第14話 条件
激戦が始まってから秋水は無我夢中で戦っていた。
力を存分に扱えるネブラの力をもってしても、本気を出した『審判の薙刀』はかなりの手練だったのだ。
??「ほらほら守ってばかりじゃなく攻めてきたらどうだい? 兄ちゃん!」
どうやら彼は得物を使った本気の戦いで性格が変わるタイプのようだ。
武術をたしなむ人間には割とこういうタイプがいる。
普段はおとなしい人間なのに、いざ武術で対峙すると人が変わったかのように猛烈に攻め立ててくる。
それとは逆のタイプもまたしかり、普段はおちゃらけているのに、いざ対峙するとさっきまでの明るさはどこへやら、冷静沈着なハンターとなる。
『審判の薙刀』と名乗った男はどうみても前者である。
それに対し秋水は普段も、戦闘時も基本的に冷静であった。
『審判の薙刀』から繰り出されるリーチの長い斬撃を一発一発丁寧に、そして確実に居合で受けては力を別の方向へ流す。
相手の挑発には乗らず、まずは相手の動き、クセを熟知するのがハンタータイプの常識だ。
??「おいおい、ったくおもんねえ野郎だなぁ、てめぇから仕掛けて来ねえならこっちから行くぜ!?」
そう言った瞬間に『審判の薙刀』自身からおぞましい量の気が溢れ出る。
大きな技が来る、そう思ったのも束の間だった。
目の前に膨大な気の篭った薙刀が眼前に迫った刹那・・・・。
体がまた中に浮くような感覚に見舞われた。
秋水の頭の中に声が響く。
ネブラ『ったく危ねぇなぁ! あんな大量の気の篭った薙刀受けたらさすがのおめえも死ぬぞ!!!』
秋水『すまん、どうなったんだ?』
ネブラ『切られた風に一旦霧になってる。』
秋水『そういうことか、でどうするんだ?』
ネブラ『どうするったって、相手は今の一撃で倒せたとは思ってねえぞ?たぶん。』
??「お? やったか? でも手ごたえはなかったような・・・・。」
秋水・ネブラ『あれ・・・・意外と・・・・アホ?』
『ふ、ふむ、やるじゃないか、お前の勝ちだ、『審判の薙刀』よ。』
??「ああん? やっぱ勝ちでいいのかこれ、やけに手ごたえがなかったが、でもまぁ勝ったならいいか。」
『そうだろ?世の中勝てば全てが丸く収まるのよ。』
??「しっかし、やりきれねえなぁ、なぁ、霧の守護者さんよ、俺は洗脳されてねえあいつと戦いてえ、どうにも、本気が見てみたいんだ。」
ネブラ『お、これはいい流れだねえ、このまま交換条件に持ってければ!!!』
秋水『そうなんだよそうなんだよ! 確かに戦う時は真剣だけど、操られてるふりとか、喋れないとか意識するとやりにくくてもぉ!!!』
『ならば、一つ頼みを聞いてくれたら叶えてやろう。』
??「頼み? ああ、俺に出来る事だったらなんでもしてやるよ。」
皆様どうもお久しぶりです。
またもや長い時間が空いておりましたが念願の更新です。
この章、始まったのが今年の一月でしたね、そして、14話がなんと12月31日ですよ、大晦日です。
今年はちょっとサボりすぎました・・・・。
しかぁし!!!
来年からがんばる!!!
Merry Christmas!!!
Have a nice new year for all!!!