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第86話 異世界転移。

ちょっと茜さん登場編の話が長くなっていますが、ぼちぼち物語は進んでいきますので、何卒気長にお楽しみください。

 いやいや、そういう下ネタに近いお話は良いんです。というか、そういうのは茜さんに似合わないと思います。


「あ、あの、そういうのではなくてですね。」


 簡単な魔法としては、火を出すとか?いやいやマンションだと火災報知器がなるかも知れない。水か、水だな。コップを用意してもらおう。


「コップ借りていいですか?」


 キッチンから二人分のコップを持ってきてくれたので、そのコップを水で満たす。もちろん呪文は無し。二つのコップにみるみる水がたまる。


「うわぁ、ぜんぜん仕掛けわかんない。すごいわねあたるくん。マジシャンにもなれちゃう。」


 いやいや、確かに同じような手品はあると思うけど、種も仕掛けもないですし。これはこの場で宙に浮いてみたり透明化しても手品の延長に見られてしまうだろうし、何かを複製してもダメっぽい。大きなものならそうでもないだろうけど人の家でそれはちょっと無理があるしな。


「あの、茜さんちょっと立ってもらえますか。もう少し後にしようと思ったんですけど、僕の傍に来ていただけますでしょうか。」


 僕の言う通りに茜さんは僕の隣にやってきた。


「それでですね、ちょっと手を繋いでいただけますか。」


「もう、あたるくん何を言っているのよ、いきなり告白でもする気なのかしら?」


 いやいやいや、それは絶対に無いです。というか、まんざらでもなさそうな顔は止めてくださいね。こっちが照れて手を繋げなくなってしまう。


「じゃぁ、はい。」


 茜さんが差し出した右手を軽く握る。エレナの時もそうだけど、基本的に女性から自主的に触れてこない限り僕から触ったり手を繋ぐことはないよ。そんな大それたことは今のところはできない。将来的にはかわいいお姉さんとかにビビッと来た場合はあるかもしれないけども。いや、だからそんな怖い視線で見ないでって。


「それじゃ行きますよ。<テレポート>。」


 呪文唱えてしまった。<テレポート>で合ってたっけか。基本呪文とか唱えないから忘れてしまうよね。転移場所はもちろんログハウス。


「え?ここはどこなの?」


「えっと、このまま部屋を出て説明しますね。あ・・・というか、靴忘れたからもう一度茜さんの部屋に戻ります。」


 今度は結局呪文なしで再び茜さんの部屋に戻る。


「ねえねえ、何なのよ一体全体・・・。」


「あの、玄関に靴取りに行きましょう。ついでに戸締りチェックも。」


「今は私の質問はスルーってわけね。まあいいわ、いまはあたるくんの言う通りにしておくけど、ちゃんと説明お願いね。」


 部屋の電気を消して玄関で戸締りチェックをしてからそれぞれの靴を手に取り、再び手を繋いでログハウスのリビングに転移。ここじゃ、転移というのは説明できても理解しづらいだろし、場所も理解できないだろうから、外に出る。


「それじゃ、この家の玄関から一度外に出ますよ。」


 なぜか片手に靴を持って手を繋いだまま玄関に二人で向かい、玄関でやっとお互い手を放して靴を履き、ついでにサクッと障壁の透過条件には茜さんを追加しておく。


「まず庭に出ましょうか。」


 まだエレナや国王様たちのように口をあんぐりすることはない。ログハウスも太陽光パネルも日本製だしな。周りに鬱蒼とした木々はあるけど、そういう風景も別に日本でもありえるし。


「ここは・・・あたるくんの家?」


「はい。一応僕の家ですけど、別荘のようなものです。ちなみに・・・日本ではありません。今のは転移魔法というヤツで移動してきました。」


「魔法かぁ・・・催眠術とかではなさそうね。それなら、どこの国なの?入国審査なしなら、違法入国になるわよ。場合によっては海外法人の件もダメになっちゃうわ。」


 この人、どんだけ冷静なんだよ。


「この国は王国です。それに国王様とは知り合いなので問題ありませんし、むしろ歓迎されています。茜さん、今日は夕方まで付き合ってもらっても大丈夫ですか?」


「なんだか意味不明ね・・・。さすがの私もちょっと不安になっちゃうわ。」


 いや、全然不安そうな顔してないでしょ。どちらかというと好奇心いっぱいの顔ですよその顔は。


「それじゃ次行きますよ・・・えっと、車出そうかな。」


 インベントリから車を取り出すと、さすがの茜さんも驚いたようで、口をポカンと開けている。やっと普通の人の反応を見た気がする。


「助手席に乗っていただけますか?」


「い、今のも魔法なの?・・・いいわ、ここまで来て断ったら女がすたるわね。」


 インベントリの説明は車に乗ってからにする。茜さんを乗せたけど車のエンジンはかけないので、不思議そうに車の外を見ていたけど、どうやら少ずつ浮いているのに気が付いたようだ。


