第12話 『余興』
どうもお久しぶりです、やっとPCが復活いたしました。
読者の皆様には大変お待たせを致しました。
この小説は必ず完結します。
これからさらに私事で忙しくなりますが、少しずつでも更新をしたいと思ってます、これからも『GATE』をよろしくお願いしますm(_ _)m
男は巨大な門の前に立っていた。
霧の森をかき分け、ついに発見した五番目の門、長い歴史の闇に消えし門。
これまで四つの門を発見してきたが、やはり発見した瞬間、門の前に立つ瞬間のなんとも言えない高揚感や、達成感に慣れる事はない。
一度しかない人生の中で、このように世間一般、世の中の常識として、もはや『伝説』と称される門を自分が発見してゆく、これほど名誉でやりがいのあることなど他にない。
しかし、どうやら自分より先に、少し前、この門を訪れた『何者か』がいるようであった。
そしてその『何者か』がこの門から出てきた形跡は無い。
考えられるとすれば二通りであった。
たまたまこの霧の森に来てしまい、辿りついた者が運悪く門に迷い込み、この門に封印されし者によって命を奪われたか。
はたまた、導かれし者が導かれたか。
その二択であった。
門によっては温厚な性格の守護者もいる、しかし中には、無理やり封印された強大な力を持つ魔獣の場合もある。
どちらも、自分が存在するために必要な門を守護することに変わりはないが。
プライドの高い魔獣が封印されていて、自分の聖域をよそ者に穢されたと思われた場合等は、命の保証が無い。
それくらい、門の守護者は各門によって十人十色の違いなのである。
そんな事を考えているとき、心の中の自分が、そんなこと考えている暇があったらとっとと入ったらどうだという冷静な部分あることに気付く。
自分でそれもそうだと納得し、彼はつい先ほど開いたと思われる門の中へ足を踏み入れた。
門の中はいままでに見つけてきた門と同じような構造だった。
どの門も同じような景色がひたすら続いているような、そんな光景だ、しばらく歩けば守護者が眠る巨大な扉が現れる。
しばらく歩いていると案の定、巨大な扉があった。
扉は堅く閉ざされており、到底人の力で開くようには見えない。
いままでの門はまだ温厚な守護者が眠っていたので中に入れてくれたが、ここはどうだろうか。
そんな事を考えていると自分の考えを見透かしたかのように、頭の中に声が響いた。
『よくぞ辿りついた、世界の謎を追い求める者よ、入るがよい・・・・。』
すると扉が音もなく開く。
??「眠りを妨げて悪いな、失礼する。」
そう言って扉の中へ進んだ。
扉の中はどこの門も思いのほか明るく、広い広場の奥には守護者が鎮座している。
しかし、広間には守護者はいない。
『何もないところで悪いな、我はネーベルヴェヒター、ここを守護する者だ、貴様に姿を合わせたほうがよいか?』
??「いやぁ、そのままで構わない、こちとらいきなり押しかけて迷惑な話だ、申し訳ない。」
『やけに礼儀正しいではないか、貴様は気配だけでかなりの使い手と見た。』
??「いやいや、これでもまだまだ、私より強いものなどこの世にごまんといるだろう。」
『ふむ、それもそうだな。 して、何の用でここを訪れた?』
??「特に用はない、私は私個人の趣味で門を見つけるために世界を渡り歩いている、いわばただの冒険家といったところだ。」
『特に用はない? ならば一つ余興を用意しよう、存分に楽しんでいってくれ。』
??「余興? どういう・・・。っ!!」
言い切る前に『余興』は始まった。