第11話 教官殿の罠
ジン「ちくちょおおおぉぉぉっ! はめられたっ! あんのクソババアふざけやがって!」
王都のメインストリートで大男が暴言を吐いていた。
彼はこの世界で『大拳聖』とまで呼ばれた男である。
なんとも情けない光景である。
オプス「しかしあんたも災難だねえ、こいつらの年齢も考えずにほいほい乗せられるからそうなるんだよ。」
ジン「まさかこいつらがまだ未成年だなんて!!! 完全に忘れてた!!! あああぁぁちくしょおおぉぉ!!!」
剣徒「あははぁ、こっちの世界でもお酒は20歳からってのは変わらないんですねぇ。」
討魔「暦の刻み方が地球と違う時点でなにを持って20歳と言うのか分からんがな。」
真癒「確かに、地球では17歳とかだけど、こっちだと既に成人してるかもしれない日数生きてるかも知れないし、まだもっと下の年齢かも知れないしね。」
この会話にジンが食いつく。
ジン「そーいやお前達は異世界から来たんだってなぁ? その世界は大体どれくらいの周期で一年が周ってたんだ?」
尚矢「一年は365日やで~。 わいらの国は4つの季節があって、寒暖の差が激しかったんやわぁ。」
ジン「ほぉ、そうなるとこの世界とあまり日付は変わらんかもな、一月が45日で八つの月が存在する、つまり一年が大体360日だな。」
討魔「ほう、ならば俺たちの年齢はたった5日少ないだけ、かける17年だとして、地球との差は85日だけで、俺たちが酒を飲める可能性は皆無だな。」
その言葉でまたジンが落ち込む。
優菜「でもなんでこんなに地球と似ているところが多いんでしょおねえ?」
ここで夜雲が口を開く。
夜雲「・・・・地球という環境はさまざまな奇跡が重なりあって出来上がった環境、その奇跡が起きない限り地球に生物は住めない。」
夜雲「・・・・つまり、地球人が火星や金星で生活をするのはほとんど賭けになるのと同じこと、この世界もたまたま奇跡が重なって出来た環境だから生物が生きる。」
夜雲「・・・・GATEスキルに関してはなんとも言えないけど、この世界に人に近いものが生活している時点で、環境は地球とあまり変わらないといことの証明になる。」
いつもより饒舌な夜雲に驚く6人、そこに守武が答えを出す。
守武「つまり、この世界というか、この惑星の近くにも地球と同じくらいの距離感で太陽的な存在があるから、そしてこの惑星がその太陽系の中で自転しているからこそ、一日という概念や一年という概念があるってことね。」
守武「そしてこの世界にいるのは限りなく人に近い形で進化した僕たちと全く違う構造の生物かもしれないから、人に近いものって表現をしたわけね。」
夜雲「・・・・守武ってところどころ鋭いよね、変態じゃなかったらいいのに。」
夜雲が他の誰かを指定して喋った、奇跡である。
守武「ふぁっ!? いまのはもしや、ぼくが変態やめたら夜雲ルート開通フラグッふうううぅぅぅっ・・・・。」
例によって真癒しとび蹴りを喰らい道の端までぶっ飛ぶ。
ジン「なんだ? お前ら付き合ってんのか?」
これはイケナイ、完全に導火線にファイアである。
剣徒と尚矢が必死にジンに耳打ちをしてジンが言葉を振り絞る。
ジン「いやなんだ、じょ、じょうだんってやつだよ、な! お前ら!」
剣徒「え、ええ~そうですよ、冗談が過ぎますよ!」
尚矢「守武と真癒が付き合ってるなんてありえへんわぁ~!」
その言葉で真癒は落ち着きを取り戻す。
真癒「そうよ、私があんな変態と付き合うわけないじゃない! 死ねばいいわ! 夜雲まで標的に入ってたなんて、ありえない!」
どう考えても守武の事が好きかそれでなくても気になってるじゃんって思うものの口には出さない6人とジンであった。
更新です、このままがりがりいけそうですねぇ~。
とりあえず今月の後半はちょっとした長期休暇を取っててお休みなので書き溜め出来たらなと思います。
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