではないけど頭を下げ跪き誓う。

それに倣いおじさんや他の神官たちも跪く。



「ここは本当に何処なんですか?」



私は召喚されて初めて喋った。




















召喚の間から場所を移して今は落ち着いた色合いで統一された応接室にいる。

華美ではないけど上質な家具が設えてあるのをみると、かなり上位の神殿みたいだ。

もしかしたら中央神殿とか本神殿だろうか?



軽く身支度してから温かい飲み物をもらい飲んでいる。

この世界も紅茶があってお菓子も焼き菓子が並んでいた。

ああ、お茶が美味しい。

無自覚だったけど緊張していたらしい。

軽い疲労感を感じる。



先ほど私に忠誠を誓うと言った双子が目の前にいて当たり前のように私と一緒にお茶を飲んでいる。

本当によく似てる。

一緒なのは髪の色だけで目の色は違う。

それを除けば一対の彫像みたい。

藍色はクルト、翡翠色はラカスと名乗った。



あ……耳が少し尖っている

エルフ?

するとここはエルフの国?



「聖女様、私たちが気になりますか?」


「ふふふ、さっきから視線を物凄く感じますよ」



わーー

ガン見し過ぎた!

恥ずかしい~~



私は真っ赤になり居たたまれなくなった。

ふふっなんて軽く流し目されたら倒れる!



サラッとではあるけど恋愛経験はある。

でも元の世界のイケメンより遥か彼方ぐらい差がある異世界のイケメンには免疫力は皆無だ。

ムリムリ!

何気ない所作にしても私には破壊的に耐えられない!



ここはザカライア王国、人間の国。

双子はやはりエルフでガーシュウィンというエルフの国から召喚のために来たらしい。

この世界は多神教ではなくほぼ一神教。

『世界樹教団』が信仰されている。

名前の通り巨大な樹木が存在し、世界樹と呼ばれ、あらゆる面で世界を支えていた。



しかし近年、世界樹が弱ってきた。

ガーシュウィンの世界樹が主木で各国には子木と呼ばれる世界樹の分け木がある。

その全てが衰弱し、世界の循環が滞る現象が起きつつあった。



全ての世界樹を救うべく世界が立ち上がり一丸となって研究を重ねたが原因は不明のまま。

ただ時間が過ぎて行くばかり。

その間にも世界樹は少しずつ弱っていき、悪素が増加した。

悪素が増加するということは魔物発生が増加するということ。

あちこちの国で小規模のスタンビートが発生するようになった。

このままだと未曾有の災害が起こるのでは……と人々は恐怖した。



あらゆる方法を試してみても解決法は皆無。

そこで大昔の文献にあった聖女召喚の神話が注目された。



『召喚された聖女は世界樹を癒し、この世を楽園に変え人々を救った』



どこにでもあるベタな神話。

伝説ともいう、である。

異世界ゲームもののセオリーと言いましょうか、鉄板ですな。



眉唾ものだったが、人々は残された最後の希望として忘れ去られていた召喚術を完成させて儀式に臨んだ。

そして呼ばれたのがキャバ嬢と私。



「ここまでのお話は理解されたと思ってよろしいでしょうか?」


「全ての知識と言葉は不自由ないよう術式に組み込んでおきました」


「は、はい。知識については何となくわかります」


「そういえば聖女様のお名前をお伺いしていませんね。こちらの用件ばかりで申し訳ございません」


「あ……私はシエリと申します」


「シエリ様……こちらでは発音しにくいお名前ですね……ふむ」


「ではいっそシェリ様では? こちらの方が我が国に馴染みやすいお名前になる」


「うん、いいね。聖女様、シェリ様とお呼びすることをお許しいただけますか?」



双子は名案とばかりにシェリを押し付けてくる。

自分自身は名前に固執していないから、どっちでもいいんだけど……

詩絵里ってそんなに呼びにくいかしら?

それに双子め、言葉がだんだん砕けてきてるぞ。



話しは戻り、召喚は膨大な魔法力を有する。

つまり通常の人間では補えない魔法力が必要となる。

聖女はこの世界――

人間、亜人、エルフなど多種多様な種族の最後の希望。

独占は良くないと召喚は魔法力があるエルフが行い、場所提供は人間国。

儀式中にスタンビートが起こった場合の警護に亜人と適材適所で分担して事に当たったらしい。



でも召喚てカッコいいと思えるけど、裏返せば他力本願。

異世界バージョンの誘拐だよね?

コレってどうなるんだろう。

誰が責任とるの?

というか元の世界に帰れるの?



疑問を口に出すとそれはわからないと言われた。

召喚自体も大昔の話で成功するかどうかもわからなかった。

大昔に召喚された聖女のその後の記録も残っておらず不明。

召喚魔法も呼ぶだけの方法で帰還魔法は皆無。



これは困った……

腹を括らねばならないか?



