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ヒイラギ

あとがきにレクサの進化後に増えたスキルを書いておきました。

興味があれば、どうぞ

 ヒイラギにはこのレクサという青年が理解できなかった。

 敵である自分を助けて、仲間に加える?

 正気の沙汰ではない。

 いつ後ろから刺されるかわかったものではない。

 再び襲われても問題ないと判断したのだろうか。

 確かにヒイラギにはあの時、どうやって自分の2度目の斬撃を避けられたのか分からなかった。

 唐突に消えたとしか思えなかった。

 あれがあるから敵ではないと思われたのなら屈辱的だ。

 だが、こうして1週間ほど見ていてそんなことを考えてるようには思えなかった。

 むしろ、ほぼ全幅の信頼を置かれている気すらする。

 レクサという青年は強くない。

 よっぽどその仲間の方が強い。

 イリスという少女は虚をつかれたとは言っても自分に勝利している。

 次は負けることはないだろうが、油断はできない相手だ。

 マキナという……男か女かわからんが声からして多分、男と戦って勝てるかは五分五分だろう。

 未だに分からないことが多いからどちらとも言えない。

 身体能力に関してだけは自分よりも上だろう。

 そして、テトという猫。

 あれは……勝ち目が薄い。

 全てを賭して挑み、あとのことを考えずに戦えば勝てる可能性がある、と言ったところか。

 この三体の魔物はいずれもレクサより強い。

 それなのに三体ともレクサに従っている。

 普通の魔物は自分より強いやつに従うものだ。

 それとも、未だに本気を見せていないだけでレクサはこの三体よりも強いのだろうか。

 そういった諸々の疑問を解くため、ヒイラギはレクサたちの宿を尋ねた。

 目的の人物の部屋の扉を軽くノックする。


「おい」


「……何の用?」


 扉を開けて出てきたのはイリスという少女。

 この少女は無口で食事以外では話しかけない限り口を開かない。

 それどころか話しかけても返事をしないことも多い。

 レクサに話しかけられた時だけは必ず返事をするようだが、他は2、3回に1回しか応えない。

 今回は1回で応じてくれたので運がいい。


「少し聞きたいことがある。レクサについてだ」


「……入って」


 部屋の中に通される。

 どうやら先程まで剣を手入れしていたらしく、道具が床に置いてある。

 イリスはそれを手早くしまって部屋に備え付けてある椅子に腰かけて、ヒイラギも腰掛けるよう、向かい側にある椅子を示した。


「……それで?何を聞きたいの?」


「お前は、いや、お前らは何故レクサに従っているんだ?正直、お前らの方がレクサより余程強い。なぜ、自分より弱いやつに従うんだ?」


 イリスはじっ、とこちらを見つめて返事をしない。

 答えたくないのかと思い、別の質問をしようかと考え始めて、ようやく答えた。


「私はレクサを守りたいから。マキナはレクサに創られたから。テトは知らない」


「守りたい?何から?いや、そもそもなぜ守りたい?」


「……元々は、私より強い人からの命令。だけど、今は私が守りたいと思っているから。大切な人、だから」


 そう言い切るイリスは目から強い決心を滲ませている。

 何故か自分をを見て、より強く決心してる気がするが。


「惚れてるのか?」


 少しからかうつもりで言ってみる。


「惚れ……?何、それ?」


 反応は予想外のものだったが。


「何って言われても……そうだな。その相手を好きだと思って……何より大切に思うこと……かな」


 イリスはそれを聞いて少し考えた。


「そういう意味なら、そう。私はレクサに惚れてる」


「……何か違う気もするが……まぁ、いいか。ところで、最初は命じられて、って言ったな。誰にだ?」


「それは言えない」


 これは話す気がないらしい。


「それより、ヒイラギはなんで強くなりたいの?」


 ヒイラギは逆に質問されるとは思っておらず、驚いた。

 少し話すか悩み、口を開く。


「私には兄がいてな。兄はとても強くて、私たち鬼人族でも結構名が知られていた。私は兄に追いつきたかったから傭兵になり自分を鍛え始めた。まぁ、兄は10年前に死んでしまったがな。今は兄を倒した奴に追いつきたいから傭兵をしている」


「誰に負けたのか知ってるの?」


「ああ。『死神』と呼ばれている名持ち(ネームド)だ。知ってるか?」


 何故かイリスが少し目を逸らしている。


「……一応、名前だけは」


「『死神』は最も魔王に近いとも言われているんだ。兄もずっと目標にしていてな。いつか『死神』を超えてやるといつも言っていた。ただ、『死神』はどこにいるのか誰も知らなくてな。兄も偶然出会い、そして負けたらしい。まぁ、伝え聞いた話だからどこまで本当かは知らないがな。いつか私も『死神』と戦ってみたいものだ。どれほどの強さなのか、自分がどこまで食らいつけるか試してみたい。イリスもそう思わないか?」


「私は遠慮しとく」


 イリスは目を逸らしながらそう答えた。


「そうか?きっと学べることも多いと思うんだがな。……ああ、負けて死んだら学ぶも何も無いか」


 ヒイラギは愉快そうに笑う。

 対してイリスは珍しく顔を苦笑で歪めていた。





「レクサ」


「ん?どうしたイリス」


「ヒイラギの兄はソンクウ」


「……え?」


「ヒイラギの兄はソンクウ」


「……いいか。俺もお前も何も知らない。そういうことにしておけ」

レクサ

種族 影魔族 純血種 影之戦士


スキル

潜影

効果:だいたいの説明は本編の通り。補足しておくと、影に潜っている間は物理的なダメージを受けない。魔法、または気闘法での攻撃は通用する。ただし、闇、地属性は完全に無効。逆に火、光属性はダメージ倍増。他の属性は通常通り。

物の影に潜るとその影全体がレクサの影と判定され、どこに攻撃を受けてもダメージをうける。

なので大きな物の影に潜ると的がでかくなる。

影であればどんな物の影にも潜れる。超便利。

影の中の物は劣化しない。レクサは倉庫として活用中。ただし限界はある。

影魔族しかこのスキルを持つ者はいない。そのため現在このスキルはレクサとヘルミオネしか使えない。


魔法陣作成A

効果:魔法陣作成Bの上位互換。魔法陣の作成がより早く、より複雑なものにできる。


魔術の才能

効果:使用する魔術の効果が上昇。また、魔力の消費量を緩和する。


生命の加護

効果:生命力の向上。また、自然から僅かにエネルギーを得られる。


大悪魔の加護

効果:闇属性の耐性の大幅向上。影魔族は闇属性の絶対的耐性を持っているので死にスキル。

実は最初にリリスを呼び出した時に獲得していた。

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