「え?この車浮いてる?」


「浮いているというか、飛びます。これも僕の魔法です。」


「30歳にならなくても魔法使えるんだね。」


 おい、そのネタはもういいでしょ。というか、なんでそんなに冷静なんだよ。僕が逆の立場ならもう何回もパニック起こしてるよ。こういうときくらい『キャッ』とか言ってしがみ付いてくるとか無いのかな、この人は。まあ、運転席と助手席遠いけど・・・。というか全然こっち見てないよ、少しずつ浮かせている車の外の景色見てるよねこの人。あ、今度はスマホ見てる。


「うわぁ、本当に少しずつ高度上がって行ってる。すごいね、あたるくん。」


 え?スマホって高度計付いてたっけ。あ、気圧センサーか。僕のには付いてたかな。あとで確かめよう。高度計だけわざわざ買わなくてよかった。速度計は欲しいけど、それは無理っぽいよな。


「それじゃもう動き速めますね。おおよそですけど、時速500kmくらいで飛びます。ちなみに特に気を付けることはありません。魔法で結界を張っているので、ドアを開けても落ちません。それで、今からもう一軒ある僕の家に行きます。転移でも行けますけど、今朝街を出ているので、門から入らないと不味いので。」


「わぁ、ここって島なんだ。すごいね。木しか無い島だよ。」


「だいたい直径10kmくらいのほぼ円形の島ですよ。まだ僕も全部は見て周ってないんです。」


 魔物ばっかりの島だったんですけどね。その話は刺激が強すぎるだろうからまだ内緒だな。


 道中、ここが異世界である説明をするが、なかなか納得してもらえない。魔法があって、車で空を飛ぶという非常識を体験しているというのに、まだどこか常識にとらわれていますね、茜さん。さすがにサルハの街に行ってあの中世っぽい街並みとか、エレナの猫耳と尻尾を見れば納得するだろうけどね。あれ?なんか後ろの島に腕を伸ばしてウインクしてる・・・なにやってんだ。


「今高度が500mくらいだわね高度はあまり関係ないけど。今だいたい時速800kmは出ているわよ。飛ばし過ぎじゃない?」


 なぜわかる・・・。なになに、島の直径が約10kmだから腕を島に向かって伸ばして親指を立てて片目ずつ瞑って見た時にそのずれで距離が分かるって?いや僕にはわからないです。その計算を10秒単位で、1分やってたって?それで予想速度が分かるって?どんな知識だよそれ・・・。速度計もいらないじゃん。計算式分かれば、後でカメラと連動させてプログラミングすれば速度計できるじゃん。


「御見それしました。」


 それしか言えない。でもまあ、景色楽しんだ後は転移するけどな。それまではのんびり風景を楽しんでもらおう。


「何度も言うけど、すごいね~高度が低いから眼下の景色がすごい勢いで流れていくね~、でも景色変わらないね~。」


 はい、変わりません。そろそろ飽きてきたかな。でも僕が魔法を使えるということは認識していただいたようだ。ちなみにインベントリでペットボトルのお茶出したら、車出した時より驚かれた。いや、それくらい手品で出来る人いるでしょう。


「街の近くに転移しますね。これも別に気を付けることもないです。おそらく景色もあまりかわりませんけど、一応遠くに街の外壁が見えるとは思います。」


 光学迷彩障壁を車に纏い、転移魔法で街から10kmほどの所に出て、周りを確かめてから地上に降りて障壁を解除。


「ここからは普通に走りますから今度は気を付けてくださいね。」


「すごい田舎だね、でもさっき空から街が見えたよ。なんだかヨーロッパの城郭都市みたいだったわ。」


 その認識で合ってる。ただその城郭で防ぐのが魔物というのが違うけども。


「今から向かう町はファガ王国という国のジニム辺境伯領、サルハの街というところです。そこのスベトーラという地区にも、僕の家があります。というか今のところそこがこの国での住所になります。あ、もう見えてきましたよ。もうあと数分で着きますから。」


 車だとのんびり走っても10kmならすぐ着いてしまう。というか空からじゃなくても視界が開けて居れば10km先なら街壁は見えるんだけどね。


 程なくして車のまま外壁に到着。今朝のアート様の情報を信じて車で来ることにしたのだけれど、貴族用の入り口に乗りつけるとそのまま顔と名前だけの確認ですんなり街に入れた。というか、茜さんフリーパスかよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] そろそろ刺激が欲しかったところに税理士さんの登場いいねぇ
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