「聖女様、気落ちさせるようなことで本当に申し訳ありません。しかし必ず方法を見つけます。それまでこの地を観光されたらどうでしょうか? 観光ついでに世界樹をお救いいだだいて……お楽しみ下さる。私たちはその間に帰還魔法を模索する。名案だと思いませんか?」



この双子、帰還魔法を調べるではなく模索って言ったよ。

おおう、わざとなのか?

きっとわざとだろう。

しかしその前にやることはやろうと思う。

せっかく異世界に来たんだもん。

楽しまなければ損だ!



と決まったら善は急げ!



「帰ることは後回しにして、聖女としてはどのようなことをすればいいのでしょうか? 具体的には?」


「ああ、それなら……ラカス、若木を持ってきて」


「わかった、クルト。用意するよ」



そう言って持ってきたものは挿し木だった。

それも世界樹の。

聖女の力を確認するために用意されたもので、これに力を吹き込んで欲しいと頼まれた。

力ってどうやればいいのか全然わからない。



「具体的な方法は不明です。ただ聖女の祈りが世界樹を癒したと文献にあります」


「曖昧ですが、どうかこの若木に祈っていただけませんか?」


「祈り……ですか?」


「「そうです。祈りです」」



双子よ、ハモって力強く言わなくてもいいんじゃない?

ま、取り敢えずやってみましょう。



私はテーブルに置かれた小さな挿し木に向かい合った。

若木と呼ばれたのはガーシュウィンにある世界樹本体から摘まれたもの。

風に吹かれたら飛んでいきそうに弱々しかった。



本当に小さくて弱っちいね、君は。

だったら、元気になるように祈ればいいのかな?

私は若木を包むように両手を出し、『元気になぁれ~』と気を与えるイメージで祈ってみた。

祈るというか心の中でエールを送るような感じで。



すると若木は一瞬プルプルと震え、ポポポンポンと葉が生え、背丈もさっきより二倍ほどになった。



「えっ! えええぇぇぇ~~~~??」


「「おお、やったぁ~~~!!」」



私は素っ頓狂な声を、双子は勝利の喜びを上げたのである。



そして若木は二倍に無事成長して腰をフリフリご満悦のようである。

なんかダンシングフラワーを見てるみたい。

危機感なくなって気が抜ける……

聖女の祈りってこんなんでいいのぉ?



良いそうです(双子に確認済)



疲れた……






























その後は初めて魔力を使った私の体調やら何やらを調べた。



確かに疲れたよ。

何やら体の中からごっそり持っていかれた感はある。

これが魔力なのだろうか?

でも聖女なら魔力量は無限大じゃなかったっけ?



「聖女は魔力量が膨大と記録に残っています。が、最初から魔法を使える訳ではありません」


「シェリ様の魔力量は規格外とわかりますが、魔法を学ばないと大きくなりません。使用することで徐々に増加していくのです」


「「私たちが手とり足とりお教えしますのでご心配なく」」



いやいや、力説しなくていいよ。

頬を染めて力まなくてもいいよ。

なんでそこが熱くなるわけ?

帰還魔法を真剣に調べて欲しいよ。



そこへ、あの頭ツルツルおじさんが顔を出す。

名前をフサツさんと仰るらしい。

このザカライア王国支部神殿の神官長だそうだ。

フサ2とはフサフサだね。

現状と名前がピッタリだった頃もあったのだろう。 

お茶目なおじ様だ。



「お待たせしました。第一王子に謁見して参りました」



あれ?

おじさんを見かけなかったのは王子様に会いに行っていたから?

あの私を空気扱いしたアウトオブ眼中の王子様だよね!



「それで第一王子は何と仰られましたか?」


「はあ、予想通りのお答えで……『本当の聖女は彼女だ。予備はガーシュウィンが好きにするといい』だそうです」


「予想通りだね。フサツ、ありがとう。手間かけたね」


「いやいや、お気遣いありがとうございます。しかしあの第一王子の対応は不愉快極まりない! あ……失礼しました。つい本音が……」


「気にしなくていいよ。お互い様だからね。こちらの聖女様を予備とはね~。毎回思うけど選民思想が強いね。世界樹に拒否されないといいけど……」


「ひっ! それだけはっ! この国が民が……」


「私は王族に対して言ったことだよ。国とは別。そう怖がらなくていいよ」


「………」


「冗談じゃない。でも国レベルは別だからね」



この双子、腹黒決定。

今後は気を付けよう……



「じゃあ、聖女様については第一王子のお墨付きだからわがガーシュウィンに来ていただこう」


「えっ、このザカライア王国で面倒みてくれるんじゃないんですか? 私ってプーちゃんなの?!」


「プーちゃんの意味はわかりませんが、貴女様はガーシュウィンでおもてなしいたしますのでご心配なく」


「そうです。主木である世界樹がある神聖な国です。貴女様に相応しい。気に入ってもらえると嬉しいですね」



はぁ?

