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武闘会本戦その1

 俺は再び闘技場にやって来ていた。

 観客席は満員で凄い盛り上がりだ。

 俺を含めた出場者は闘技場の中央に整列している。

 そう、武闘会の本戦である。



 屋敷を手に入れたあと、俺たちは屋敷の掃除と修理を行った。

 そうして屋敷を拠点として使えるように準備をしている内に本戦の日になってしまったのだった。

 まだ屋敷は完全な状態じゃないけど、ある程度は綺麗になった。

 ところで、屋敷の掃除中に嬉しいハプニングがあった。

 部位欠損すら治せるポーションが屋敷にあったのだ。

 おかげでテトは元通り元気になって、屋敷に住み着いたネズミを食べてる。

 時折仕留めた獲物を見せつけてくるのはやめて欲しいけど。

 大方このポーションはメアリーの病を治すために用意したのだろう。

 残念ながら効果がなかったようだが。

 この世界ではあまり医学が発展していない。

 怪我などに対する治療に関してはポーションとかがあって地球より発達してるみたいだけど、病はほとんど治せない。

 戦争や魔物との戦いで死ぬ事の方が多くて、あまり病を治療する技術が発達しなかったのだろう。

 だからメアリーを救うことも出来なかった。



 ところで、この世界では常に戦争が行われている。

 この世界で行われる戦争は大きく分けて3つある。

 1つは魔王同士の戦争だ。

 一応この戦争は建前では領土の取り合いとか言っているけど、実際は魔物の闘争本能の発散のために行われている。

 だから、戦争していても魔王同士の仲は別に悪くないってこともざらだ。

 母さんの国ですら、戦争をしているらしいし。

 2つ目に、人間国家同士の戦争。

 これが行われる理由は名目的には地球で行われる戦争に近い。

 違いは目的が英雄の誕生を狙っているってところ。

 この世界では戦うほどに強くなる。

 そうやって人間同士で戦うことで強大な個を生み出そうという目的が明言していないけど、ある。

 この戦争にはよく魔物も参加してるけど、主体は人間の国々だ。

 この2つの戦争は大体は本気の戦争じゃない。

 別に勝とうと負けようと目的は戦うことそのものなので問題ない。

 けど、3つ目は異なる。

 人間の国家と魔王の戦争。

 この戦争は行う国が決まっている。

 北東にある人間至上主義国家、マールス帝国。

 母さんの国からずっと北に行ったところにある魔王カレストの国。

 この2つの国がほかの国家を巻き込んで大規模な戦争を行う。

 マールス帝国は人間が世界を支配するべきという理念を掲げている。

 対する魔王カレストは人間を下に見ていて人間は魔物に服従すべきという理念を掲げている。

 両者ともに相容れない理念を掲げていてその理念に基づき凄まじい大戦争を行う。

 両者は互角の国力を持つ……と言いたいところだけど帝国の方が国力が強い。

 帝国には人間側の魔王に当たる英雄が複数人いる。

 さすがの魔王カレストにも荷が重い。

 だが、未だに決着はついていない。

 理由は簡単、他の魔王が魔王カレストを支援するから。

 大抵の魔王達は帝国と本気で戦う気は無い。

 けど、帝国が侵略してくれば戦わざるをえなくなる。

 だから、カレストが負けないように支援を行う。

 対する帝国は自国だけではカレストに勝てないからほかの人間の国からも出兵を命じる。

 他の人間の国々は帝国に攻められるのを恐れて大人しく出兵する。

 そうして魔物対人間の戦争を1000年ぐらい前から繰り返してるらしい。

 魔王カレストは比較的古参の魔王で歳は1100歳ぐらいらしい。

 母さんが魔王になったのは180年前らしいから、母さんの産まれるずっと前から魔王をしてる事になる。

 けど、最古参の魔王は3000年ぐらい魔王をしているらしいからそこから見るとかなり若く思えるね。

 インフレしすぎでは?

 帝国は建国から1200年ぐらいだ。

 建国当初は人間至上主義って訳ではなかったらしいけど、1000年ぐらい前からその方針に転換したそうだ。

 帝国は皇帝が全権を握っていて、当時の皇帝が人間至上主義を掲げたのだ。

 それを今代の皇帝も引き継いでいるってわけ。

 皇帝は人間なのでちゃんと代替わりしている。

 この世界の人間の寿命は地球と変わらない。

 というか、ヴァネッサさんみたいに何百年も生きてる方がおかしいらしい。

 例外は英雄。

 アイツらは寿命って概念が無くなっているらしい。

 帝国の軍団長の1人は建国当初から生きているそうだ。

 化け物かよ。


 まぁ、そんなわけでこの世界では戦争が絶えない。

 そんでもって強大な個が持て囃される。

 だからこういった武闘会が人気を博すのだ。


 司会者が俺たちの前でルールを説明している。

 けど、大した内容じゃない。

 トーナメント形式で1VS1。

 武器の持ち込み可で基本的にはなんでもあり。

 ただし、相手が降参したり気絶したあとも攻撃を行うのは禁止らしい。

 そして、俺たち出場者には番号が割り振られていて、大会中はその番号で呼ばれるそうな。

 俺は11番。

 白マントは20番だな。

 ところで闘技場の客席は抗魔加工されてた。

 そんな警戒しなくても、もうしないって……。

 そんなことを考えていたら観客の大歓声が響いた。

 司会者がトーナメント表を発表したのだ。

 俺の番号を探すと最後の試合の所に俺の番号があった。

 お、白マントとは決勝までいかないと当たらないな。

 よかったよかった。

 実は、出場者を事前に調べておいてそれぞれに対策を練っておいたんだけど、あいつだけは情報がなかったんだよね。

 名前はトマスとか名乗ってるけど……まず間違いなく偽名。

 そんな名前の強者は調べてもいなかった。

 あいつに1回戦から当たったら大人しく諦めようと思ってたんだ。

 これで唯一の不安がなくなった。

 まぁ、対策を立てたけど勝てるかわからんやつもいるけどね。


 それはさておき、俺は最後の試合だし、のんびり他の奴らの様子を観察させてもらうとしよう。

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