エピローグ 白い惑星
そこは荒地だった。
そう、ここはあの図書館で読んだ本の世界。
どこに行けばいいか分からない世界。
でも、あの渦巻きにたどり着けば引き上げられる。そのために僕は信じなければならない。
あの天にある「何か」や「誰か」ではなく己自身を。そうすれば己は必ず見失うことはないだろう。
例え何年、何十年かかっても僕はたどり着いてみせる。
そこには学校もカーストも何もない世界。
何もないけれど何もかもがある完全な世界があり、たどり着けばそこで生涯幸せになれるのだ。
僕はその荒地を歩きながら、不意にあの教室の窓際から見る風景を思い出した。
駐輪場から中庭まで続く桜並木は文字通り花道だった。桜の花びらは凛としてそれでいて華やかに中庭全体を飾っていた。
ふと中央を見ると中庭に制服を着た少女が居ることに気が付いた。
少女はこちらを向くと、笑顔で何か話していた。彼女の目線は僕と完全に一致しており、それは完全に僕に向かって話された言葉だった。しかし、それは何か読み取ることは叶わず彼女は校舎の外に駆け出して行った。
我に返ると目の前に竜巻があることに気が付いた。
その竜巻はものすごい音を立てて砂煙を上げ、何もない荒野にある何もかもを吸い上げて行った。
こんなものが近づいていたのにどうして気が付かなかったのだろう。
しかし、そう思ったときにはもう手遅れで僕は何も抵抗できずただ竜巻に吸い上げられて行った。
目が覚めると僕は宇宙に居た。
正確に言えば成層圏と中間圏の間くらいだろうか。
不思議と僕は息をすることが出来た。僕は救れたのだろうか。それは見当もつかなかった。
救われるために歩いていたのに、今のこの状態が救われた状態かどうかさえ分からないのはとても惨めだった。そして、救われたとすれば僕は今幸せと感じているのだろうか。それさえも分からなかった。
僕はとうとう何のために生きて何のために救われていくのか分からなくなった。
僕は真っ暗な宇宙の中で身を丸くしてうずくまった。ふと視界に意識を集中すると、眼前に真っ白い惑星が存在していることに気がついた。その惑星は紛れもなく僕がさまよっていた場所だった。
もし、僕が救われなかったら僕はあの場所に永遠にさまよい続けなければならなかったのだ。
そう思うとぼくはやっと救われた気持ちになった。
救いとはきっと、個人にとって色んな意味を持つものだと思う。少なくともそれは固定された思想に基づくものに支配されることは絶対にないはずだ。
ならば、僕たちは僕たちの信じる道を歩むべきなのだ。そうすれば必ず僕たちは正しい道を進むことが出来る。そして僕も次の道を歩まなければならない。あの場所で戦わなければならない。永遠に。
還ろう、あの世界へ。
最後までご拝読していただき、誠にありがとうございます。
伝えたいことなんて誰にも伝わらないのかもしれない。
たとえ伝わったとしてもそれは全くの別の意味として解釈されるかもしれない。
それって悲しいですよね。でもそんなこともあるのです。
でも仕方ないのです。
「仕方ない」
僕たちはこう言って生きています。そう言い続けなければならない。
悲しいですか?そうですね。悲しいです。
それでも生き続けなければならないのです。
小説はそんな生きる糧になればいいなと思います。
糧にならなくても、頭の中に残るだけでもいいんです。
僕もそうします。これからもいっぱい本を読み続けます。
以上、初投稿小説のあとがきでした。