ガーシュウィン行きは決定なわけ?

というか双子は最初から私をガーシュウィンへ連行しようと画策していんだ、きっと。

私、聖女予備らしいけどいいのか?




部屋の一画の空気が変わる。

フワァっと光が弾けた。

小さめの魔法陣が浮かび消えた。

人の姿が浮かび上がる。

どちら様でしょうか?



「「エリューシオン様!」」



双子の声が叫び重なる。



声の先には一人の男性。

こちらも壮絶な美貌の持ち主だった。

もうさっきから目が眩しくて直視できなくて潰れそうですよ!

キラキラオーラが半端ない。



突然現れた男性は転移魔法なるものでガーシュウィンからザカライア王国へ移動したらしい。

そんなに簡単に来てもいいの?

入国管理局とかないの?

出入り自由は無法国家でやばくない?

と顔に駄々洩れに出ていたらしく、クルトは肩をプルプルさせて笑い喋れない状態に陥った。

それに比べてラカスは『大丈夫。転移魔法は高等魔法術らしく使用できるのは極一部だけ』と教えてくれたけど顔は明後日の方向を向いてたから結局笑っているよね。



エリューシオンと呼ばれた男性はなんとガーシュウィン神聖国の皇太子だった。

銀髪で紫水晶の瞳の超絶美形でまともに見られない。

個人的な意見が入るけどザカライア王国第一王子より好みだったりする。

高身長でスタイルも完璧。

細マッチョと言えばいいのか無駄な贅肉はなく、筋肉も適度に鍛えている感じ。

マッチョ過ぎるのは苦手です。

そして『世界樹教団』の総帥でもある。

聖女が召喚成功と聞いて居ても立ってもいられず飛んできたらしい。

そしてーーー




「シェリ、お待ちしていましたよ。さぁ貴女の故郷ガーシュウィンへ帰りましょう。皆が待っていますよ」


「はっ? なぜ名前を知ってる? 帰る? 待っている?」



私はエリューシオン様にいつの間にか捕獲されていた。

いわゆるお姫様抱っこだ。

いや~~私って結構体重あるのよ!

おーろーしーてー。

でもがっちり抱えこまれて身動き取れない。



「愛しいシェリ。長いこと待っていたんですよ。もう離しませんからね」



えーーずっと待っていたってどうゆうこと?

説明してよーー。

そう訴えるとこの人もふっと甘く蕩けそうな流し目を向けてくる。

エルフの男性って皆こうなの?



「全てのエルフが女性に対してみせる態度ではありません。私がシェリに対してみせる個人的態度です。説明はガーシュウィンについてからゆーっくりと説明しましょう」



えっ、『ゆーっくりと』って言葉に背中かぞぞぞっと寒くなった。

地雷踏んだ?

蟻地獄に落ちた?



そして私とエリューシオン様、双子は転移魔法を使ってフサツさんに見送られてガーシュウィンに移動した。

でもさっき来たばかりじゃないの?

事情についていけない私はさっきから質問とツッコミだらけ。

第一王子に話がついてるから私についてはどうでもいいらしい。



ガーシュウィンについてから蜂蜜漬けの砂糖菓子みたいにされて毎日大変です。

甘く迫られて腰砕け継続中。

帰る意志がどこかへ消えそう。

それを狙っているのかエリューシオン様、双子、その他魔導士集団、神殿騎士とシェリ攻略者が増加した!



もちろん世界中を行脚(あんぎゃ)して世界樹救済したよ。

他にも私が聖女予備じゃなくて救世主だったと判明したとか

それを聞きつけたザカライア王国がキャバ嬢のお姉さんと交換して欲しいとか

精霊や竜族、魔族まで舎弟にしたとか

武勇伝が勃発(ぼっぱつ)するのはあとの話。



私はいったいどうなっちゃうのーー?



初めての投稿です。

誤字脱字駄文とご不快に思うかもしれません。

よろしくお願いします。


誤字脱字報告、ご指導をありがとうございます<(_ _*)>

本当に助かりますし、勉強になります。

日々精進ですねヽ(・∀・)ノ


ブクマ、評価をありがとうございます<(_ _*)>

とっても嬉しいです✨


この後のお話を考えています。

キャバ嬢のその後どうなったとか

行脚の旅とか

ガーシュウィンでの日常とか

ヒロインの武勇伝やら救世主談とか……

あれこれ書きたいなぁと思っています。

でも必要ないかな……悩みます❗️

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新着の短編小説欄で見掛けて読ませて頂きました。 処女作ということで、投稿お疲れ様でした。 やはりシュリが本命聖女でしたか。 あの状況から考えてキャバ嬢のお姉さんの方が巻き込まれのようでした…
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