表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

多感感覚

作者: アリア

僕の先生が言うには、僕はとても感覚の優れた少年のようだ。

どれほど優れているのか例を挙げるのなら、僕は墓場に近寄ることができなかった。

これは、常人には理解できない感覚だろう。

勘違いしないで欲しいのは、幽霊が出るのが怖いとか、非科学的な理由では無いことだ。

なら、なぜ墓場に近づけないのか。

あそこは感情のたまり場になっているからだ。

多くの人間が誤解している事だが、感情というのは人間だけに宿るものでない。

長年愛した人形や、人を殺した凶器には、強い感情が宿ってしまう。

僕は見たことは無いが、九十九神みたいなものだろうか。

そんな理由で僕は、墓場に近づく事ができなかった。

では、墓場にはどんな感情があるのか?

昔、僕の友人も、そう聞いてきたことがある。

その友人も心の中では、僕の話をただの創作として聞いていた。ちょうど、君と似た感情を持っていた。

攻めてる訳じゃない、物に感情が宿る。なんて事は今のご時世では、小学生だって信じないだろう。

僕はそれで良いと思うし、それが羨ましいとも思う。

話を戻そう。墓場にはどんな感情があるのか。

悲しみ、苦しみ、怒り。そんな、感情なら良かった。

そこに有ったのは喜びだった。

誰の喜びだろう。死者の喜び? 遺族の喜び?

それは両方だった。

どうして喜ぶのか、そこまでは分からない。

ただどんな事情があるにしろ、最後は喜びに行き着く。

僕にはそれが分からない、理解できない感情は怖い。

でも、君には少しは理解できたんじゃないか?

感情を読むまでもなく真っ青な顔をしているよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