呪われた一族
短編小説に初挑戦してみました。
よろしければお読み下さい。
どこから話せばいいだろう。端的に言えば一言で済むのだが・・・。
そう、一言で済ますのならば、私の一族、犬神家の一族は呪われているのだ。
私が幼い頃、父がたまに零していたのは私の祖父の事だ。
「親父はおかしい、なぜこんな事を・・・」
祖父は祖母と一軒家に二人暮らし、子供たちが独立し離れて暮らすようになり寂しいからと犬を飼いだすような心優しい人だった。
そんな祖父が父にそのように言われるのを私は幼心に不快に思っていた。
そんな父がある時を境にある事を零すようになった。
「おかしいのは親父だけだと思っていたのに・・・。なぜ俺まで・・・」
まだ幼かった私には父の言っている事が理解出来なかった。
そんな幼かった私もいつしか大人になり、大学時代から交際を開始した彼女と結婚する事になった。
庭付きの一軒家で犬を飼いたいという彼女の希望を叶えるべく、お互いの貯金を全て出し両家から資金援助して貰いやっとの思いで一軒家を手に入れた。
新婚生活には何の不満も無く彼女。いや、妻には感謝の気持ちしか無い。
そんな何の不満も無い新婚生活を送っていたのだが、ついに私にもやってきてしまったのだ。
犬神家の呪いが・・・・。
ガチャッ───。
「ただいまー」
妻が帰ってきたようだ。
「おかえり。どうだった?」
「うん、全然大人しかったよ」
「そうか」
「針を刺されても全然大人しかったから逆に心配しちゃうぐらい」
「暴れられても大変だから楽に済んで良かったじゃないか」
「そうだね」
「偉いなミケは」
「あなたって変わってるわよね。犬にミケなんて名前つけるんだもの」
「あぁ、そうゆう家系でな」
「ふ~ん」
犬神家の呪い。
犬がミケの呪い。
いきなり舞い降りて書かずにいられませんでした。
ただのダジャレなのに( ´ー`)