第3話 チキュウ。
闘技場はかなり丈夫な造りになっている。
よくある円形闘技場で、戦闘を行う場所はどのような衝撃があっても崩れたり足場が悪くならないようしっかりと補強が行われている。
巷では最上級の土系スキルを使っても足場の部分に異常が起こることはないとまで言われている。
教官殿「さぁ、さっそくそのダイナマイトとやらの威力を見せてくれ。」
包みに入っていたダイナマイトは3本、導火線は一本に纏まっている。
夜雲はそれを闘技場の真ん中に置き、その場にいる全員を下がらせた。
ダイナマイトの扱いは経験があると、夜雲が名乗り出たので夜雲に任せることにしたのだ。
夜雲「・・・・教官殿、発火をお願いします。」
教官殿「あの紐の部分に点けたらいいのか?」
夜雲は無言で頷く。
教官殿は導火線に寸分違わず『発火』のスキルを掛けた。
導火線に火がつき、少しずつ本体へ近づき、そして耳を劈ような爆音で爆発した。
凄まじい爆発と爆風で丈夫なはずの足場も派手にえぐれ、その瓦礫が容赦なく6人と教官殿を襲ったが、事前に討魔が張っていた風の盾に弾かれた。
教官殿はその光景にしばし唖然としていたが、やっと声を出した。
教官殿「なん・・・・ということだ・・・・。」
尚矢「これがわいらの世界の武器、ダイナマイトや。」
教官殿「チキュウ・・・・と確か言ったかな、お前たちの元いた世界。」
真癒「ええ、そうよ。」
教官殿「お前たちの世界は、なんと恐ろしいものを作ったのだ、ここの闘技場の造りは、私の本気のスキルでも傷一つ付けることなど叶わんのだぞ・・・・。」
夜雲「・・・・もしかしたら、この世界の理、つまりスキルで補強を施したのであって、飽くまで私たちの世界からきた、まったく違う理で作られた武器の攻撃には耐性が無いのかも。」
教官殿「ふむ、それもありえるな、それよりもダイナマイトがこれほどの威力とは思わなかった。」
教官殿「さらにいま起こっている事の深刻さが増してきた、もう少し詳しくお前たちの世界の事を聞かせてくれ、他にも見つかったものがある、それらが保管されている場所に案内しよう。」
そう言って教官殿は歩き出す。
6人はそれに続いて歩き出した。
更新です!
このままこれくらいのペースで更新していけたらと思います。