5、絡み
朝食を食べに食堂に行くと大勢の人が食堂にいた。
「どんな料理があるか楽しみね」
「そうだね。異世界料理だもんね」
「異世界だからもしかして・・・カエルが使われてたりして」
「もう!やめてよ、夏樹ちゃん」
そんな会話をしながら列に並んだ。
朝食を作ってもらい、席について食べようとしたら兵士が話しかけてきた。
「おいおい、女がこんな所になんでいるんだ?」
「先輩、昨日召喚された奴らですよ。指導しろって命令が来たでしょ」
「ああ、そういえばそんなことがあったな」
兵士たちの顔はあまりいい顔ではなかった。
まぁ素人の指導などあまりしたくはないのだろう。
別に気にかける必要はないと思っていたが・・・
「どうだ二人とも俺たちが守ってやろうか?もちろん条件付きだがなぁ」
「いいっすね、先輩」
下卑た顔でそんなことを私たちに言ってきた。
突然何を言っているんだ。
「別にあなたたちに守ってもらう必要はないわ。とっとと別のところに行きなさい」
「そう強がるなよ。怖いんだろ本当はよ」
はぁ~。仕方ない。
「あと五秒待ってあげる。怪我をしたくないなら私たちの前から早く消えなさい」
「ハッ。その細腕で何ができる。やれるもんならやってみな」
どこまでも馬鹿なやつだ。
「五」
私は兵士の体全体を見る。
「四」
「三」
兵士は女だからと言って私に対して油断している。
「二」
私は足に力を籠める。
「一」
「零」
私は一気に駆けた。
私は男の弱点・・・つまりは金的攻撃を繰り出した。
兵士は私の動きに驚いて攻撃しようとしているがもう遅い。
兵士の前まで来た私は兵士の弱点を思い切り蹴り上げた。
「ガァalfギュ?fg!df」
そんな声をあげ兵士の体はビクンと痙攣し、気絶して倒れた。
ちょっとやりすぎたかしら。
早く退散しよう。
「南。行きましょう」
「放っておいていいの」
「別にいいわよ」
私たちは朝食を食べずに食堂を後にした。
朝食は侍女さんが騒動を聞いて持ってきてくれた。
そして朝の鍛錬を始めた。
私はまず南の体つくりから始めようとしたとき南は言った。
「魔法が使えない空間でも身体強化は使えるから体は鍛えなくて大丈夫だよ」
南にそんな知識があることは驚いたが能力の詳細の時に聞いたのだろう。
まぁ体つくりは飛ばして敵と魔法なしでの戦い方を教えようとしてまず実力があるかどうかの確認をしようと組み手をした。
正直に言うと南は強かった。
私より劣るがかなり強い。
魔力での強化とこの技術があれば兵士に負けることはない。
「戦闘面では私が教えられることはないようね。むしろ魔力の使い方を教えてもらいたいわ」
「任せて夏樹ちゃん」
そう南は言って私に魔力の使い方を教えてくれた。
南の教え方はとてもうまく一週間も練習をすればマスターできそうだ。
「教え方がとても上手ね南」
「うん。私、人に教えるのが大好きだから」
南は、はにかんで言った。
強化状態で組み手をして昼食を食べ、また組み手をして訓練を終了した。