第14話 運命の連鎖
ここは王都からかなり離れたこの世界有数の巨大都市の一つ、『クルス』。
人口約7万人が生活するここはとある言い伝えから『伝説都市』とも呼ばれる。
霧の森を抜け彷徨っていた秋水とスザクがかなり遠くの森から発見した都市である。
約5日かけて辿り着いた二人は、ここが王都ではないとも露知らず二人はテンションが上がっていた。
秋水「おおあぁあぁぁ! 都市だああぁぁぁ! 森林、土、川、魔物とおさらばだぁ!」
スザク「中々でかい都市だな、きっと王都で間違いなさそうだ。」
秋水「やっぱりそうなのか? スザクは王都に行ったことは?」
スザク「何度もあるぞ? だからここは王都だってわかる。」
するとザ・モブキャラチックな街の入り口の衛兵が・・・・。
衛兵モブ「ここは伝説都市クルスだ、冒険者か? お疲れのようだしゆっくりしていくといい。」
ネブラ「へぇ~何度も王都にねぇ。」
秋水「クルスって言うのかぁ。 王都じゃないんだねぇ。」
なんとも気まずすぎる、すごく恥ずかしい光景である。
スザク「は、ははっ! まぁとりあえず食料と宿には困らんだろう!」
その言葉で秋水は大変な事に気づく。
秋水「はっ!!! 俺、金なんて持ってねえ!!!」
スザク「あぁ、そうだろうなぁ、霧の守護者からその辺は聞いてるぜ?」
スザク「俺の事も考えてくれて最悪王都じゃなくていいから、どっか街まで着いたらお前は一人でもなんとかなるし、これだけ渡してほっといていいぞぉって言われてるからな。」
そう言うとスザクは懐から小包みを秋水に渡した。
小包みを開くと中からお金と思しき金貨が5枚出てきた。
秋水「これがお金か? ってかほっといていいってどゆことよ!?」
スザク「まぁ、俺も行かなきゃなんねぇとこがあるからなぁ、俺の案内はここまでになる。」
秋水「案内も何もなんもしてねえじゃん・・・・。」
スザク「ま、まぁ飽くまで護衛ってやつだ、とりあえず秋水ほどの実力に霧の精霊の精霊使いなんてこの世界じゃ反則級の実力者だ、なんの問題もねえよ。」
秋水「そうなのか? でもこんなコイン5枚で生きていけるもんなのか!?」
スザク「そのコイン一枚で大体50食分くらいある、大丈夫だろ?」
秋水「そんなに!? じゃあこの世界の一番の上のコインってことか?」
スザク「そうだな、金貨、銀貨、銅貨の3種類だからな。」
秋水「そうか、そーゆーことならこれ以上お世話にはなれないな、王都はなんとか頑張って目指すよ、ありがとうな。」
スザク「あぁ、俺も久々に楽しかったぜ? 次は敵同士だろうと思う、さらばだ!!!」
そう彼が言った瞬間には目の前から消えていた。
ネブラ「やっぱり只者じゃあないね、あいつは。」
秋水「そうだな、あいつが俺に見せた本気は半分くらいかな?」
ネブラ「さぁねぇ、謎ばっかの兄ちゃんだったなぁ。」
秋水はとりあえず宿を探すために街を散策し始めた。
~5日前・王都~
用事から帰ってきた教官殿は7人にとある任務を告げた。
教官殿「おう、お前たち出張だ。」
尚矢「唐突やなぁ、でも正式な任務って初めてやなぁ。」
守武「非常勤じゃなかったの? めんどくさぁい。」
教官殿「殺すぞ守武、従え下っ端。」
守武「ふぁ・・・・ふぁあい。」
真癒「でもほんとに唐突ですね、なにか問題でも発生したんですか?」
討魔「奴らか?」
教官殿「いや、任務内容については向こうのギルドで聞いてもらう、私も詳しくは聞かされていないんだ、ただ腕利きのマスターが必要とのことだったので、経験も踏まえて推薦した。」
剣徒「そういうことでしたか。」
優菜「おでかけおでかけぇ~!」
夜雲「・・・・行き先は?」
教官殿「ん? あぁ、行き先はな・・・・。」
~『伝説都市クルス』~
はい、連鎖の章、章末です。
定期更新、3月以降はもしかしたら厳しくなってくるかも知れません(会社との契約内容が変わりますので・・・・。)が、出来れば週一、最悪でも月一の更新を心がけますのでよろしくお願いします!
(今日はなんとか前日に完成出来ました...笑)