第5話 第二の開放
守武は一足遅く先ほどダイナマイトが爆破した闘技場へ来ていた。
ダイナマイトにしてはかなりの威力があったらしく、かなり派手に地面がえぐれ、四方八方に破片が飛び散った形跡もあった。
一箇所だけ瓦礫が反れて綺麗な地面が見えている場所があった、ここはきっと7人が立っていて誰かがスキルで飛び散る瓦礫を防いだのだろう。
守武「ううーむ、これは、ただのダイナマイトにしては異常な威力だな・・・・。」
オプス「だいなまいとってのにも、種類があるんかい?」
守武「うむ、基本的にはニトログリセリンっていう危険な爆薬の元?みたいなのを使って作るんだけど、物によって威力は様々かなぁ。」
オプス「で? これはどうなんだい?」
守武「そうだねえ、多分、松ダイナマイトかな? 普通は使わないダイナマイトだよ、実験や採掘など、試験的、又は営利目的以外では威力が高すぎて危険が伴うからね。」
守武「もっとも、僕が住んでた国はこんなものとは基本無縁の国だったけど。」
オプス「どういうことだ?」
守武「僕の住んでた国は『戦争』を捨てた国なんだよ。」
オプス「ほお、戦争は人間にとって、切っても切れない存在だと思っていた、少なくともこの世界ではねぇ。」
守武「ああ、僕の住んでた世界でも戦争を捨てた国はかなり珍しいよ、でもそれを体現している、素晴らしい国でもあった。」
オプス「ま、ある程度刺激がねぇとやってけねえなぁ、おいらはよ。」
守武「まぁ、オプスはそだろーね。」
オプス「んで? これからどうすんの?」
守武「ここにみんないないってことは移動したってことだ、みんなと合流したいなぁ。」
オプス「お、ならそろそろあれを試してもいいかな。」
守武「あれ? なんのこと?」
オプス「前にやった精霊着装、覚えてるか? あれの上位版だ、使えると便利なんだぜ?」
守武「へぇ~そりゃいいな、どうやればいいんだ?」
オプス「簡単なこった、俺に全てを任せればいいんだ。」
守武「なんか・・・・エロいな・・・・。」
オプス「よし・・・・行くぞ? 力抜けよ?」
守武「お、おう・・・・アーーーーーッ!!!!」
オプス「は? これそんなに叫ぶほどのことじゃねえんだけど・・・・。」
守武「えっ? え? 乗ってくれてたんじゃないの?」
オプス「黙れよ。 というか、見てみろよ、いまのお前の状況を。」
守武はその時初めて自分の体が浮いている事に気付いた。
いや、浮いているというか、消えているというか、言葉では言い表せない状況であるが・・・・。
守武「へぇ~! こりゃすげえ! どうなってんの?」
オプス「これはなぁ、完全にお前という存在が俺という精霊に『なっている』んだ。」
守武「うーん、つまりいまの俺はお前自身ってこと?」
オプス「その通りさね、この状態ならお前はこの世のどこにでも通常では考えられない、『闇』というスピードで移動できるし、『偏在』出来る。」
守武「偏在? んだそれ。」
オプス「かっこよく言えば、分身だな!!!」
守武「分身!!! 素晴らしい、戦略の幅が広がるな!」
オプス「その通り、使いようによっちゃ100人に囲まれたって余裕で勝てる、まぁまずこの状態で見つかることもそうないし、見つかっても攻撃が当たらない。」
守武「あんた、すごすぎんよ・・・・。」
オプス「おうおう、知ってる。 さて、お嬢ちゃん達を追いかけるんだろ?」
守武「ああ、全速力だ!」
守武は闇のまま、教官殿達の歩き去ったと思われる方向へ向かった。
完全に守武回になってしまったw
いま暇な時間全て小説に注いでますw
書き溜めがどんどん出来てますので1週間に1~2話のペースで更新出来たらいいなと頑張ってます。
これからも御支援、評価、意見などよろしくお願いします!