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アイノスピア  作者: 英虎
第 1 章 〜 眠れる女神の子 〜
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第1章-5ー永遠の誓いー


__君は偉い子だ。


流石は私の兄の娘だな。




私は、自分の叔父であるユーガスト国王に頭を撫でられることが、

なんとなく好きだった。



その日も王様がいない隙に部屋を飛び出し、城の中を探索した。



広い城の中を散策するのがとっても好きで、何度かやった事もあり、城の中を覚えてしまうぐらい楽しかった。




私はまだ行ったことのない部屋が一つあった。私はその部屋に向かって、静かに音を立てないように長い廊下を進んだ。




幸いその時部屋の前には誰もいなくて、簡単に部屋の中に入る事ができた。




私はその部屋に入ると、不思議だけど、とても美しい少女を目にした。



それは、産声を上げてから目を覚ますことの出来ないまま、眠り続けていた、

人と女神の間に生まれた、女神の子と呼ばれる、フルーレ王国のお姫様だった。



私は彼女を見た時、思わず頬に触れてしまった。



死んでいるようにも見えたが、彼女の頬は何処か暖かく、

生きている事を指先を通って感じることが出来た。




私は、彼女を見た時、驚いてしまうような感情が、大きく喉の奥から顔を出してきたんだ。




彼女と話してみたい。彼女と一緒にこの美しき不思議な世界を旅したいなんて。


__私は彼に引かれる腕を見つめていた。



この人は、今何を考え、どんな感情で私の腕を引いているんだろう。

7年前に忠誠を誓ったって…私はもしかして彼の自由を…



__奪ってしまったんだろうか…。



そんな事を考えていると、目的地に着いたのか、彼は大きなドアの前で足を止めた。

彼は優しく扉をコンコン。と鳴らすと、スッと大きな扉がドアが開いた。

ドアの向こうには、メイドの服を着た昨日胸に飛び込んできた子などが、並んで立っていて、一斉に頭を下げた。




「おはようございます。アイノ様。」




彼女の1人。胸に飛び込んできた女の子は、並べられている椅子の中の一つを手のひらで指し、「こちらです」と言って、目の前にある大きな机に並べられている、私が座るための椅子に案内してくれた。



私は彼女に案内されたとおりに席につくと、目の前には美味しそうな朝食が並べられており、私は思わず唾を飲んだ。

その私のキラキラした表情に気づくと昨日胸に飛び込んできた彼女は、私に微笑みかけ


「もう少し待っててくださいね。ユーガスト様が一緒に食べ始めたいらしいので…。

不思議です。あの人がお父さんみたいなことをしたがるなんて。」



とふふっと鼻を鳴らし呟いた。



「ユーガスト?」



私は思わず、彼女がいった言葉の中で気になったことを不思議そうな目で彼女に問いかけた。


「ユーガスト様は、アイノ様のお父様で、このフルーレ国の王様なんですよ。

昨日アイノ様がお話していた方です。」

彼女は私と話している事がとっても楽しいのか、まるでお花が飛んでいるような、にこにこした表情で答えた。




私は、(あの人ユーガストって言うんだ…)

と心の中にメモを取り、鼻歌混じりに、にこにこしている彼女の目を見つめた。

彼女は、私が見つめている事に気がつくと、ぼっと顔を赤くさせあたふたしながら、腕をブンブンと大きく振った。




「な、な、な、なんでしょうぅ!!


虫ですか!?虫が止まってましたか!?


いや…この敷地内に虫が入ってくるはずでは…


ではなんでっっ…」



私は彼女の行動に大きな笑いが込み上げてきた。

必死にこらえたのだがこらえきれず、思わず吹き出してしまった。

それを見た彼女は、大きく頬を膨らませ、腕を組みながら



「何が面白いんですかっ!


いや…面白いかもですけど…


いや、そんな事はどうでもいいのですよーっ!!」



と、怒った口調でこういった。

私は吹き出してから、吹っ切れたのか、大きく声を出しながらお腹を抑え、涙を流しながら笑った。



私は満面の笑顔で、笑いを吐き出しながら呟いた。

「貴女が可愛いから、見つめちゃっただけですよっ!!」

こんなに笑ったのは何年ぶりだろう。

この頃、泣いてばかりだったのに、なんだか不思議気分だ。


私は、彼女に向かって、大きな笑顔で

「ありがとう!」

と言った。




彼女は、頬を赤くさせ斜め上を見上げながら、綺麗な指で頬をかき、

「褒められるような事は何もしていませんよ…

私の方が、感謝の気持ちを伝えたいくらいで…いや、今伝えます!!この気持ち、今伝えておいた方がいい気がするので!!」



彼女は私に顔を覗き込むように、嬉しそうな顔で言った。

私も、自然とそれに応えるように、

「うん。私も貴女の気持ち…


貴女の事とっても知りたい!」



と、明るい顔で答えた。

私は、彼女の嬉しそうな顔を見ると、いつまでも話していたい。そんな気分になれた。

こんな感情が浮かんだ人は久々だった。

この子ともっと早くに出会っていたかったな。

そんな事も頭に浮かんだ。



「はいっ!!

では、私も伝えたくてたまらんので、伝えますっ!!


私は、アイノ様の事初めてお目にかかった時から、

この人と話してみたい。どんな人なんだろうってずっと考えてきました。


なんと私はその夢が、今日叶ったんです!!!!!


9年前から、ずっと願っていた、この夢が、叶ったんです!!」



彼女は腕を横に大きく振りさげ、輝いた声でこういった。

その目には、お花畑ではしゃいでいるような夢見る女の子の火が宿っていた。



「私、クラリ・ユルフリーラは、これまでもこれからもずっとアイノ様をお守りし続けます!!!!!


アイノ様の…盾として剣として槍として!!!!!


アイノ様に永遠に命を捧げると誓った、スピア(守護隊)として!!!!!」




私は、自分が目覚めた事によってこんな事を思ってくれている人がいると思った時、

嬉しいような、どこか寂しいような、心にチクリと細い細い針が刺さるような気持ちになった。

__もっと早く出会ったいれば友達になれたのかな、いや、元の私じゃ相手にもしてくれないか…。

彼女はそれを感じたのかは分からないが、今にも泣き出しそうな瞳をつぶり、心に白い手のひらを当て、優しい声でこう言った。



「私、アイノ様が目を覚ました事を知った時、どこかで落としてしまった心のパーツを、アイノ様がはめてくれた気がしたんです!


今日アイノ様と話した時に、もう1度私は神に誓ったんです。


昔っからアイノ様の眠っていてもどこか頑張って生きようとしているその表情に憧れ続けてきたクラリは、

この腕が無くなろうと、

足が使い物にならなくなろうと、

この身をかけて、必ず絶対に守り抜くと!!!!!

そう誓ったんです!!!!!」




彼女は、どこか私を励ますような優しい笑顔でそういった。

どう表現すればいいのか、全然分からない…です。


変な表現だし、意味不明:( ;´Д`;):ってなるかもですが、



暖かい目で、お付き合い頂けたら嬉しいです。゜(っ゜´ω` ゜c)゜。



評価や感想、レビュー等して頂けたら幸いです(❁´ω`❁)✨✨

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