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アイノスピア  作者: 英虎
第 1 章 〜 眠れる女神の子 〜
4/12

第1章-3ー死んでいた16年間ー

人と女神の恋愛なんて、誰もが最初は反対した。


だが、私達に子を授かってからは、色々な人々が一目見に来たいと城に訪れては、可愛い可愛いと娘を眺めながら笑顔で言うのだった。



私は娘の事を愛していた。可愛らしい私の娘。

ただ、ほかの家庭とは少し違う所があったのだ。



私の娘は、産声を上げてから、まだ1度も目を開けた事がないのだ。



私は酷く悲しんだが、いつか目が覚めると信じて、お世話係をつけ、自分は国王としての仕事を全うしていた。



30を過ぎた頃、ふと鏡を見た時にきがついたのだが、


私の体は驚いた事に、女神と結ばれて子供を授かった時から、歳を取っていなかったのだ。


私はこの頃忙しく、まともに睡眠を取ることが出来ずにいたのだが、

顔も全くやつれておらず、

隈すらなかった。



そして一番驚いたのが、怪我をしてもすぐに傷口が塞がることだった。

刃物を使っている時に、ふと目を逸らしている時に、机に置いていた刃物に腕が当たってしまったのか、

足の上に落ちてしまい、足の甲に深く刺さってしまった。




私は、痛みに悶え、唸り声をあげた。


資料を持ってきた秘書が、心配して駆け寄ってきたのだが、

傷口を見てみると、靴布は真っ赤に染まっていたのだが、傷口がどこにも見当たらなかったのだ。



一応の為と足に包帯を巻いてくれたのだが、

不思議とその頃には全く痛みがなかった。



__この力はなんだ…?



私は自分の大きな可能性に、喜びの声をあげた。



この力は、自分の娘と引き換えに手に入れたものなのかもしてないと考えたが、

今はそんな事どうでもよかった。



「もしかして…これが”女神の力”って言うやつなのかァ…?」



女神の力を受けたものは、歳を取らず、傷口が癒える時間が早くなるとは聞いていたが、

ここまで早く癒えるなんて…と私は刃物が刺さったはずの足をゆっくりと撫で下ろした。



____私の力はこれだけでは無いのでは?


____この力があれば、この星を私の物にすることが出来るのでは…?


____私の娘…女神の力を引き継いでいるあの子なら、もっと大きな力を秘めているのでは…?


そんな、出来るはずのない事ばかりを考えては、

私ならやれる…

私なら…と声を唸らせながら




喉の奥から、溢れ出てくる黒い笑い声を吐き出した。


「おはよう。私の可愛い、可愛い娘よ。」



彼は、一体誰なのだろう…

娘という事はお父さん…?


いや、お父さんはこんな人じゃ…

もっと、優しそうで何処か馬鹿そうで…いや、そんな事考えている場合では!!



「私は君が目覚めるのを16年間も待ち続けていたんだ…


少し待たせ過ぎかと思わんかね?」



彼は、フッと鼻を鳴らすと、私の腕を強く引っ張り、私達が居た部屋から急ぎ足で飛び出た。

抵抗してみても、見た目よりもはるかに力があり、振放すことが出来なかった。



__この人は誰?



他の胸に飛び込んできた子達とは違った、

優しい恐ろしさ。そして、紛れもない興味が彼の目には宿っていた。



この人は、私がこの世界に飛ばされた…いや、あの妙に安心感があった、目のあった彼と関係があるのか?…

でも、彼とは全く違った印象だし…



___頭がこんがらがってどうにかなりそうです…



(それにしても広い建物…)



かなりのスピードで歩いていたのだが、目的地になかなかつかないのだ。

まるで王宮を浮かばせるような長い廊下は、(早足だったので、はっきりとは分からないが)綺麗に掃除されていて、

まるで壁が光っているかのように感じさせる程だった。



色々な事を考えているうちに、目的地に着いたのか、彼は大きくガラス張りのドアの前で足を止めた。

外からは見えないようにしており、中の様子がよくわからなかった。



彼は、ズボンのポケットから金色に輝き、綺麗なクリスタルのチェーンがついた鍵を取り出した。



私は彼に腕を引かれながらその部屋に1歩踏み入れた。

私は大きく驚いた。私の瞳をつけ抜けるぐらいの緑が、目の前に溢れていたのだ。



(凄い…まるで家族でキャンプをしに行った時に、一人迷ってしまった森みたい…)



いや、現代の自然よりももっと美しいものかもしれない。



人の手で作られた感じがしない。まるで、植物一つ一つが、心臓を動かしているようにも感じられた。


そこには沢山のお花や、見たこともない植物が、私達を包み込むかのように、植えられていた。

所々に綺麗な蝶が止まっており、見つめているうちに再び飛び始めた子達もいた。



私を連れてきた彼を探すと、目の前に置いてある椅子に脚を組みながら腰掛けていた。



同じく並べられている綺麗なガラス張りの机には、彼が入れたと思わしき、不思議な色の紅茶(?)と、美味しそうなケーキが並べられており、

甘い物が大好きな私からとったら、すぐにでも飛びつきたいほどに、ケーキは私に向かって輝きを放っていた。



私は大きくお腹をぐぅぅ〜と鳴らした。



彼はそれに気づいたのか、ニヤニヤしながら私においでおいでと、手をひらつかせた。



私は顔を真っ赤にさせ、照れくさそうに強く椅子に腰掛けた。

そうすると、彼は私に向かってまるで迷子の子供に話しかけるような声で、言葉を投げかけた。



「聞きたいことがあるんだろう?



