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2、能力と偽名

短いですね

「君たちを突然呼び出してすまないことをしたと思っている。しかし・・・この世界を救うためには君たちの力が必要だ。どうか協力してはくれまいか」


協力してくれと言われても私たちにそんなことできるはずない。

ダダの高校生に何を求めているのだコイツは。

王様はそんな疑問をすぐに解消してくれた。


「君たちはたたくことに不安になっているかもしれないが心配することはない。君たちには力がある。強く念じてみてくれ。力がほしいと」


その言葉を聞いてすぐさま実行した人たちから歓喜の声が聞こえた。


「すげー。マジで能力が頭の中で浮かび上がった」

「これが俺の力か。素晴らしい」


この世界を生き抜くためには能力がないと一般人は生き抜けないかもしれない。


「夏樹ちゃん。試してみた」

「いいえ。これから試そうと思っていたところよ」

「じゃあ一緒に試してみよう」

「そうね」


そう言って試してみた。

私の能力は何なのかしら。使える能力だといいのだけれど。

そう思いながら強く願った。

能力が頭に浮かんでくる。


不死と・・・


不死か。最悪ね。


「夏樹ちゃんどうだった?」

「そういうあなたは?」

「私はマジックマスターていう名前だったよ」


なかなかよさそうな能力ね。

しかし一体そういった能力なのかしら。

そう思っていると隣の男子がぼそりと言っていた。


「ふ~ん。詳しく知りたいと思うと詳しくわかるんだ」


私はその言葉を聞いてすぐ実践した。


不死

その身に宿る無限の魔力で傷ついた体をすぐさま再生させる

身体強化可 魔法使用不可


無限の魔力ね・・・運悪く変な奴らに捕まったらこの無限の魔力とやらは好き勝手に使われそうね。

それに不死なんて人体実験し放題じゃない。

南はどうなんだろうか。


「南。能力を詳しく知りたいと思ったら能力の詳細がわかるそうよ」

「へ~、そうなんだ」


そう言って南は試してみたようだ。


「なんかすごそうだよ。夏樹ちゃん」

「どんなふうに?」

「ええと・・・マジックマスター 四属性の魔法全てと一部の無属性魔法が使える。自分で学習して魔法を覚えることも可能 身体強化可 魔法使用可 だって」

「かなりすごいと思うわよ。あまり魔法が何かわからないけれど」

「夏樹ちゃんは?」

「私は・・・不死よ」

「不死ってあの不老不死の不死?」

「そうよ」

「なんかほかの人に知られたら大変なことになりそうだね」

「そのとおり。まったく厄介な能力よ」


南はこの能力の危険性に気づいてくれたようだ。

能力を聞かれた時になんて言ったらいいか・・・


「能力を聞かれたときになんて答えるの」

「まあ幸いにも私はある異能、じゃなくて技能があるからそれを言うことにするわ」

「それってどんなもの」

「今はまだ秘密よ」


そう話しているうちにまた王様が何か言った


「これから紙を配る。その紙の上の空欄に能力名と下に名前を書いて兵士たちに渡してくれ」


配られた紙にはよくわからない言語でいろいろ書かれていて二つの空欄があった。

あまり名前を書くのは嫌だと思った。直感的に・・・


「南、偽名で書きましょう。何か怪しいのよこの紙。詐欺みたいにこの紙に名前を書いたら契約成立みたいな。魔法なんてよくわからないものもあるし・・・」

「そうだね、そのほうがいいかも。じゃあ私は高杉 南にしようかな」

「私は里見 夏樹にするわ」


その偽名と私は偽の能力名を書いて兵士に渡した。



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