目覚めて少ししかたっていないから、きっとここが何処かも分からずに、頭がこんがらがっている事だろう。


私に分かることは全て教えてやろう。

さ、遠慮なく聞きたまえ。」




言い終えると、私に向かってにこっと微笑みかけた。



私は、では遠慮なく。と言った目つきで、彼に気になっていた疑問を投げかけることにした。




「ここは何処ですか?」



彼は、早速だね。と呟くと、言葉を続けた。



「ここは、アシルニカ大陸の右端に位置する、フルーレ王国。


驚くかと思うが私はこの国の国王で、君は私の娘だから姫に値する存在だ。


後、こちらからも一つ。いいかね?」



私はひどく驚いた。

自分は異世界(死後の世界、もしくは生まれ変わった後の世界)に飛ばされた途端に、国のお姫様になっていたのか?と。


私は頭の中を整理する前に、彼からの質問に答えることにした。



「なんですか?」



彼は頷きながら、驚いた顔でこういった。



「私は君と話していて、とても…いや、凄く疑問に思ったことなんだが…


君は、言葉が分かるのか…?


いや…16年間も眠り続けていたのに、

見たこともない、ケーム(ケーキ)に目を輝かせていたり、


私の質問に返事がすることが出来たり、とても不思議だと思ったんだ…


他にも、疑問に思う行動は沢山あるのだが…


とにかく、君は私が言っていることが理解できるのか?」



私は彼が言っていることに引っかかるキーワードがあった。

ケームは、多分ケーキの事を言っているのだろうが、


1番引っかかったのは、


私が”16年間も眠っていた”という事だった。



私は今まで、16年間普通に生きてきた。

それを彼は、その16年間眠り続けていたと言うのだ。



(…やはり、ここは生まれ変わった後の世界なの?)



考えてみれば、アシルニカ大陸なんて聞いたことの無い国の人と普通に会話しているなんて、とても不思議な事だ。



これを、母親に話したら、また中二病が騒いでいると、大笑いされる事だろう。



(言葉はもといた世界(現実)と同じなのかしら…)



それは、とてもありがたい事だが、それにしても16年間眠り続けていたという事がとてつもなく耳に詰まる。



私は耐えきれず、驚きを隠しながら、冷淡に問いかけた。



「16年間眠り続けていた…とはどういう事でしょうか?」



彼は、やはり食いついてきた。という顔をして、



「その言葉が返ってくるということは、私が言っていることは理解でいているという事だね?」


と言った。


私は、彼の驚きと不思議の色をした瞳を見つめながら、深く頷いた。

彼は、私が頷くと、そうか。と口にし、言葉を続けた。



「これも、驚く話だと思うが、君は私と女神の間に授かった子でね。


君は、フルーレ王国のお姫様…いや、眠れる女神の子として、大切に…愛されてきたんだ…。


君は産声をあげたきり寝たままでね、なんど叩いてみても、目を覚ますことはなかった。

今日までは。ね。


私は女神と結ばれたと同時に、女神の力を手にする事が出来たんだ。

君よりかはとても小さいけど、とても大きな力をね。


そのおかげか、容姿も肉体も若返ったというより、疲れや痛みに強くなった。傷の再生速度も格段にあがり、3日寝なくても疲れを感じる事はなかったほどだ。


君は、私とは比べ物にならない力。女神の力を引き継いだ。


私は楽しみに待ち続けた。君が目覚めるのをね。


だけど、なかなか目を覚ましてくれなかった。

死んだんじゃないかと思う事があったが、胸に耳を当ててみると、やはり生きていたんだ。



君は本当に不思議だよ。16年間死んでいたのに(眠り続けていたのに)目が覚めた時に、

人の言葉を理解できるなんてさ…


実に不思議で、気になる存在だよ…


まるで今まで、生きていたみたいだ。」



私はその言葉に胸騒ぎを覚えた。


私はこれまで普通に生活していた。

ただただ学生生活を送っていたのに、生きていたことが不思議だと言われているのだ。



秘めた力…もしかして、私も魔法が使えたりするのだろうか。



私は話に頭の回転が追いつかなくなりら額に汗を流し頭を抱えていると、急に私達の周りの灯が暗くなり、咲いていた植物が、一斉に枯れ始めた。


私が驚いていると彼は私に向かってこういった。

「あれ?もう1時間もたったのか。

時間が経つのは早いなぁ…


君はもう寝たまえ。目覚めたばかりなのに疲れただろう。

いきなりこんな所に連れてきてしまって悪かったね。


では、部屋に戻ろうか。


私の可愛い可愛い娘。




アイノ・フルーレ。」

おとーん怖いカタカタฅ:(´◦ω◦`ฅ):


てな感じで、お父さん悪者の雰囲気ですね…!


お父さん見た目はイケメンにしたいので、


容姿は歳を取らない設定にしました(笑)(❁´ω`❁)


これからも、読んでくださると嬉しいです(*´∀`*)!!!!!




アイノちゃん最強説……!!!!!

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